激動の2021年にGoogleはどう動いたか、振り返ってみた:Googleさん(4/4 ページ)
2021年の終わりに、Google関連の出来事を振り返りました。コロナ禍でもスマートホームやスマートフォンの新製品をたくさん出し、規制当局の対応に追われた1年でした。
10月:Pixel 6発売、Android 12リリース、Android 12L発表
Googleさん自らの度々のリークで新鮮味はなくなっていた「Pixel 6」が発売されたのは例年通り10月のことでした。ハードウェア担当上級副社長のリック・オステルローさんがニューヨークのリアル店舗で紹介するという、GoogleにしてはちょっとAppleっぽく演出してみた発表イベントでした。
米国ではオンラインストアに予約殺到でクラッシュしたり、品不足になってクリスマスに間に合わず、お詫びに100ドル分のクレジットを提供したりするほどの人気のようです。私もPixel 6 Proをとても気に入って使っていますが、今のところ近くにユーザーは見当たりません。
スマートフォンに関心のない普通の人にPixel 6 Proの画面を見せたり、Pixel 6 Proで撮った写真を見せたりするときれいだと驚いて、たいてい「どこのスマートフォンなの?」ときかれます。「Googleの」と答えると不思議な顔をされるのが残念。
これも例年通り、同時に「Android 12」の公式版がリリースされました。Androidはもうかなり成熟してしまったのか、特に驚くような新機能はあまりないですが、自動翻訳や「レコーダー」など実用的な更新がありがたいです。
月末に発表された「Android 12L」は、2022年初頭公開予定の折りたたみ端末やタブレット向けAndroid OS。Google自身はタブレットから撤退していますが、オリジナルの折りたたみ端末を出したりするんでしょうか。Chrome OSとの兼ね合いも気になります。
11月:「Pixel 6」の指紋認証と充電速度に不満、Everyday Robots立ち上げ
気に入っている「Pixel 6」ですが、Pixelシリーズ初の画面内指紋認証はちょっともっさりしています。そのことについて苦情が多かったのを受け、改善のアップデートがありました。また、充電が遅いという苦情には、12月の月例アップデートで対処したとしています。
今年はSNSのメンタルへの害についていろいろ議論になった年でした。Googleさんは幸か不幸かSNSが苦手でサービスを提供しておらず、ちょっと対岸の火事的ではありますが、YouTubeでのクリエイターと視聴者の関係はちょっとSNS的です。で、「Dislike」(親指を下に向けたアイコン)の数を表示しないことにしました。視聴する側の好みの最適化のためにこのボタンをクリック(タップ)することは引き続きできます。
Google系列の話ですが、ムーンショット部門Xからロボット部門がスピンアウトし、Everyday Robotsという企業になりました。個人的にはこれが一番好きなニュース。日常生活に溶け込むロボットの実用化はまだ先になりそうですが、生きているうちに1台欲しい。
12月:Googleを去った人たちのその後、Sidewalk Labsの吸収
昨年12月にGoogleを解雇されたAI倫理研究者のティムニット・ゲブルさんが1年後、新たなAI研究所DAIRを立ち上げました。GoogleのAI部門を中心とした労使問題はまだ続いていますが、ゲブルさんには今後も活躍してほしいです。
Googleを去ったのはだいぶ昔ですが、かつてAndroid端末の発表などで活躍したヒューゴ・バーラさんが新型コロナ検査キットを手掛けるDetectのCEOに就任したのは嬉しいニュース。コンシューマーに寄り添うバーラさんの天職になりそうです。
Sidewalk Labsのダン・ドクトロフCEO(63)の辞任は残念なニュースでした。Sidewalk Labsは、都市での生活の諸問題を解決するソリューションの開発・提供を目的として2015年に立ち上げられたGoogleの系列企業です。ドクトロフさんの辞任で、企業としては解散し、Googleに吸収されます。ドクトロフさんは「残りの自生を、誰もALSで死なないようにするために捧げる」とMediumで語りました。
長くなってしまいました。これでもセキュリティ関連など、いろいろ取り落した記事もあります。2022年にはついに「Pixel Watch」(仮)登場?とか、メタバースにはどう参戦するの?とか、これからも気になるGoogleさんをウォッチしていきたいと思います。良いお年を。
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