IntelがIFA 2014で示した“Core M”と“その先にあるMobile”:君たちに“m”がある世界を見せてあげよう(2/2 ページ)
IntelはIFA 2014の基調講演で“Broadwell-Y”(開発コード名)こと「Core M」を正式に発表。さらに、2015年以降に登場する新技術も紹介した。
2015年、時代はさらなるワイヤレスへ
基調講演の後半では、現在Intelが注力している新技術における取り組みの一部を紹介した。電源や周辺機器との接続、そして外部ディスプレイやネットワーク接続など、数あるケーブルの取り回しに苦労しているユーザーは多い。今ではワイヤレス接続も利用できるが、「遅くて使いにくい」と考えているユーザーは少なくない。
Intelは、以前から「WiDi」(Wireless Display)によるワイヤレスディスプレイ接続技術を積極的に訴求していたが、IFA 2014では「WiGig」と呼ぶギガビットクラスの転送レートに対応したワイヤレス接続を実現する「Wireless Gigabit Alliance」での取り組みを紹介した。Intelは、製品への標準搭載を推進しており、2016年までに3億以上のPCでサポートする計画という。
また、フィットネス機器や腕時計などのウェアラブルデバイス、そして、スマートフォンやタブレットといった機器とクラウドとの接続は今後も増えていくが、この相互接続やデータ交換のために「Open Interconnect Consortium」を組織し、接続方法の標準化を模索している。現在、充電を兼ねてデバイスをPCと接続してデータの同期やアップデートを行っているユーザーも多いが、これをワイヤレス接続で実現しやすい環境を用意するのが目的だ。
ケーブルをなくするための取り組みで最後の障壁となるのは「ワイヤレス充電」だ。ワイヤレス充電としては「Qi」が有名だが、Intelは「Alliance for Wireless Power」(A4WP)の一員として「Rezence」と呼ぶブランドのプロモーションに協力してワイヤレス充電のメリットをユーザーに広く訴えていく。
A4WPの技術はもともとWireless Power(WiPower)が開発していた磁界共鳴方式によるワイヤレス充電技術を発展させたもので、2010年のQualcommによる同社買収以降、A4WPの結成やパートナー企業の拡大と活動を活発に行っていたおかげでいまや一大勢力となりつつある。
電磁誘導方式を採用するQiとの違いは、電力供給側の装置がやや大掛かりとなるものの、複数デバイスを同時に充電できることやコイル面から離れて障害物があっても充電ができる点だ。机にコイルのシートを埋め込むことで、そこに置いたデバイスすべてを同時に充電できるようになる。
現時点における課題は、ノートPCなどより大きなデバイスでも充電できる技術の開発だが、Core MのようなTDPが低い省電力タイプのCPUを搭載する製品が増加することで、数年内に幅広いデバイスをカバーする技術として急速に普及する可能性もある。
このほかにも、RealSense 3Dによる対象物の3Dスキャンのデモなど、近い将来に実現できそうな技術も紹介している。より多くの新技術や今後のロードマップは9月9日から米国で開催するIntel Developer Forum(IDF)で公開される予定で、PC USERでも引き続きリポートする予定だ。
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