「値下がり」と「激速」に胸が熱くなった6月のアキバ:5分で分かった気になる、6月のアキバ事情(2/2 ページ)
Turbo Boost時のオーバークロックが狙えるCore i7/i5や、TDPが下がった新型Phenom II X6などがお値ごろ価格で登場した6月。思わず財布を出したくなる製品が目白押しだった。
FF14ベンチの登場で、高性能なグラフィックスカードが好調に売れる
6月半ば、6月16日公開の「ファイナルファンタジーXIV(以下、FF XIV) オフィシャルベンチマーク」を走らせたデモ機が各ショップに展示されたのも、大きなトピックだ。FF XIV自体の具体的なリリース時期(9月30日発売予定)は6月の時点では明らかにされていなかったが、スクウェア・エニックスの定番MMORPG「FF 11」の後継ということもあり、デモ機は多くのユーザーの関心を集めていた。
T-ZONE.PC DIY SHOPは「デモのスコアとマシン構成を見ていただければ分かるとおり、かなり高いスペックを要求するゲームです。普通にプレイする目安は3000スコアとなりますが、エントリークラスのグラフィックスカードではこれを超えるのは難しいと思いますね」と語った。
その影響から、ミドルクラス以上のグラフィックスカードの売れ行きが上がったと語るショップは多かった。先のT-ZONE.PC DIY SHOPでは「複数アカウント用にRadeon HD 5850カードを3枚まとめて購入した人もいらっしゃいました。現状では、SLIやCrossFireに対応していないようで、シングルGPUの高性能タイプを買われる方が多いですね。また、FF XIVが動作するDirectX 9環境でパフォーマンスを発揮しやすいRadeon系が人気を集めているという傾向もあります」という。
特に売れているのはRadeon HD 5770とHD 5850とのことだが、6月初旬からそうした高性能カードのバリエーションモデルが目立っている。HD 5770カードでは、初旬に登場したギガバイトのオーバークロックモデル「GV-R577SO-1GD」が話題を集めた。価格は2万3000円弱で、コアクロックを標準の850MHzから900MHzに引き上げている。クレバリー1号店は「1万円台後半が多いHD 5770カードとしては少し高価なモデルですが、HD 5000シリーズの中でも人気のGPUということもあり、探している人は多いと思います」と話していた。
同じタイミングで、4GバイトのGDDR5メモリを搭載するRadeon HD 5970オーバークロックモデル「TOXIC HD5970 4G GDDR5」も話題をさらっている。価格は15万円前後と非常に高価ながら、標準でコア725MHz/メモリ1000MHzの仕様を850Mhz/1200MHzまで高めており、「間違いなくRadeon最強のカードでしょう。ここまでクロックを引き上げるのは難しいので、生産量はかなり少ないと聞いています。まあ、価格的に数量が出るモデルではないと思いますが……」(TSUKUMO eX.)といったコメントが複数聞かれた。
一方、NVIDIAはGeForce 400シリーズの新GPU「GTX 465」を投入している。GTX470の下位モデルで、搭載カードは2万8000円から3万円強で各社から登場した。パソコンショップ・アークは「ミドルクラスなので、初回はそれほど売れないですね。価格が2万台半ばに落ち着いて、GeForce 200世代が品薄になってきたら定番化するんじゃないでしょうか」と長い目で見ていた。
水冷キット2010年モデルにOffice 2010など……そのほかの注目パーツ
最後は、そのほかのジャンルで光った新製品を紹介したい。
6月後半から夏本番に向けて冷却パーツの新製品ラッシュが始まっているが、その中でも月末に登場したLarkoolerの水冷キット「BA2-241」が話題を集めていた。12センチファンを2基備えたラジエーターとPC内蔵用のポンプ、CPUブロックをセットにした組み立て式のキットで、価格は1万3000円弱となる。ソフマップは「なかなかリーズナブルな価格で、モノとしても悪くないです。今年の夏を代表する水冷キットになってくれるとうれしいですね」と話していた。
