ちょいと未来のUltrabookを妄想する:IDF 2012(2/3 ページ)
IDF 2012でIntelは、HaswellなどIntelプラットフォームのアップデートを多数紹介している。その資料から浮かび上がる2013年以降のUltrabookの姿とは。
4Kへの挑戦
IDF 2012では、Haswellをはじめとして4Kディスプレイに関する発言も増えている。2013年後半に登場するHaswellでは、CPUに統合するグラフィックスコアで4K表示を標準でサポートする。もっとも、“Ivy Bridge”世代の統合グラフィックスコアでもフルHDパネル4枚を用いたデジタルサイネージのデモをIDFで公開しており、表示品質を問わないのであれば今でも4Kディスプレイに対応できると思われる。だが、Haswell世代では液晶一体型PCだけでなく、Ultrabookやタブレットデバイスといった薄型ボディのPCで求めるフォームファクタでも4Kサポートが広がるため、性能と低消費電力に対する要求はさらに厳しくなるだろう。
ただ、すべてのディスプレイサイズで4Kを用いるわけではなく、目の認識限界の手前(Appleがマーケティングで用いている“Retina”)に相当する解像度をそれぞれのフォームファクタで実現することを求めている。目の認識限界は、視認距離と相関関係にあり、スマートフォンのような小型デバイスほど高い画素密度を要求し、大型ディスプレイであれば高い画素密度は必要なくなる。タブレットデバイスやノートPCでは、現行のミッドレンジモデルの4倍に相当する解像度となる2560×1440ドットや3200×1800ドットがターゲットになる。
一方で4K導入で課題となるのは、グラフィックスコアの性能とディスプレイインタフェースの部分だ。グラフィックスコアの性能については、Haswell世代以降でサポートするとして、問題はディスプレイインタフェースとなる。現行のHDMIでは、60Hzのリフレッシュレートでは画像の転送が追いつかず、PC側はDisplayPort 1.2以降の対応が必要になる。HDMIは4Kテレビでも課題となっているが、こちらはテレビの標準的なリフレッシュレートである30Hz程度をカバーできればいいため(インタレース時)、動きの大きい映像でもなければ大きな問題にはならない。
ノートPCなどでは、ディスプレイインタフェースに関してもう1つの問題がある。高速伝送に加えて省電力も実現しなければいけない点だ。ディスプレイはタッチUIの入力インタフェースにもなっており、双方向でデータのやり取りが発生する。また、省電力のため輝度や画面のリフレッシュをPC側で細かく管理する必要がある。実際、PCのCPUは、半導体の技術革新で消費電力が低減している一方で、ディスプレイの消費電力はほとんど変化していない。
Haswellの世代では6年前と比較して両者の消費電力の関係が完全に逆転しているとIntelは説明する。これら高速伝送と省電力の問題を解決すべく実装を進めているのがeDP(Embedded DisplayPort)だ。液晶一体型PCからスマートフォンまで、幅広いフォームファクタをカバーするという。2011年に策定したeDP 1.3のプロファイルでは、PSR(Panel Self Refresh)という機能を定義しており、ディスプレイに表示する内容の変更がない場合、以前に送られたデータのキャッシュでディスプレイ自らが画面をリフレッシュする。このことで、無駄な消費電力の抑制とレスポンスの向上を実現できる。
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