レビュー

WindowsとAndroid、デスクトップとタブレットのデュアルマシン――「TransAiO P1801」を試す(前編)どっちも使えてオトク?(2/2 ページ)

ASUSの液晶一体型PC「TransAiO P1801」は、合体機構によりタブレットとデスクトップを融合させたユニークなマシンだ。AndroidとWindowsのデュアルOSなど、注目すべき点は多いが、まずこの合体変形が使いやすいのかが気になる。

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単体でも十分使えるスクリーン

スクリーンの18.4型ワイド液晶ディスプレイは1920×1080ドット表示に対応する

 18.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載するスクリーンの本体サイズは466(幅)×294(高さ)×18(厚さ)ミリで、重量は約2.4キロある。画面サイズのわりにかなり薄く仕上がっており、一般的な7~10型のAndroidタブレットをそのまま大きくしたような印象だ。ただし、18.4型で約2.4キロのタブレットなので、モバイル用ではなく、自宅内のいろいろな場所に持ち運んで使う利用スタイルになる。

 スクリーンを横置きしたときの右側面には、Mini USB×1、SDXC対応のmicroSDカードスロット、ヘッドフォン出力、マイク入力を備え、100万画素のインカメラやGPS/加速度センサーを内蔵する。通信機能はIEEE802.11b/g/nとBluetooth 3.0+EDRに対応するなど、インタフェース類もよくあるAndroidタブレットと同等クラスだ。スピーカーはASUS SonicMasterオーディオシステムに準拠した1.5ワット+1.5ワットのステレオスピーカーを装備しており、タブレットとしては上々の重低音が効いた音が楽しめる。

 液晶ディスプレイは1920×1080ドット(フルHD)表示に対応しており、広視野角のIPSパネルを採用する。蛍光灯下の一般オフィス内でも不満なく使える程度に表示は明るいが、表面は光沢仕上げとその画面サイズにより、自分の顔や照明が相応に映り込む。評価機の発色はクセがないように感じたが、ASUS独自のアプリ「ASUS Splendid」でディスプレイの色合い(色温度)を調節することもできる。

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 タッチパネルは静電容量方式で10点マルチタッチに対応する。CPUにクアッドコア(4+1コア)のTegra 3(1.7GHz/クアッドコア動作時最大1.6GHz)を採用することもあるのか、操作に対する追従性は上々だ。

 また、本体に自立スタンド(横置き専用)を内蔵しており、約30~60度の間で角度を無段階で調節できるところもよい。スタンドのつくりは頑丈で、タッチ操作をしても画面がぐらつくことはなかった。多少重いが、背面にある取っ手を使っていろいろな場所に持ち運び、内蔵スタンドですぐに立てて使うといった用途を意識した仕様だ。表示の横位置と縦位置は自動で切り替わるので、縦位置用のスタンドもあればなおよかった。本体内蔵のバッテリーによる動作時間は約5時間としている。

スクリーンの右側面にはMini USB×1、SDXC対応のmicroSDカードスロット、ヘッドフォン出力、マイク入力を備える。本体にスタンドを内蔵しており、無段階でチルト角度を調節できるのも便利だ

豊富なインタフェースをそろえたPCステーション

PCステーションにはCPUやメモリなどが入っているほか、映像出力端子も備えている

 一方、64ビット版Windows 8を搭載するPCステーションは、大画面Androidタブレットのスクリーンと比較するとコンパクトな印象を受ける。本体サイズは466(幅)×162(奥行き)×267(高さ)ミリで、重量は約4.1キロだ。豊富なインタフェースをそろえ、映像出力用のHDMI端子もあるので、別途PC用ディスプレイに接続してセパレート型デスクトップPCのように使うこともできる。

 左側面にはUSB 3.0を4基、ヘッドフォン出力、マイク入力、SDHC対応SDメモリーカード/MMCスロット、セキュリティロックポートを配置し、右側面にはスロットイン方式のDVDスーパーマルチドライブとUSB 2.0(付属のワイヤレスキーボード/マウスのレシーバー用)を、下面にASUS SonicMasterオーディオシステムに準拠した3ワット+3ワットのステレオスピーカーを、HDMI出力は本体背面の右下に実装している。通信機能は背面にギガビットLANポートがあるほか、IEEE802.11b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0も利用可能だ。

PCステーションの左側面にはUSB 3.0を4基、ヘッドフォン出力、マイク入力、SDHC対応SDメモリーカード/MMCスロット、セキュリティロックポートを配置し(写真=左)、右側面にはスロットイン方式のDVDスーパーマルチドライブとUSB 2.0を備える(写真=中央)。背面右下にはギガビットLAN、HDMI出力、AC入力がある(写真=右)

 付属のワイヤレスキーボードはアイソレーションタイプの6段配列で、キー数は114個。キーピッチは正方19ミリだ。テンキー付きのため相応の幅はあるが、厚さが最大で15ミリと薄く見栄えがよい。このキーボードはデュアルOSの本製品専用に開発されたもので、Windowsキー、Android操作用のホームキーなど、両方のOSを行き来しても違和感がないよう考慮したキーを用意しているのが独特だ。マウスはスクロールホイールがなく、タッチ操作でスクロール操作を行う3ボタンタイプとなっている。

ワイヤレスタイプのキーボードとマウスが付属する。キーボードは本製品専用に開発されたもので、WindowsキーやAndroidのホームキーなど双方のOSを考慮したキーがある

 キーボードとマウスを使って操作するぶんには、よくあるタッチ対応の液晶一体型Windows PCと似た感覚で利用できる。Windows 8のスタート画面などでタッチ操作を行う場合、PCステーションを奧側へ傾けると画面をタッチしやすい。

タッチ操作をするときはPCステーションごとスクリーンを奧に傾けるといい

 このように本製品はスクリーン単体で使う「PADモード」と、PCステーションを合体させて液晶一体型デスクトップPCで使う「PCモード」の2つのスタイルで楽しめるが、もう1つスクリーンからPCステーションをワイヤレスで操作する「リモートデスクトップモード」がある。

 通常、スクリーンをPCステーションから取り外すと、自動的にOSがAndroidとなるが、スクリーンとPCステーションが同一LAN上にある場合は、分離したスクリーンからワイヤレスでWindowsデスクトップ環境を操作できるというものだ。

本製品はスクリーン単体で使う「PADモード」(写真=左)とPCステーションと合体させて使う「PCモード」(写真=中央)をどのように使い分けるかがカギとなる。PCステーションの映像をHDMI経由で外部ディスプレイに出力し、スクリーンをAndroidタブレットとして使うことも可能だ(写真=右)

 レビュー後編では、スクリーンとPCステーション両者のパフォーマンスをテストし、リモートデスクトップモードの使用感について触れていく。

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