SpaceX、ロシアRoscosmosが拒否した英OneWebの衛星打ち上げを請け負い
低軌道衛星通信も手掛けるSpaceXが、競合する英OneWebの衛星を年内に打ち上げる。OneWebはこれまで、ロシアRoscosmosのロケットで衛星を打ち上げてきたが、Roscosmosが新たな打ち上げを拒否したため。
低軌道衛星通信を手掛ける英OneWebは3月21日(現地時間)、米SpaceXとの契約締結により、年内に予定していた衛星の打ち上げの再開が可能になったと発表した。
OneWebの衛星は、ロシア国営宇宙企業Roscosmosのソユーズで打ち上げられる予定だったが、Roscosmosは3日、OneWebのネットワークが軍事目的に使われないことを保証し、(ソフトバンクGなどと共に株主である)英国が同社の持ち株を売却しない限り打ち上げは行わないと発表した。これは、2月24日のロシアによるウクライナ侵攻に対して英国、欧州連合、米国などがロシアに対して行った制裁措置を受けての発表とみられる。
OneWebは648基の衛星で構成する第1世代の低軌道衛星ネットワークを構築する計画で、Roscomosはこれまで、428基のOneWebの衛星を既に打ち上げ済みだ。Roscomosは次の打ち上げのためにソユーズロケットの準備を進めていたが、4日にはロケットを試験棟に格納してしまった。
OneWebによると、SpaceXによる衛星の最初の打ち上げは「2022年中に予定されている」という。
SpaceXもOneWebと同様の低軌道衛星ネットワーク「Starlink」を提供しており、両社は競合だ。SpaceXはウクライナの要請を受け、ウクライナにStarlinkのアンテナを無償提供し、ウクライナのネットワーク環境を支援している。
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