サブディスプレイはどう使う?──レノボ「ThinkPad W700ds」“ながら見”レビュー(2/2 ページ)
そのサイズに驚いた“ds”なThinkPadの速報はCESリポートで紹介しているが、今回はその実用性を検証。プロユースだけでなく“遊び”モードでもチェックした。
デジタイザとカラーキャリブレータも標準搭載
デュアルディスプレイの話が長くなったが、ThinkPad W700dsにはそれ以外にもさまざまな特徴がある。まずキーボードの右下のパームレスト部分に四角い枠があるが、これは本体内蔵のデジタイザだ。右側面に収納されているペンを使ってWindowsを操作したり、絵を描くなどの操作が行える。このタブレットはかなり敏感で、ペンとタブレット部が1センチ程度離れていてもカーソルが反応する。感度がよすぎて、正確に操作するには慣れが必要になるかもしれない。
大きなボディサイズを生かして、拡張性も十分に確保されている。メモリスロットは2つ用意されていて、評価に用いた機材ではDDR3メモリ2Gバイト×2で埋まっていた。最大容量は8Gバイトとされている。PCカードスロットはないが、ExpressCard/34スロットを1つ装備、さらにコンパクトフラッシュカードリーダと、7メディア対応のカードリーダをそれぞれ搭載する。
USB 2.0は5つで、左側面に2つ、右側面に3つある。十分な数ではあるが、右側面の3つが本体手前に片寄っているのが気になる。マウスを右側面につなぐ場合は、もう少し奥にあったほうが使いやすいはずだ。できれば背面か右側面奥側にもUSBを1つ配置してくれるとより便利だっただろう。
このほかIEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LAN、ギガビット対応の有線LANもそろえている。キーボードは大型ノートPCということで非常にゆったりしていて打ちやすく、テンキーも用意されている。ポインティングデバイスはトラックポイントとタッチパッドの両方が使える。指紋センサーもある。ThinkPad W700dsはその大きな体を生かして、ノートPCに搭載できるものはすべて載せてしまった、機能も価格もぜいたくなモデルといえる。
すべてにおいて破格な“ds”は買いか
ThinkPad W700dsは、ノートPCながらデュアルディスプレイを標準で搭載し、「デスクトップPC代替機」どころか、デスクトップPCを寄せ付けないほどのスペックを持ったパワフルなモデルだ。ただしスペックが強力だけに値段も強烈で、Lenovoダイレクト価格なら「W700ds デュアルスクリーンパッケージ」で66万円になる。個人ユーザーが購入するとなると、よほどの決心が必要とされる価格設定といえる。
ノートPCでありながら、本体重量は約5キロと持ち運びには向いていない。ACアダプタも巨大で、実測値では、83(幅)×168(奥行き)×38(高さ)ミリもあり、重さもACアダプタ本体で830グラム、コードを合わせると900グラムと軽量ミニノート1台分くらいになってしまう。完全に据え置きでの使用となるだろう。ただ、デスクトップより手軽なのも確かで、使わないときは鍵付きの引き出しやロッカーにしまうこともできるなど、セキュリティ面では心強いものがある。
強力で巨大なThinkPad W700dsはユーザーを選ぶノートPCではあるが、1台ですべての作業をこなせる最強のノートPCを必要としているユーザーや、デュアルディスプレイを生かして快適に作業を行いたいユーザーには検討する価値が十分にあるといえるだろう。
関連キーワード
ThinkPad | モバイルワークステーション | ディスプレイ | カスタマイズ | Core 2 Duo | DDR3 | マルチディスプレイ | SSD | Windows Vista | WUXGAディスプレイ
関連記事
レノボ、デュアル液晶内蔵の高機能モバイルワークステーション「ThinkPad W700ds」
レノボ・ジャパンは、デュアル液晶ディスプレイを標準搭載したモバイルワークステーション「ThinkPad W700ds」を発表した。2009 International CES:将来はトリプルディスプレイも──Lenovoブースで“DS”なThinkPadに迫る
2009年のCESにあわせて多くのPCベンダーが新製品を発表した。ここでは、Lenovoの「かっこいい一体型」と「2画面ThinkPad」の開発コンセプトを紹介しよう。2009 International CES:「CES Unveiled」に次世代を担うPCが集合した
その年の注目製品が集結する「CES Unveiled」が米国時間の1月6日に始まった。CES直前に発表された最新のPCをチェックするチャンスだ。Lenovo、デュアルディスプレイの大型ノートPC、薄型デスクトップ、ノートPCを発表
Lenovoが、スクリーン2枚を搭載した大型ノートPC、薄型デスクトップPC、薄型ノートPCなど複数の新製品を発表した。Lenovo、デュアルディスプレイの「ノートPC」発表へ
Lenovoが2009 International CESで発表する「Lenovo ThinkPad W700ds」はディスプレイを2つ搭載。17インチのメインディスプレイの内側に10.6インチディスプレイを格納する。これならプロも使えるワークステーションノート──レノボ「ThinkPad W700」
ThinkPadラインアップに加わった最大級のThinkPadは17型ワイド液晶にクアッドコアCPUだけじゃない。デジタイザにカラーキャリブレータと、これまでにない機能を満載する。色調整機能とデジタイザを内蔵した“究極”モバイルWS──「ThinkPad W700」発表
レノボ・ジャパンは、自ら「近年加速している」というモバイルワークステーション市場に、機能満載の巨艦モデルを投入する。「75万円超」という驚異の価格とともにその機能を紹介する。レノボ、キャリブレーション機能も内蔵した17型ワイド液晶内蔵のモバイルWS「ThinkPad W700」
レノボ・ジャパンは、17型ワイド液晶ディスプレイを内蔵するノートPC型筐体を採用するモバイルワークステーション「ThinkPad W700」を発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.