レノボ・ジャパン、「ThinkPad Tablet 2」技術説明会:Bluetoothキーボードも小さな基板も見ました(2/2 ページ)
CloverTrailなAtomとWindows 8を導入するThinkPad Tablet 2は、スペックだけを見ても初代から大きく進化した。出荷はまだ先という第2世代を大和のメンバーが解説する。
AtomとWindows 8を導入するメリットはビジネスで計り知れない
レノボ・ジャパン ThinkClient Brand Managerの土居憲太郎氏は、法人向けタブレットとしてのThinkPad Tablet 2が有する優位性を紹介した。現在日本のビジネス現場で使われているタブレットデバイスのうち、Android導入モデルは実売価格2万円以下の低価格モデルを求めるように、機能よりコストを重視する傾向にあり、iOSを採用するタブレットデバイスは、運用管理がPCと異なるため、特定目的でしか使えない状況にある。ThinkPad Tablet 2は、セキュリティと運用管理、ハードウェア環境、そして、使い勝手の各要素で、Android、iOS導入タブレットデバイスに対して優位性を持つと土居氏は訴求している。
セキュリティと運用管理では、Windows 8 Proを導入することで、PCですでに利用しているソリューションが使えるほか、ハードウェア環境でも純正のBluetooth接続キーボードやドッキングステーションだけでなく、フルサイズのUSBを本体に搭載することで、PC用の豊富なUSB接続周辺機器を利用できる。さらに、使い勝手では細かいポインティング指定や手書きメモ、正確なドローイングなどが可能な専用のデジタイザペンを用意することで、手書きのメモやデッサンだけでなく、デジタル署名にドキュメントの修正まで対応できる。また、ボイスチャットやビデオ会議に対応すべく、本体にステレオスピーカーとノイズキャンセリングマイク、そして、正面200万画素、背面800画素のカメラを搭載することを紹介した。
ユーザーを支援する独自のユーティリティを多数そろえる「Lenovo Enhanced Experience 8」では、従来重視していた“起動時間の短縮と維持”は、Windows 8で用意する機能にその役割を移行し、ハードウェア設定やアプリケーションのアップデート告知など、ユーザー支援の役割を強化したものとなった。
土居氏は、インテルアーキテクチャを採用してWindows 8を利用できるようになったThinkPad Tablet 2と、従来からあるクラムシェルスタイルのThinkPad X230 Tabletの違いとして、ThinkPad Tablet 2は特定の業務に特化したシーンで利用する一方、ThinkPad X230 Tablet はPCとしての生産性を求めるユーザーが使うことになると説明する。そして、その中間を埋めるデバイスとしては、ThinkPad Tablet 2と専用のBluetoorh接続キーボードの組み合わせを勧めている。
通常のPCと同じように運用管理できるメリットも計り知れない
レノボ・ジャパン 製品開発統括担当/ノートブック製品の木下秀徳氏は、ThinkPad Tablet 2の優位性を、採用した技術の面から訴求した。
木下氏は、ThinkPad Tablet 2の技術的優位性を「堅牢性と軽量化の実現」「セキュリティー強化」「総合管理の統合運営」「省エネ設計」「ユーザビリティーを考慮した設計とオプション」という項目にまとめて説明する。軽量化と堅牢性能の両立では、マグネシウム合金製のインナーフレームと旭硝子の強化ガラス「Dragontrail」で堅牢性を実現する一方で、本体に搭載する各パーツや部品の見直しで、ThinkPad Tablet(初代)から32パーセントの薄型化と23パーセントの軽量化を実現している。
また、堅牢性については、工場出荷時に加圧や落下など、ThinkPad Classicシリーズと同じ耐衝撃テストを行っている。テスト条件の具体的な内容は非公開としているが、液晶ディスプレイの耐衝撃性能を調べる球体落下試験では、球体を落下する高さが、ほかのタブレットデバイスでは中心部15センチ、周辺部10センチまでしかクリアできなかったのに対して、ThinkPad Tablet 2は、中心部25センチ、周辺部20センチまで耐えたことを紹介した。
セキュリティ機能の強化では、UEFIに用意したセキュリティ設定を取り上げ、キーボードを持たないタブレットPCでもUEFIの設定ができるようにソフトウェアキーボード入力を持たせたことや、入出力インタフェースのアクセス制御設定対応、そして、盗難にあったPCの追跡を行うComputraceと、Secure Bootのサポート、さらに、ウイルス対策アプリケーションとしてNorton StudioとNorton Internet Securityが標準で付属する。
総合管理の統合運営では、複数のデバイスに共通したUEFI設定を展開できるユーティリティの「SRSetup」にSCCM(System Center Configration Manager)による導入アプリケーションの管理やドライバの一括適用、そして、ThinkVantage SystemUpdateやWindows Updateによる自動更新機能を訴求した。システムの設定では、アイコンで機能を把握しやすい「Lenovo Setting」を紹介している。これは、電源管理や利用する場所に合わせた設定の切り替え、内蔵カメラやマイクとスピーカー設定を行うユーティリティをそろえている。
専用デジタイザペンで5ミリサイズの手書き文字が書ける理由
省エネ設計では、初代のThinkPad Tabletから大幅に改善したバッテリー駆動時間を訴求した。液晶ディスプレイをオフにして無線LAN接続だけを有効にしたスタンバイ状態では、初代ThinkPad Tabletの260時間からThinkPad Tablet 2で600時間に延びたほか、同じように、液晶ディスプレイの輝度を200ニットにした状態で720p動画ファイルの連続再生時間が約7時間から約10時間に、JEITAのバッテリー動作時間測定方法では、9時間から16.4時間に延びている。
ユーザビリティーを考慮した設計とオプションでは、ボディ塗装にラバーフィーリングペイントを施して持ちやすさを向上したほか、GPSアンテナの精度改良、ユーザーが必要とする情報にアクセスする「Lenovo Companion」にWindows 8でスタートボタンに相当する機能を用意する「Lenovo QuickLaunch」といたユーティリティを紹介した。
オプションとして用意する専用のBluetoothキーボードでは、ファンクションキーにおけるホットキーのサポートとサイズアップやセンターボタンを新たに設けた光学式トラックポイントのスクロール機能と惰性機能のサポートを取り上げている。デジタイザペンは、ワコム製で直径が6.5ミリ、長さが110ミリと初代ThinkPad Tabletから小型になったほか電池を内蔵しないアクティブペンを採用することで軽量化も図っている。
加えて、液晶パネルとタッチパネルを直接貼り付けて空間を設けないことで、ペンをタップするときに発生する音とパネルからの反射を抑えている。また、通常の静電ペンをタッチパネルが指として検出するのと異なり、ThinkPad Tablet 2の専用デジタイザペンは、電磁界共振方式の採用によって、より高い精度で位置を検出できるので、手書きでも小さな文字を認識できる。木下氏は、その例として静電方式のペンでは20ミリ四方の文字サイズが必要だが、専用デジタイザペンなら5ミリ四方の文字サイズでも認識できるという。
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