未来のバスは「スマホを出さずに」乗るだけ? JCBらが「ハンズフリー決済」2028年度実用化へ
ジェーシービー(JCB)、りそなホールディングス、小田原機器(神奈川県小田原市)の3社は7月9日、バスでのUWB(Ultra Wide Band)を使用する決済の実用化に向けた「協業覚書」を締結したと発表した。乗降時にスマートフォンを取り出さずに支払える「ハンズフリー決済」などを目指し、2028年度の実用化を掲げる。
JCBとりそなグループが3月4日に締結した基本合意書に基づく取り組みの1つ。同基本合意書は、UWB決済を店舗での買い物向けに事業化する取り決めで、今回はこれをバス業界に広げる。路線バス向け運賃収受機器(運賃を支払うための装置)で高いシェアを持つ小田原機器を加えた3社で、26年度から技術実証を始める。
UWBは、2000年代始めに登場した近距離高速通信規格で、Wi-Fiなど他の規格の普及により一時は存在感が薄れていた。しかし誤差数cmレベルという正確な位置測定が可能という特徴やスマートフォンに標準搭載されていることなどから、近年再び注目を集めている。決済時の通信手段とした場合、数十mの距離があっても端末の位置を正確に特定し、高速通信ができる。スマホをかざして決済するNFCや画面を読み取る二次元コード決済と異なり、利用者はハンズフリーで料金を支払える。
この取り組みの背景には公共交通ならではの事情がある。運転手不足や高齢化が進むなか、複数の決済対応や乗客対応が運転手の負担となり、混雑時には定時運行に支障をきたすおそれもあるという。
UWB決済の導入により、利用者は決済端末から離れていてもスマホを出さずに支払え、乗車履歴を生かしたクーポンや運行案内を受け取ることができる。バス事業者側では、運転手が決済対応や問い合わせから解放され運転に専念できると見込む。
3社は2027年度から小規模な商用化を始め、2028年度の本格的な実用化を目指す。今回を機に小田原機器はUWB標準化団体「FiRa Consortium」に参画するという。
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