政府、海賊版サイト遮断促す 「漫画村」「Anitube」「MioMio」名指し 法整備までの「緊急対策」
漫画やアニメを無断で掲載する海賊版サイトのブロッキング(遮断)について、政府は4月13日の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議で、法整備を進めることを決めた。立法までの「緊急対策」として、「漫画村」「Anitube」など政府が「悪質」と認めた3サイトに限り、民間によるブロッキングが「適当」と位置づけ、ISPなどによる自主的な遮断を促すことも決めた。
報道によると、政府が「ブロッキングが適当」としたのは、漫画海賊版サイト「漫画村」と、アニメ海賊版サイト「Anitube」「Miomio」、この3サイトと同一とみなせるサイト。会議では、3サイトのブロッキングについて、「あくまで法整備が行われるまでの臨時的・緊急的な措置であり、民間による自主的な取り組みとして実施する」と整理したという。海賊版サイトブロッキングに関する法案は、2019年の通常国会への提出を目指す。
4月上旬に「政府が海賊版サイトのブロッキングをISPに要請する方針」と伝えられて以降、業界団体からは、「ブロッキングには法的根拠がなく、憲法が定める『通信の秘密』に抵触する」「政府がISPに要請すれば、憲法が禁じる『検閲』に当たる」など反対意見が相次いでいた(関連記事:「海賊版サイトのブロッキングは憲法違反」「漫画村は国内から配信されている」 楠正憲さんに聞く、「海賊版サイトブロッキング」反対声明続々 ISPや婦人団体、与党議員も……橋本岳氏「国会軽視だ」)。
政府は今回、3サイトのブロッキングに限り、刑法上の「緊急避難」とし、ISPへの「要請」ではなく自主的なブロッキングを促す形にすることで、法的問題を回避する方針のようだ。ただ、専門家などからは、「海賊版サイトのブロッキングは緊急避難に当たらない」という見方も根強い。
菅義偉官房長官は13日の記者会見で、「閣僚会議では、安倍首相から、海賊版サイトによる被害が急速に拡大する状況で、中長期を含めた方針をただちに取りまとめ、可能なものから一刻も早く実施するよう指示があった」と話した。
違憲・違法性を懸念する声について問われると、「ネット関係の事業団体から、通信の秘密・表現の自由の観点から懸念があることは承知している。会議でも、あくまで法制度整備が行われるまでの臨時的かつ緊急的な措置とすること、民間による自主的な取り組みとして実施するとしても、3サイトおよび、これと同一とみなせるサイトに限定してブロッキングを行うことが適当。濫用がなされないよう留意し、速やかに関連法制を検討することを確認した」などと述べた。
会議に出席した中村伊知哉氏(慶応義塾大学メディアデザイン研究科教授)はTwitterで、「政府は、法制度を整備するまでの間、海賊版サイトのブロッキングは違法性が阻却されるとの解釈を示す」「民間に対しては要請も行政指導もしない。ISP+コンテンツら民間側で対応を決める」姿勢だと報告。この方針を受け、ISPやコンテンツ事業者らで、民間の対応を進めるタスクフォースを作ることになるという。
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