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Atomじゃ物足りない、それならコレでどうだ!?――新生「VAIO Y」を攻略する6万円台から買える13.3型VAIOノート(1/4 ページ)

Atom搭載機ではないVAIOモバイルノートで最も安価なのが「VAIO Y」シリーズだ。この夏はCPU、デザイン、カラバリに手を加えることで、完成度を高めている。

見た目も中身も変わったVAIOのバリューモバイルマシン

「VAIO Y」シリーズの標準仕様モデル「VPCY219FJ/S」

 ソニーの「VAIO Y」シリーズは、13.3型ワイド液晶ディスプレイと余裕あるサイズのキーボード/タッチパッドを搭載する、携帯性と操作性のバランスに配慮したモバイルノートPCだ。特徴はインテルのCULV(Consumer Ultra Low Voltage)版CPUに連なるバリュークラスの超低電圧版CPUを採用している点で、内蔵の光学ドライブも省いて価格を抑えている。

 VAIOノートのラインアップでは、画面サイズが同じ「VAIO S」シリーズの下位に位置付けられ、Atom搭載の「VAIO P」「VAIO M」「VAIO W」を除けば、最も安価に入手できるVAIOブランドのモバイルノートPCとして注目したい製品だ。

 2010年1月にVAIO初のCULVノートシリーズとして発売された際には、ボディデザインの多くをVAIO Sと共通化しており、VAIO SのCPUをCULV版に変更して光学ドライブを外した廉価版といった印象が強かったが、6月19日に発売された2010年夏モデルではボディデザインを変更し、カラーバリエーションをそろえるとともに、内部のアーキテクチャも刷新することで、VAIO Sとの違いが明確になった。

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 店頭販売向けの標準仕様モデルは「VPCY219FJ/S」の1モデルで、OSに64ビット版Windows 7 Home Premium、オフィススイートにOffice Personal 2010を採用し、量販店での実売価格は11万5000円前後となっている。さらに仕様をカスタマイズできるソニースタイル直販のVAIOオーナーメードモデルであれば、6万9800円から購入可能とNetbookに少し予算を上乗せするだけで手が届く。

 今回は標準仕様モデルのVPCY219FJ/Sを入手したので、早速その実力をチェックしていこう。

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デザインをリファインし、4つのカラバリを用意

 まずはボディデザインだが、2010年春モデルから、パームレスト、タッチパッド、キーボードに手が加えられた。

 パームレスト部分に隆起した別パーツをはめ込んだ「インタラクションテーブル」をやめて、パームレストから液晶ディスプレイヒンジ周辺部までのトップカバーを一体成型とすることで、よりスッキリしたまとまりあるデザインに仕上げている。タッチパッドには細かなデザインパターンをあしらい、キーボードのカラーをブラックからホワイトに変更して“軽さ”を出すなど、全体的に従来より洗練された。

 電源ボタンとバッテリー、ACアダプタ接続用のDC入力といった電源部分を筒状にデザインしてボディの背面に集めた上で、本体トップカバーのデザイン内に溶け込ませた「ブレンドシリンダーフォルム」、ボディの先端を丸くカットしてバックへの出し入れをしやすくしたり衝撃を受けた場合に破損しにくくしたりする「コンバージェンスライン」といったデザインの特徴は、同社の高級モバイルノートPC「VAIO Z」と共通だ。カーボンやアルミなどの高級感ある外装ではないものの、ボディ自体の作りはしっかりしている。


タッチパッドには細かなパターンが施され、キーボードの色はホワイトに変わっている

パームレストは盛り上がっているが、別パーツによるインタラクションテーブルはなくなった

シリンダー部が上に飛び出さず、本体のデザイン内に溶け込んだブレンドシリンダーデザイン

天面のデザインに変更はない

大きめのVAIOロゴは鏡面パーツのルミナスロゴだ
カラバリは直販モデルを含めて4種類だ

 ボディのカラーは明るいシルバーを基調に、側面の下部と底面をブラックで塗り分けており、コントラストを付けて見た目に薄く感じるようにしている。VAIOオーナーメードモデルでは、ブラック、ピンク、パープルのカラーも用意され、これらを選ぶと天面と液晶ディスプレイ周囲の色が変わる。また、ブラックとパープルではキーボード/パームレスト面のカラーもブラックになるので、標準仕様モデルとはかなり違って見えるだろう。

 本体サイズは326(幅)×226.5(奥行き)×23.7~32(高さ)ミリ、重量は約1.78キロで、2010年春モデルとまったく同じだ。重量は実測値で1.721キロと、公称値より少し軽かった。モバイルノートPCの小型化、薄型化、軽量化はソニーの得意とするところだが、バリューラインのVAIO Yでは特別にこうした追求はなされていない。モバイルを想定しつつ、液晶やキーボードのサイズに比重を置いた設計だ。国内のモバイルノートPCとしてはやや重いが、2キロは大きく下回っているので、通勤や通学などで持ち運んでの利用もこなせるだろう。

背面にリチウムイオンバッテリーを装着する。付属のACアダプタは小型軽量だ

 バッテリー駆動時間は6セルの標準タイプ(リチウムイオン/54ワットアワー 10.8ボルト 5000mAh)で約7時間、9セルのLバッテリー(7500mAh)で約10時間をうたう。低価格帯のモバイルノートPCとしてはなかなかのスタミナといえるが、後述するプラットフォームの変更などに伴い、公称のバッテリー駆動時間は従来モデルより2~3時間短くなった。Lバッテリー装着時は本体の重量が約145グラム増え、後部が17ミリほど出っ張る。

 付属のACアダプタは、サイズが36(幅)×92(奥行き)×26(高さ)ミリ、電源ケーブル込みの重量が約192グラムと小型軽量だ。本体と一緒にバッグに入れて持ち運びやすいコンパクトさがうれしい。

「VAIOの設定」では、バッテリーの充電能力をチェックできる(写真=左)。「バッテリーいたわり充電モード」では、バッテリーの充電量を満充電の約80%もしくは約50%に抑えることで、バッテリー寿命を延ばせる(写真=中央/右)

Sony Style(ソニースタイル)

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