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PC依存からクラウドとモバイルにシフトするために必要なことPDC10(2/3 ページ)

Microsoftの開発者向けイベント「PDC10」が、10月28日から29日にかけて行われる。OSの巨人は将来のためにクラウドとモバイルの活路を開けるのだろうか。

Microsoftのデバイス戦略を占うWindows Phone 7

 PDC10の基調講演では、Windows Phone 7についても言及している。すでに販売が始まっているWindows Phone 7採用デバイスだが、米国での発売は11月からで、日本に至っては発売日に関するアナウンスそのものが行われていない。

 しかし、タイル状にアイコンが並ぶホーム画面のステータスウィンドウや、統一された階層式ユーザーインタフェース、ソーシャル機能を重視した機能など、Windows Phone 7の特徴や動作画面などはすでに米国や日本でも広く知られている。PDC10では、これらの機能が改めて紹介されたほか、ゲームやソーシャルアプリ、電子ブックリーダーなどのデモを行うことで、発売時点でアプリが充実していることがアピールされた。

10月下旬から販売を開始したWindows Phone 7。米国での発売日は11月上旬になる。なお、PDC10に参加者した全員にWindows Phone 7の実機が配布された(写真=左)。Windows Phone 7では、ここで示されたFacebookアプリなど、ソーシャル機能が重視している
Amazon Kindleのリーダーアプリケーションも登場する。実際に見やすいかはともかく、Windows Phone 7に用意されるアプリケーションの充実度は、競合するスマートフォンプラットフォームにそれほど引けを取っていないとMicrosoftは主張する

開発環境の整備もWindows Phone 7の普及を進める

 開発者イベントというPDCだけあって、開発ツールにかんするデモも多数公開された。

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 エミュレーションを組み合わせたリアルタイムでのデバッグやコード変更が容易な開発ツール「Visual Studio Express for Windows Phone」のほか、コード記述が苦手な人でもアニメーションや簡単なメニューのアプリを簡単に制作できる「Expression Blend」、そして新しいデバッガの「Profiler」など、後発のプラットフォームとしては開発ツールや環境が充実しているのもWindows Phone 7の特徴だ。

 競争が激しいスマートフォンは、スタートダッシュですべてが決まってしまう。そういう意味で、Microsoftが投入したWindows Phone 7は、2010年から2011年前半の1年間が正念場といえる。

開発ツール「Visual Studio Express for Windows Phone」の実行画面。エミュレーションで動作テストが行え、変更したコードの実行結果をすぐに試すことができる(写真=左)。2010年に発表された開発ツールのβ版で機能が統合された「Expression Blend」の実行画面。コード記述の詳しい知識がなくても、タイムラインを指定することで簡単にアニメーションを作成できる写真=右)
記述したコードや画像は、すぐに実機に転送してテストできる(写真=左)。アプリケーションの実行状況をトレースする「Profiler」。アプリケーションを実行中に動作が緩慢になる現象に遭遇したとき、このProfilerで実行ログを蓄積し、エラー状況やボトルネックの分析が行える(写真=右)

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