世界の船乗りが求める「ナナオの品質」──「SEA JAPAN」リポート:勝手に連載!「海で使うIT」(2/2 ページ)
貨物船や客船などに搭載する舶用機器の最新動向を集めた「SEA JAPAN」にPC USER取材班が潜入。舶用ディスプレイや衛星電話の最新情報を紹介する。
インマルサットになんとハンディタイプが登場
船で使う簡単確実な通信手段となると、なんといっても衛星電話だ(アマチュア無線は、簡単確実とはいえない)。舶用の衛星電話では、インマルサットとイリジウムが主流だが、ハンディサイズの端末で利用でき、初期コストもHF帯対応の無線機とリグの組み合わせとそれほど変わらないイリジウムに比べ、初期投資が100万円前後で装置も大掛かりになるインマルサットは、個人やグループが所有する小型のヨットやボートで使うには無理があった。
しかし、SEA JAPANのインマルサット(by KDDI)ブースに展示していた「IsatPhone PRO」は、ハンディサイズのボディだけでインマルサットによる衛星電話回線が利用できる。これまでドームタイムのアンテナユニットを必要としていたのと比べると、小型船における使い勝手と導入は格段に楽になる。まだ確定していないものの、端末価格はイリジウム対応端末程度となる予定で、ランニングコストも、現在主流のインマルサットフリードブロードバンド(従量制のスタンダードプランで月基本料が5000円)相当を目指したいと、KDDIのスタッフは説明している。
一方、イリジウム(by KDDI)ブースでも、先日発表した新端末「Extreme」を展示していた。GPS情報を発信する専用ボタンを搭載したモデルだが、ここで発信したGPS情報の受信先について、イリジウムのスタッフに確認したところ、ユーザーの設定したメールアドレスになるとの説明だ。このアドレスについて、民間が運営している救難サービスや、BANなどの救助サービスとの連携については、現在予定はないとのことだ。
イリジウムのブースでは、ExtremeとUSBで接続して利用できる無線LANルーターも展示していた。イリジウムのデータ通信速度が2400bps程度なので、PCで利用するリッチコンテンツを実装したWebページへのアクセスは無理だが、スマートフォンで利用できるWebページやテキスト限定のTwitterの利用は可能という。
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