3D立体視×3波ダブル録画×ナノイー搭載だと!?――「FMV ESPRIMO FH900/5BM」を試す:こんな液晶一体型PCは見たことない(4/4 ページ)
国内メーカーのオールインワンPCといえば、てんこ盛りの機能が特徴だが、「FMV-ESPRIMO FH900/5BM」は一味違う。ボディの後ろに何かが付いてるのだが……。
ベンチマークテストで実力をチェックする
PC USER定例で行っているベンチマークテストも一通り行った。基本スペックは据え置き型のノートPCの定番的な構成を採用しているため、スコアも似たようなものとなっている。ただし、データストレージには回転速度7200rpmの3.5インチHDDを搭載しており、HDD系テストのスコアでは2.5インチのHDDを採用するノートPCよりワンランク上のスコアをマークした。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、右の画面の通り。CPU内蔵グラフィックス機能を利用しているため、グラフィックスのサブスコアが少し低めが、プロセッサでは6.9のサブスコアをマークしているように基本性能は高い。
PCMark05の総合スコアは6498、PCMark Vantageの総合スコアでは6492といずれも良好だ。3Dゲーム以外の用途であれば、Windows 7を快適に利用できることは間違いない。3Dグラフィックス(3D立体視ではない)の描画性能については、やはりCPU内蔵グラフィックスなりのスコアで、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3など、あまり描画負荷の高くないゲームならばプレイできるが、本格的な3Dゲームタイトルは難しいだろう。
静音性は優秀な部類だろう。静かな部屋ではアイドル時でも動作していることが分かる程度のかすかな音はするが、静粛といえるレベルだ。システムに負荷をかけてもほとんど変化は感じられなかった。室温21度、暗騒音30デシベル(dBA)の環境で、画面から20センチの距離で騒音レベルを測定したところ、アイドル時34デシベル、高負荷時35デシベルだった。
前述の通り、ナノイー発生ユニットを動作させるとサーっという動作音がする。騒音計の数値では1~2デシベル程度アップするだけだが、トーンがPCの動作音とは少し違うのではっきり違いは分かるだろう。それでも動作しているのが認識できるという程度で、耳障りという感じではない。
上質なエンターテインメント体験ができるオールインワンPC
FH900/5BMの実売価格は23万9800円だ。すでに発売から時間が経っているため、ほどよく価格がこなれており、家電量販店で20万円前後、ショップによっては17万円くらいで購入できるところもあるようだ。
偏光方式の3D立体視については画質面でベストとはいえないものの、まだ全体に過渡期の技術であり、これからまだまだ進化の余地がある。現時点で画質を差を気にして大きなコストをかけるより、体験できることのほうが重要だという考え方もあるだろう。実際、価格からも3D立体視対応による特別に大きな上乗せは感じられず、これくらいリーズナブルな価格で3Dコンテンツをいちはやく体験できることは大きな魅力といえる。
Windows 7環境で快適に作業できる高い基本性能を持つことに加えて、3波デジタル放送の視聴/録画機能と、Blu-ray Disc再生環境も備えている。家庭用ゲーム機などの接続に使えるHDMI入力端子を装備しているのも大きい。
また、スイベル機構を備えたボディの作りや液晶の画質、スピーカーの音質、リモコンの使いやすさなど、スペック表には現れない部分もしっかりしており、3D立体視やナノイー発生ユニットを計算に入れなくても、十分モトが取れるような完成度の高い液晶一体型デスクトップPCに仕上がっている。
PCと家庭用テレビ、Blu-ray Discレコーダー、ナノイー発生ユニットを1台にまとめられるので、それぞれの機器を独立して設置するほど利用頻度が高くない1人暮らしのユーザーや、個室で一通りのエンターテインメントをパーソナルに楽しみたいユーザーにピッタリな製品ではないだろうか。
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