レビュー

「iPhone 5」はやっぱり史上最高のモデルチェンジ薄く、軽く、広く、よりパワフルに(2/5 ページ)

いよいよ9月21日から発売されるiPhone 5。世界が待ち望んだこの待望の新製品をいち早く試すことができたので、ここでその魅力を紹介しよう。

実はいくつかあるiPhone 5限定の新機能

 製品哲学的の話ばかりをしても面白くない。ここでとっておきの情報を紹介しよう。前段でさんざん「ない」と書いていたが、実はほんのわずかだがあるのだ。iPhone 5のハードでしか利用できない機能が。

 1つ目は動画撮影中の静止画撮影機能だ。例えば、子供の運動会を見に行ったとき、走っている様子を動画でも撮りたいけれど、後でメールで簡単に遅れる静止画の写真も撮りたいと悩む人は少なくないだろう。そんなとき、iPhone 5では動画撮影中に、画面の右上にシャッターアイコンが現れるので、これをタップすれば写真も同時に記録できる。

 残念ながらiPhone 5自慢の高精細カメラの画素をフル活用した800万画素の写真ではなく、撮影中の動画から切り出した200万画素、フルHD解像度の静止画になるが、それでもちょっとした印刷などの用途であれば問題なく利用できる解像度だ。

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動画撮影機能中に、シャッターを切って静止画を記録することが可能になった。ただし、800万画素をフルに使うのではなく、動画と同じフルHD1920x1080ドットという解像度だ

 これはこれで便利な機能だが、筆者がそれ以上に感動したのが、新しい日本語入力キーボードのレイアウトだ。スマートフォンでの日本語入力と言えば、2008年iPhone 3Gで初採用され、それ以後、日本のスマートフォンの標準的な文字入力方法としてすっかり定着したフリック入力という機能がある。これが本家本元のアップルによってさらに改良され、iPhone 5では本体を横向きに構えると下で示したレイアウトのキーボードが表示されるようになった。これ自体は画面の広いiPadで先に実装されたものだが、iPhone 5でも液晶画面が広くなったことをうまく活用している。

フリック入力でお馴染み「かな」キーボードで入力中に本体を横に構えると、右手は文字入力キーの上に残したまま、左手の親指で漢字変換候補を選べるキーボードが表示される。iPhoneでは初搭載だ

 フリック入力は50音のほとんどの文字を、指をスライドさせ上げる(フリックする)というだけのシンプルな操作で実現したことが大きな特徴だが、単語や文節を入力するごとに、一度、「かな」キーボードから指を離し、その上に表示される漢字変換候補から正しい字を選び、また文字入力のポジションに指を戻す、という面倒な操作がついてまわった。これが横長の新キーボードでは、漢字変換候補が画面の左側に表示されるので、これを左手の親指で選ぶようにすれば、なんと右手の親指はかな入力用のキーボードの上に置いたまま動かさないで済む。慣れれば、これまでのフリック入力を超える最も効率的な日本語入力方法の1つとして、再び定番化するかもしれない。

 もちろん、機能としてはこれまで通りだが、画面サイズが変わったことで使い勝手が変わるものも多い。iPhoneを縦に構えての電子メールの文書作成は、これまでのiPhoneでは宛先など余計な情報に画面をたくさんとられるため、1行しか表示されなかった。しかし、iPhone 5ではなんと4行も見渡すことができる。iPhone本体を横に構えると表示されるカレンダー機能の週間カレンダー表示は、これまでの3日から5日、つまりウィークデイのすべてが見渡せるように進化した。

カレンダー機能の週間表示は5日分のスケジュールを表示できるようになった(これまでは3日分)。

 これ以外にも、標準搭載のすべてのアプリと、AppStoreで販売している、そのほかのアップル製アプリケーションも、iPhone 5の縦長なスクリーンを生かすように作り直されていて、確実に画面に表示できる情報量の増加の恩恵は受けられるはずだ。

アップル製アプリケーションはすべてiPhone 5対応。作業スペースにちょっとゆとりができる、という程度の恩恵がほとんどだが、GarageBandのピアノ演奏機能では鍵盤の数が増え、はっきりとした恩恵を感じられる

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