AV関連では、6月後半に登場したアイ・オー・データ機器のデジタル3波対応チューナーカード「GV-MVP/XSW」と「GV-MVP/XS」が、複数のショップで大きく扱われていた。2種類のトランスコードチップを搭載しており、MPEG2-TS形式での無劣化録画のほか、フルHD画質のままMPEG4-AVC形式で最大15倍速(容量を15分の1に圧縮)での録画にも対応する。価格はダブルチューナー型のGV-MVP/XSWが2万円弱で、シングルのGV-MVP/XSは1万5000円弱となる。
ツートップ秋葉原本店は「PC向けチューナーはMPEG2録画が一般的ですが、今後はデジタル家電のようにMPEG4-AVC録画が一般化する可能性は高いですね。これまでもソフトウェアエンコードで処理できるものもありましたが、GV-MVP/XSWとGV-MVP/XSはハードウェアで直接変換できるのが強みです。チューナーカードでは久々のヒットモデルになるのではと予感しています」と期待を込める。
また、同時期にマイクロソフトのオフィススイート「Microsoft Office 2010」各パッケージの販売もスタートしている。従来のOffice 2007よりも割安になっており、WordとExcel、Outlookの入った「Office Personal 2010」の通常版は、対応する前バージョンが4万5000円弱だったのに対し、3万円弱まで下がっている。Personal 2010にPowerPointとOneNoteを加えた「Office Home&Business 2010」も、通常版で3万5000円弱となっている。
某ショップは「OfficeといえばPhotoshopと並ぶ高級ソフトというイメージがありますが、最新版は結構お買い得だと思います。2007で搭載したリボンなどの機能も洗練されましたし、乗り換えても損はないでしょう。さしずめ、2007がWindows Vistaで、2010がWindows 7といったところでしょうか」と笑っていた。
関連記事
「やっぱりAMDは安くて省電力じゃないと」――6コア化を加速させる新型「Phenom II X6 1055T」
先週末のアキバは、日本代表の決勝進出に便乗したセールが見られた。その中で注目を集めていたのは、消費電力がガクンと下がった「Phenom II X6」だ。「新製品かそれ以上の効果がありそう」――“FF14ベンチ”に沸くアキバの事情
「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」のデモが多数のショップで行われる。どこのショップでも「すごくハイスペックを要求しますね、コレ」という感想が聞かれた。それゆえに期待度が高まっている。「ド定番のCore i7-860に食らいつきそう」――Phenom II X6 1090Tが3万円切り
HDDやメモリなど、さまざまなパーツが値下がりしているが、いまもCPUの売れ筋モデルは2万~3万円あたりだ。そして、Phenom II X6 1090Tが値下がりしたことで、この価格帯のCPUがさらに熱くなっている。「Radeon HD 5770の売れ行きが異常」――大型連休に際だって売れたパーツは?
楽しかった大型連休はもう終わり。全国各地からアキバに集まったユーザーが一体何を買っていったのだろうか。新製品とともに連休中のヒットパーツの情報を聞き込んでみた。「AMDユーザーが冬眠から目覚めたようです」――6コアPhenom IIが大型連休にヒット
AMDの最新ハイエンドCPU「Phenom II X6」が初回から潤沢に出回っているが、連休の前半で売り切れるショップが出るほど好調に売れている。同じタイミングで登場した「AMD 890FX」マザーもヒット中だ。
関連リンク
- 古田雄介のアキバPickUp!:
- 古田雄介のブログ
- 製品最安値比較サイト:ITmedia +D Shopping
- ソフトウェアダウンロード販売サービス:+D Download
- ソフトウェアのライセンスはまとめ買いがお得:LICENSE ONLINE
- デジタルライフに彩りを与える専門ショップ:+D 専門店街
- PCパーツからオシャレなノートPCまで:msi style!
- 欲しかったアレがここにある!:ニーハオ!!上海問屋
- VAIOのことならお任せ!:VAIO LOVERS
- ソニーじゃなきゃもったいない!:SONY LOVERS
- ThinkPadがWeb限定特価:Lenovo media
- Windows 7搭載PC続々:マウスコンピューターステーション
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.