「Aspire Timeline」はNetbookを超えるか:Acerの野望 in 北京(2/2 ページ)
Acerが北京でプレスイベントを開催し、2009年に投入予定の新製品群を披露した。超低電圧版Core 2 Duoを搭載する8時間駆動の薄型2スピンドル機を“そんなに安く”売ってもいいのでしょうか。
長時間駆動で“メインストリーム価格”の薄型ノートPC――「Aspire Timeline」
Aspire Timelineの説明は、台湾AcerでMobile Computing Vice Presidentを務めるCampbell Kan氏が担当した。同氏は、一般ユーザーがノートPCに求める最大の価値は6時間以上のバッテリーライフだという調査結果から、今回発表したAspire Timelineで8時間を超えるバッテリー駆動時間を達成、さらに最薄部で1インチ(25.4ミリ)を切る薄型ボディとシンプルなデザイン、そして同社が考えるメインストリーム価格帯(699~899USドル)での投入を実現した。
Aspire Timelineのラインアップは、液晶ディスプレイのサイズ別に13.3/14/15.6型の3モデルが用意される。資料によればアスペクト比はいずれも16:9で、解像度は1366×768ドット。現段階で細かい仕様は未定ながら、スライドで示された競合機種とのパフォーマンス比較表からは、CPUの選択肢にULV Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)があり、2.5インチHDDと光学ドライブを搭載し、チップセット内蔵グラフィックス(GMA 4500MHD)だけでなく外付けGPUのオプションもあることが見て取れる。
また、標準で8時間駆動が可能なだけでなく、ストレージにSSDを選択した場合は、バッテリー駆動時間が10時間超にも及ぶ。このロングバッテリーライフは、超低電圧版のCore 2 Duoをはじめ、LEDバックライトディスプレイやインテルのDisplay Power Saving Technology(DPST)、高度な電力管理技術を採用した成果だという。また、インテルが開発した「Laminar Wall Jets Technology」と呼ばれる冷却技術を採用している点も目を引く。この技術はシステムの熱源と底面の間に設けた空洞にエアフローを発生させることにより冷却を行う仕組みで、これによりノートPCをひざに載せて利用すると不快な熱を感じるという、従来の不満を解消した。このほか、無線LAN/WiMAXモジュールの内蔵や3Gオプションといったネットワーク機能をはじめ、Webカメラやマルチジェスチャーに対応したタッチパッドなど機能面も充実している。
もちろん、Aspire Timelineの最大の特徴はやはり価格だ。パフォーマンス比較のスライドで挙げられたLenovoやHP、ソニーの競合機種に比べれば、10万円を大幅に切るAspire Timelineのコストパフォーマンスは突出している。また、超低電圧版のCore 2 Duoを採用した13型クラスの薄型ノートPCと聞くと、最近の製品であれば「Adamo」を連想してしまうところだが、こちらも20万円超とかなり差がある(もっとも、Adamoは光学ドライブがないこともあって本体の高さが16.4ミリと“薄型”のレベルが違うが)。
いずれにせよ、Netbookに少し予算を上乗せするだけで、今まで手が出なかったクラスのノートPCを現実的に購入できる価格帯まで引き下げてきたAcerの戦略には非常に驚かされる。Aspire Timelineの圧倒的な価格競争力は、かつてNetbookが登場し瞬く間にPC市場を席巻していったときと同じようなインパクトをもたらすかもしれない。日本国内での投入時期は今のところ未定だが、今後のノートPC市場はさらに盛り上がりそうだ。
関連記事
テストで分かった真の実力:低価格ミニノートPCの名機、再び――「Aspire one D150」に迫る(後編)
液晶の大型化とともにボディデザインを一新した新世代Aspire one“D150”は買いなのか!? 後編は、パフォーマンス、発熱、騒音、バッテリー駆動時間を検証する。テストで分かった真の実力:低価格ミニノートPCの名機、再び――「Aspire one D150」に迫る(後編)
液晶の大型化とともにボディデザインを一新した新世代Aspire one“D150”は買いなのか!? 後編は、パフォーマンス、発熱、騒音、バッテリー駆動時間を検証する。まずは分解から:人気Netbookは進化したか?――「Aspire one D150」の気になる中身
画面サイズを8.9型から10.1型に大きくした日本エイサーのNetbook「Aspire one D150」は、内部構造にも大きな変化が見られる。まずは、その中身をのぞいてみた。CeBIT 2009:デバイスマネージャーでみる“新世代”Aspire one
AcerがCeBITで展示しているAspire oneは、すでに発表されている“10.1型液晶”搭載モデルだが、デバイスマネージャーで見ると、なぜか“ふた味”も違うのだ。エイサー、10.1型ワイド液晶装備の新「Aspire one」を発表
日本エイサーは、10.1型ワイド液晶を内蔵したミニノートPC「Aspire one」新モデル「D150」を発表した。不況は“追い風”?――日本エイサーの野望2009
Aspire oneの成功によって日本市場での存在感を増すエイサーが2009年の事業戦略について説明した。2008年の本格参入から「5年以内に国内PC市場でトップ5へ」は実現するのか。エイサー、Office 2007付属版「Aspire one」の販売を週末より開始
日本エイサーは、12月下旬販売開始としていた「Aspire one」Office 2007プリインストール済みモデルの発売時期を、12月13日に前倒しした。エイサー、ミニノート「Aspire one」を4万9800円に値下げ――新色モデルなども追加
日本エイサーは、ミニノート「Aspire one」のラインアップ強化を発表、新色モデル2製品およびOffice搭載モデルを追加した。むきました: 低価格ミニノートPC「Aspire one」を2枚におろしてみた
Eee PC対抗機として人気を集めている日本エイサーの「Aspire one」。上質なボディに隠されたAtomをのぞいてみた。エイサー、“Aspire one”の生産状況を告知――一部入荷の遅れも
日本エイサーは、同社製Netbook「Aspire one」の生産状況についての告知を行った。8月23日発売: 安くて“カッコイイ”ほうの新型Eee PCキラー「Aspire one」発売直前レビュー
日本エイサーが低価格ミニPC市場に投入する新型Eee PCキラーの最右翼「Aspire one」がいよいよ発売される。その実力を検証していこう。エイサー、Atom搭載Netbook「Aspire one」の発売日を確定
日本エイサーは、同社初となるNetbook「Aspire one」の発売日確定をアナウンスした。Eee PCキラー: 動画で見る低価格ミニPC――「Wind Notebook」/「Aspire one」編
低価格ミニPCの次世代モデルとして注目を集めるAtom搭載ノート。あいかわらずの品不足が続いているが、買えなくてギリギリしている人は、動画を眺めてちょっと一休み。5万4800円で新型Eee PCに対抗できる?: Atom搭載の低価格ミニPC「Aspire one」発表会
日本エイサーのNetbook「Aspire one」が8月中旬より国内で販売される。発表会には眞鍋かをりさんが登場し、“ブログ更新ツール”として「Aspire one」のメリットをアピールした。COMPUTEX TAIPEI 2008: AcerとMSIのEee PC対抗Atomノートも触ってみた
Eee PCに負けじと、ライバル機も続々と登場した2008年のCOMPUTEX。Acerの「Aspire one」とMSIの「Wind Notebook U100」に勝算はあるのか?COMPUTEX TAIPEI 2008: ASUSとガチ勝負!(ただし発表会の時間が)──AcerのNetBook「Aspire One」登場
Eee PCが登場して世界中に衝撃を与えたのがCOMPUTEX TAIPEI 2007。そして2008もNetBookで盛り上がる。ASUSに続いて、AcerもAtomを搭載するノートPCを発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.