「デスクトップPCから企業を解放する」AMDのRaiden戦略(1/2 ページ)
米Advanced Micro Devices(AMD)は、ビジネスPCに揺さぶりをかけようとしている。
「Raiden」と名付けたプロジェクトを通じて、AMDは、企業向けクライアントコンピューティングにおける新しいアプローチに目を向けている。Raidenは6月1日、米カリフォルニア州サニーベールのAMD本社で開かれた金融アナリスト向け説明会で正式発表された。同プロジェクトにあらかじめ設定されたタイムスケジュールはないが、この多面的な取り組みは以前から進められている。
Raidenプロジェクトの中核にある構想は、従業員が各自の仕事に関連したアプリケーションおよびデータを利用して仕事を処理できる手法を増やし、企業向けに提供することだ。幾つかの新モデルでは、主なデスクトップコンピューティング体験を特定種類の物理ハードウェア――主にデスクトップPC――から切り離すことを追求している。グラフィカルユーザーインタフェース、アプリケーション、データをデスクトップPCに常駐させるのではなく、これらをカプセル化し、企業ネットワーク経由で従業員のディスプレイに配信するという方法だ。
AMDによれば、目標はアプリケーションとデータの制御および管理を一元化して従来のPCよりも管理コストを引き下げることだという。だが同時に、同社は従来型デスクトップPC市場でのシェア拡大を今後も狙っていく考えだ。
「Raidenでは、焦点を物理デバイスからクライアントコンピューティング体験に移すことが試みられている。それを前提として受け入れた場合、(物理的な)サイズなど従来配慮していたことの多くを気にしなくて済むようになる。最終的には、体験を向上させることだけが重要になる」と、AMDのコマーシャル事業部担当上級副社長、マーティ・セイヤー氏は説明した。
同氏によれば、AMDはいずれ5~10の製品カテゴリー(一部は既に存在する)がRaiden下で生まれ、商用顧客に提供されるようになると考えている。
これら製品は、従来型シンクライアントから、HDDを装備しない「ステートレスPC」や仮想化技術を採用する「パーティションPC」などの新しいアプローチまでさまざまな分野に及ぶ。パーティションPCは、仮想化技術によって従業員によるアクセスを仕事関連のアプリケーションのみに制限したり、従業員の私物PCに企業ソフトウェアを含む特殊なワークパーティションを設置する。
「このアプローチを確立してほしいと求めるエンドクライアントたちと数多くの話し合いを重ねてきた。TCO(総所有コスト)を管理できる唯一の方法が(既存)モデルを変えることだ。その変革手段の1つが、(コンピューティング)サイクルをデータセンターにシフトすることだ」(ソーヤー氏)
ただしAMDは、顧客が新しいアプローチを導入するにあたって、バックエンドで省エネタイプのサーバを使うこと、ステートレスPCなどのデバイスの運用をサポートできる十分なネットワーク帯域幅を用意すること、など幾つかの条件を挙げていることをソーヤー氏は認めた。
ステートレスPCは「ストレートな手法であり、十分な帯域幅が提供できてユーザーに一定のパフォーマンスレベルを保証できるなら、採用すべきだ」と、ソーヤー氏。
ステートレスマシンは標準的なハードウェアを採用したデスクトップだが、ローカルストレージがない。したがって、ユーザーがアクセスするOS、アプリケーション、データはすべてサーバ上に置かれ、ネットワーク接続を経由して配信される。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性“PoCフライング公開”の経緯、支援財団が公表 混乱広げた企業を名指しで批判
-
2
AIに200万円渡してネットショップを1年運営させてみた──Alibabaの研究者らがシミュレーション 資産14倍の例も
-
3
PHP脆弱性でいち早くサービス停止したコドモン 背景に「被害が出てからでは取り消せない」
-
4
人に注射を打てる「サイボーグゴキブリ」の群れが、がれき下の被災者を救助? 実験成功率72%
-
5
カプコン、1177万件漏えい 不正アクセスで
-
6
「GitLab」に深刻度“最大”の脆弱性 認証なしで任意のコード実行の恐れ、修正版適用を CVSS「10.0」
-
7
高市総理、サイバーセキュリティの本を出していた しかも“PHP”から
-
8
旅行ゲーム「ワールドクエスト」、PHP脆弱性で即日サービス終了 「古い仕組みのため対策とれず」
-
9
認証局eMudhraの中間証明書、秘密鍵が「数ミリ秒」で復元可能な脆弱性 大手各社が緊急遮断
-
10
PHPに「緊急」レベルの脆弱性2件 修正版を日本時間21日深夜に公開へ、事前準備を呼び掛け
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR