ランサムウェア対策、“バックアップだけ”はバックアップにあらず 米セキュリティ企業が考える最新対策法(1/3 ページ)
警察庁が今年2022年4月7日に発表した資料によれば、ランサムウェアによる企業や団体での被害が2021年後半に急増し、同庁に報告が行われた例だけでも前年同期比で約4倍の85件に達しているという。
日本ではメーカーや医療機関、自治体などでランサムウェア被害の報告が相次いでいる他、海外でも電力インフラそのものを乗っ取られて停電の誘発要因となるなど、社会的に甚大なダメージとなる例が報告され始めている。
ランサムウェアで厄介なのは、仮に身代金の提供に応じたとして、一度盗まれたデータの安全性は保証されず、さらに受け取った暗号鍵が必ずしも正しいものとは限らない点だ。
「定期的にバックアップを取っておけば、多少の差分ファイルは犠牲になっても多くのデータは守れるのではないか」──この素朴な発想は、データ漏えいのリスクを度外視したとしても正しいとはいえない。バックアップソリューションを提供する、情報セキュリティ企業・米Rubrikのビィパル・シンハCEO(兼共同創業者)が、同社の年次イベント「Forward 2022」で現在のランサムウェアへの有効な対策方法を語った。
現在のランサムウェア攻撃は「11秒に1回のペースで発生」
ランサムウェアそのものは比較的歴史が古いもので、世界最古の事例として知られているのは、ジョセフ・ポップという人物が拡散させたことにより1989年に発生した「AIDS」と呼ばれるソフトウェアだとされている。
「AIDSに関する入門情報」と書かれた2万枚のフロッピーディスクを世界中の研究機関などに送りつけ、これをドライブに挿入して実行したPCに感染。一定回数の起動を繰り返した後にファイルシステムを暗号化する仕組みが発動して、その解除のために189ドルの代金をパナマにある私書箱まで送金するよう指示が出る、一種の「トロイの木馬」のプログラムだ。
ポップは米国を拠点にするAIDS研究者で、後にオランダにあるアムステルダム空港で身柄を拘束されたが、なぜこのような行為に至ったか、その理由は明らかになっていない。
いずれにせよ、マルウェアの仕組みとしても非常に初期的なものであり、まだコンピュータネットワークさえ一般的ではなかった時代だ。現代はほぼ全てのコンピュータが互いにネットワークでやりとりするのが当たり前となり、攻撃手段もより洗練され、その対処方法もより複雑になっている。
それから33年、ランサムウェアを中心としたサイバー犯罪の世界はどうなったのか。シンハCEOは「ランサムウェアによる攻撃は世界で11秒に1回のペースで発生している」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
大雨で「首都圏外郭放水路」稼働 濁流が“地下神殿”を満たすまでの動画公開 国交省
-
2
「ペンギンを返して」 Suica新キャラ候補3案公開でSNSに戸惑いの声 一般投票は8日から
-
3
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
4
Duolingoの新アイコンが「気持ち悪い」 世界のユーザーから「元に戻して」の声
-
5
名古屋豪雨、冠水した道は今通れる? トヨタ「通れた道マップ」で確認を
-
6
“地下神殿”への濁流動画をダウンロード公開 Xでの反響受け……「首都圏外郭放水路」に称賛
-
7
くら寿司、「ちいかわ」グッズ不正で「警察と相談、厳正に対処」 メルカリと連携も
-
8
メルカリ、くら寿司ちいかわ騒動巡りコメント 出品削除・禁止の有無は
-
9
ネコはなぜ箱に入りたがるのか? ただ“狭い所好き”なだけではなかった オランダ研究チームが2014年に調査
-
10
豪雨被害の千葉で「通れた道マップ」トヨタが公開 直近3時間の通行実績が分かる
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR