「Monster X3」を冷静に使う:イマドキのイタモノ(3/3 ページ)
エスケイネットの「Monster X3」は、HDMI対応のビデオキャプチャーカードだ。高画質キャプチャーが可能だが、その扱いは難しい。さて、何に使おうか。
用途をしっかり定めてから購入したい
Monster X3において最も大きな問題は「そもそも、何に使うか」だ。Monster X3は、HDCPの施された信号をそのままではキャプチャーできない。Monster X3の製品情報ページには、「AVCHDカメラなどのハイビジョンカメラから出力される映像をPCで表示&取り込み可能」とある。しかし、デジタルビデオカメラなどの場合は、USBケーブルなどを使ってファイルを取り込むほうが早いし、画質の劣化もなく、ファイルサイズも小さくて済む。実際のところ、この用途に使うユーザーは多くないだろう。“HDCPを回避する機器”を使えば、HDMIコネクタを装備した機器から映像を取り込めるが、法的には問題とする解釈もあり、追加投資も必要だ。
変わったアイデアとしては、「PCの出力を録画する」といった利用方法がある。HDMI出力を装備したPCなら、そのまま接続してキャプチャーできる。DVIしかないPCでも、HDMIと互換性があるので変換ケーブルを使うことでMonster X3と接続が可能だ。例えば、全画面を使って動作するPCゲームの画面や、BIOS、RAIDユーティリティなど、Windowsのデスクトップからキャプチャーできない画面を録画することも可能だ。
導入で、用途や周辺機器、PCのスペックなどいろいろ考慮すべき問題はあるものの、用途が定まっているユーザーには便利なキャプチャーカードだ。設定も難しくはない。映像を取り込みたい機器の映像出力インタフェースの種類、HDCPの有無、解像度、フレーム数、プログレッシブ/インタレースなどを正しく確認して購入を検討したい。なお、エスケイネットでは、前モデルの「Monster X2」も併売している。D端子を使ったアナログ映像のキャプチャーも行ないたいユーザーは「Monster X2」、1080/24pの動画をHDMIでキャプチャーしたいユーザーは「Monster X3」というすみ分けになるだろう。
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