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第7回 カスタマイズ対応の「dynabook R632/W1」──Core i5モデルとCore i7モデル、どっちが向いている?モバイラーが選んだ「dynabook R632」(2/2 ページ)

薄型軽量、長時間動作が特長のUltrabook「dynabook R632」。本シリーズのWebオリジナルモデルはビジネスシーン向けのモバイルPC展開に強い東芝製ならではの悩ましい選択肢──Core i5モデルとCore i7モデルがある。改めてどんな利用シーンにどちらが向くかを検証する。

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「仮想PC環境」を使うならCore i7モデル

 もう1つ、筆者がCore i5モデル選択時に“利用しない”前提にしていたのが「仮想PC環境」の利用だ。例えばWindows 7 Professionalは仮想環境上でWindows XPを動作させるWindows XP Mode機能を標準で利用できることで、既存環境と互換性を持たせる工夫があるのはみなさんご存じの通り。仮想PC環境はやはりメモリの消費量が多くなるので、メインメモリが4Gバイトではおそらくかなり辛い。また、Windows XP ModeはWindows 7 Home Premiumでは利用できない。

 ということで、R632のCore i7モデルとCore i5-450M搭載の旧PCとでWindows XP Mode動作時の使い勝手を比較しよう。旧PCはCore i5-450M、8Gバイトメモリ、750GバイトHDDという仕様。どちらもWindows XP Modeには2Gバイトのメモリを割り当てた。

Windows XP Modeでシステムのプロパティを表示。2Gバイト分のメモリを割り当てた仮想環境上のWindows XPも、Core i7モデルはサクサク動作する。統合機能が有効なので、Windows XPが動作するウインドウサイズも自由に変更できる

 Windows XP Modeにおいては、シャットダウン(終了)以外は圧倒的にdynabook R632/W1 Core i7モデルが速い。Windows XP Modeの動作自体の操作性に大きな差はないが、Windows 7側でBGMを再生しつつ、Windows XP Modeでアプリを使うといった同時作業のシーンにおいては、旧PCは動作がもたつき、引っかかるような挙動を見せる。それがR632/W1のCore i7モデルは仮想環境を感じさせず、ネイティブでWindows XPを扱うかのように至って普通に作業できる。

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Windows XP Modeを利用 R632 Core i7モデル 旧PC(Core i5-450M) 旧PCとの差
起動 36秒 76秒 -40秒
終了 8秒 11秒 -3秒
休止 13秒 22秒 -9秒
復帰 8秒 16秒 -16秒
マルチディスプレイ環境にて、外部ディスプレイ側でWindows XPをフルスクリーン表示させた。フルHD解像度でも描画でストレスを感じることなく利用できる
Windows 7側でExcel 2003を、Windows XP側でExcel 2000を起動したところ。異なるバージョンのOfficeでマクロの動作検証といった時に、1台で同時に使える仮想環境が便利だ
もう1つは、Windows 7側でInternet Explorer 9、Windows XP側でInternet Explorer 6を動作させたところ。IEは原則として1つのOS上に異なるバージョンを複数インストールできないので、Webサイトの動作検証を行う必要がある業務──例えばデザイナーや技術管理者、開発者などに便利だ

 個人ユーザーであれば、おそらくもうWindows XP Modeは必要なくなっていると思うが、オフィスシーンではまだ必要とする人は多い。このため、重量1キロ弱の軽量モバイルノートPCでこれだけ快適な仮想PC環境を持ち歩けるのは、特にオフィスユーザーによっては非常に魅力的だ。

 好みや予算にもよるが、筆者としてはプライベートで使う割合が多いならCore i5モデル、対してクリエイティブ作業の多い人やガッツリ業務マシンとして導入を考えるビジネスユーザーはCore i7モデルの導入を勧めたい。

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