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3D立体視×3波ダブル録画×ナノイー搭載だと!?――「FMV ESPRIMO FH900/5BM」を試すこんな液晶一体型PCは見たことない(2/4 ページ)

国内メーカーのオールインワンPCといえば、てんこ盛りの機能が特徴だが、「FMV-ESPRIMO FH900/5BM」は一味違う。ボディの後ろに何かが付いてるのだが……。

PC初、「ナノイー」発生ユニットを搭載

 FH900/5BMのユニークな特徴として、本体の背面上部に「ナノイー」発生ユニットを搭載していることが挙げられる。

 ナノイーとは、開発元のパナソニック電工の造語で、電荷を帯びた水分子を微細粒子化して生成される微粒子イオンのことをいう。菌やウイルス、アレル物質(花粉、ダニなど)を抑制し、脱臭効果にも優れるとされている。ナノイー発生ユニットは、空気清浄機やエアコンなど生活家電を中心に幅広く搭載され、家電の注目機能といえるが、ESPRIMO FHシリーズは、PCとして初めてナノイー発生ユニットを搭載した製品となる。

 ナノイーの発生は、付属ソフト「ナノイーユーティリティー」によって行い、オン/オフおよびオフタイマー機能が利用する。ここで「オン」に設定しておけば、毎回PCの起動時およびスリープからの復帰時に自動的にナノイーが発生されるようになる。ナノイーの発生状況は、ディスプレイの操作パネルにあるインジケータで確認できるが、欲をいえばこれがボタンになっていて、PC本体とは独立してナノイー機能のオン/オフもできれば使い勝手がよさそうだと感じた。

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本体の背面上部に「ナノイー」発生ユニットを搭載している。一見、通風口のようだが、ちゃんとナノイーのロゴも刻印されている

ナノイー発生ユニットは、付属ソフトの「ナノイーユーティリティー」でオン/オフや、オフタイマー機能が利用できる

 実際にこのナノイー発生機能をオンにすると、本体から「サー」という独特の音が聞こえる。耳を近づけてみると少し甲高い金属音のような音も混じっているが、うるさいほどではなく「ナノイーユニットが動作している」と実感できる程度でしかない。テレビや音楽の視聴を妨げるようなものではないだろう。

 実際の効果については、ナノイー搭載といわれると、なんとなく周囲の空気がスッキリしていて、脱臭効果は感じられるような気がする……という程度。今回試した限りでは、明らかな効果が体感できるわけではなかった。例えば、花粉症の人だったら、春の杉花粉シーズンに使ってみたりすると、何か違いが感じられるのかもしれない。PC+ナノイー発生ユニット……あまりピンとこない組み合わせではあるが、個室に置くパーソナルな製品として、こうした家電的な発想はアリなのではないか。

基本システムにモバイル向けコンポーネントを採用

 基本システムにはインテルのモバイル向けのプラットフォームを採用している。低消費電力で発熱の低いモバイル向けのCPUやチップセットを採用することで、高性能を液晶一体型の省スペースボディにうまく収めている。

 CPUはCore i5-560M(2.53GHz)、チップセットにはIntel HM55 Expressを搭載。グラフィックス機能は、Core i5-560Mが内蔵するIntel HD Graphicsを利用する。この組み合わせは、ノートPCの最上位モデルである「FMV LIFEBOOK NH900/5BD」と同じだ。

CPUにはCore i5-560Mを搭載する。基本動作クロックは2.66GHzだが、Turbo Boostにより、高負荷時には最大3.2GHzで動作する。一方、アイドル時/低負荷時には省電力機能のEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)によって動作クロックと駆動電圧を下げ、最低1.2GHzで動作する

 メインメモリもやはりモバイル向けのPC3-8500 SO-DIMMを採用しており、容量は4Gバイト(2Gバイト×2枚)を搭載する。2基のメモリスロットには背面の小さなカバーを開けることでアクセスできる仕組みだ(標準で2基とも使用済み)。データストレージはノート向けの2.5インチHDDではなく、3.5インチのSerial ATA対応HDD(回転速度7200rpm)を採用しており、容量も1Tバイトと余裕がある。また、光学ドライブは、1層BD-R最大6倍速、2層BD-Rおよび1層/2層BD-REへの最大4倍速記録に対応したBlu-ray Disc(BD-RE)ドライブをボディ右側面に内蔵している。

 光学ドライブの下にはUSB 2.0が1基あり、左側面にはダイレクトメモリスロット(SDXCメモリーカード/メモリースティックPROなどに対応)、2基のUSB 3.0ポート、B-CASカードスロットがある。本体が左右にスイベルするので、これら両側面の端子には回りこむことなく容易にアクセスできる。

 そのほかの端子類は背面にあり、3基のUSB 2.0ポートのほか、有線LAN(1000BASE-T)、ヘッドフォン、マイク、アンテナ入力、HDMI入力端子などが用意されている。通信機能は、有線LANのほかにIEEE802.11b/g/n対応の無線LAN機能も備える。前述の通り、液晶フレームには3D撮影に対応した130万画素のWebカメラも内蔵している。

 USB 2.0の10倍の転送速度を備えたUSB 3.0ポートや、SDメモリーカードの最新規格であるSDXCに対応するなど先進的な内容だ。さらにHDMI入力端子を装備するため、家庭用ゲーム機などを接続して、外付けの23型フルHD液晶ディスプレイとして活用できるのも大きなポイントだ。


背面のネジ止めされたカバーを開けると、SO-DIMMのメモリスロットにアクセスできる。背面には3基のUSB 2.0や有線LAN、音声入出力、アンテナ入力なども搭載する

左側面には2基のUSB 3.0とメモリカードスロットを用意。USB 3.0の奥にあるのは、B-CASカードスロットだ

右側面にはスリムタイプのBlu-ray Disc(BD-RE)ドライブとUSB 2.0が配置されている

ゲーム機やビデオカメラなどを接続できるHDMI入力を装備

3D撮影に対応した130万画素のWebカメラも内蔵
FH900/5BMのデバイスマネージャ画面

 プリインストールOSには、64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用している。コンシューマ向けの機能が一通り使えるWindows 7の標準的なエディションだ。Office Home and Business 2010をはじめ、豊富なアプリケーションをそろえているのも特徴だが、3D立体視やテレビ視聴/録画に関係するソフトは後述する。

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