「PHSカード定額より安く」 WiMAXアッカ-ドコモ陣営にTBSら参加
モバイルWiMAXへの参入を目指すアッカ・ネットワークス-NTTドコモ連合は10月11日、アッカ子会社のアッカ・ワイヤレスを通じて2.5GHz帯を使ったモバイルWiMAX事業の免許を総務省に申請した。同子会社には東京放送(TBS)や三井物産、大手ISPが資本参加を表明し、2009年3月のサービス開始を目指す。
アッカ・ワイヤレスに資本参加するのは、TBSと三井物産のほか、韓国・ソウルでワイヤレスブロードバンドサービスを4月に始めたKorea Telecomと、朝日ネット、NECビッグローブ、ソネットエンタテインメント、ニフティ、フリービットのISP5社、アイテック阪急阪神、京浜急行電鉄の鉄道2社、JPモルガン証券、アッカ筆頭株主のIgnite Groupなど金融・ファンドなど。
免許取得予定時までに子会社の資本金を300億円に増資する。出資比率はアッカが47%、NTTドコモが26%のほか、三井物産、TBS、ISPなどで合計12%、金融・ファンドで合計15%とする計画だ。
TBSはWiMAXを活用し、リアルタイムサービスや有料コンテンツ配信を展開したい考え。三井物産は、WiMAXにMVNO(仮想移動体サービス事業者)で参入する事業者向けに、認証や課金などのバックエンドを請け負うMVNE(仮想移動体サービス事業支援者)として参加する。
ISP5社はMVNOとしてWiMAXサービス参入を図る。朝日ネットを除く4社はソフトバンク-イー・アクセス連合にも参加する“両にらみ”の戦略を取る結果になったが、「ADSLでもアッカとイー・アクセスを接続会員向けに提供してきた。両方のサービスを提供してユーザーが選べるようにする」(NECビッグローブ)と説明する。
2013年に500万加入目標
計画では、09年3月の東京23区内を皮切りに、同年内に首都圏16号線内と名古屋、京阪神にサービスエリアを拡大し、人口の約30%をカバー。10年には関東、中部、関西の主要都市と札幌、仙台、静岡、福岡への拡大で人口カバー率を50%に高め、13年にはカバー率70%を目指す。
通信速度は最大下り40Mbps/上り5Mbps。当初は個人のPCユーザー向けのカード型端末での利用を想定する。
料金は定額制だが、具体的には「競合事業者を含め、変化する要因がある」(アッカの木村正治社長)として明らかにしなかった。だが「現在のPHSを含むデータカードの通信料よりは安くなる」(同)という。
サービス初年に25万加入・売上高60億円を見込み、13年に500万加入・売上高1500億円という目標を掲げる。損益分岐となる加入数は350万~400万としており、黒字化はEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)ベースで11年に、経常利益ベースで12年に果たす計画だ。設備投資は15年までに累計2000億円を見込む。
NTTドコモの中村社長は「各社のノウハウと基盤を活用し、早期にワイヤレスブロードバンドサービスを立ち上げる準備ができた。これまでの携帯電話事業とは異なる枠組みで事業を展開し、新たな市場を開きたい」と意気込む。モバイルPCで大容量ストリーミングを楽しみたいユーザーなど、携帯電話によるデータ通信とは異なるニーズに応えることで既存事業との切り分けはできると見ており、ドコモブランドによるWiMAXサービス販売も計画している。
ソフトバンク-イー・アクセス陣営も09年3月スタートを計画
この日、既に次世代PHS参入を申請済みのウィルコムを除く、アッカ-ドコモ、KDDI、ソフトバンク-イー・アクセスのWiMAX3陣営が免許を申請した。
ソフトバンク-イー・アクセス陣営は、モバイルWiMAX事業会社「オープンワイヤレスネットワーク」(OpenWin)の概要を公表した。ソフトバンクの孫正義社長は代表取締役として、イー・アクセスの千本倖生会長は取締役として経営に参加する。
ただ、既存の携帯事業者からの独立性を総務省が求めているのに配慮し、CEO(最高経営責任者)はソフトバンクBBの宮川潤一専務、代表取締役社長兼COO(最高執行責任者)はイー・アクセスの深田浩仁副社長が就任する執行体制とした。アッカ-ドコモ陣営にも参加するISP4社やゴールドマン・サックスなどによる約200億円の出資金の払い込みは完了している。
OpenWinはホールセール(回線卸売り)に徹し、MVNOを通じて09年3月にデータ通信サービスを開始。15年3月までにPCユーザー400万加入を目標に掲げる。料金は「3000~4000円の間」とし、1年でEBITDAベースで黒字、3年目に営業黒字とする計画。設備投資は総額2500億円。
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