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「Surface 3」日本版LTEモデルの誤解を解く――「ワイモバイルに最適化」の真意は?他キャリアで使っても技術的/法律的に問題なしだが……

6月1日、日本マイクロソフトは報道陣向けに「Surface 3」の体験会を開催した。以前行われた製品発表会では、LTE関連において疑問が残る場面もあり、今回はそれらについての説明も含まれる。

 既報の通り、6月19日に国内で発売される日本マイクロソフトの「Surface 3」は、個人向けにLTEモデルのみを用意している。Wi-Fiのみを搭載したモデルを望む声も大きいが、ユーザーとして気になるのがSIMロックフリーや契約の料金プランなどについてだ。


Surface 3が搭載するNano SIMスロット

SIMロックフリーと対応周波数について

 「Surface 3はワイモバイル(ソフトバンク)に最適化」――製品発表会で強調されたこの言葉がひとり歩きしてしまい、SIMロックフリー仕様と言いながらもワイモバイル以外で使えないのではないか、といった憶測が流れた。しかし、それは間違いである。

 Surface 3は海外と国内において、ハードウェアが共通となる。いずれもSIMロックフリーなので、LTE/3Gの周波数さえ適合すれば、国内外問わずSIMを入れ替えて使用できる。Surface 3が対応している周波数は以下の通りだ。

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Surface 3の対応周波数帯域

 ワイモバイルが提供するLTEの周波数はBand 1(2.1GHz)、3(1.8GHz)、8(900MHz)なので、Surface 3でフルに利用できるのに対し、NTTドコモはBand 1(2.1GHz)、3(1.8GHz)の2つ。KDDIにおいてはBand 1(2.1GHz)しかLTEを利用できない。

 特に、電波が屋内まで届きやすいと言われる700~900MHz帯のプラチナバンドを利用できるのがワイモバイルのみという点に注目だ。したがって、NTTドコモやKDDIのSIMカードを使うことはできるが、パフォーマンスは十分発揮できない。さらに、Surface 3のLTEはワイモバイルのネットワークのみ相互接続性試験(IOT)を実施し、それ以外の通信網との接続は未確認という。これが「ワイモバイルに最適化している」の意味となる。

 つまり、Surface 3の国内版LTEモデルは、技術的にも法律的にもNTTドコモやKDDIの回線を利用できるが、対応周波数および接続性、サポート面においてはワイモバイルが優位ということだ。ちなみに技適マークはソフトウェア表示ではなく、キックスタンドの裏にレーザー刻印されるという。

料金プランや通信制限などは?

 ワイモバイルでSurface 3と同時に通信契約を行うと、月額3696円で月7Gバイトまで利用できるプランとなる。最低契約年数は2年だが、3年間は同額で利用可能だ。また、3日間/1Gバイト制限のような制限はない。ただし、2011年に吸収合併した旧イー・モバイルのSIMは利用できないという。

 すでにワイモバイルでスマホプランS/M/Lを契約している場合は、SIMを差し替えてそのまま利用することもできる。


Surface 3専用料金プラン

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