Windows 10初の大型アップデートでつまづいたMicrosoft:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
期待されたWindows 10初の大型アップデート「Windows 10 November Update」だが、公開後の対応を巡って混乱が生じることとなった。
不具合発生に沈黙したMicrosoftへの疑念
なぜこのような状況になったのか。推測の部分も大きいが、米Petriでブラッド・サムス氏が興味深いコラムを書いている。
Microsoftではここ最近、矢継ぎ早に戦略を打ち出して改革を断行しているが、一方で従来の開発スタイルが破壊され、それがソフトウェア品質の低下につながっている可能性があると同氏は指摘する。
具体的には製品テストの仕組みで、従来まではコードを記述する開発チームとテストチームが分離しており、互いにコミュニケーションを取ることで製品開発が進められていたが、一連の改革でチームの人員整理が進み、ソフトウェア開発者自身がテストまでを含む最終製品の責任を持つ必要がでてきたという。開発スピードの迅速化が進む一方で、この変化が品質の低下につながっているのでは、というのが同氏の推測だ。
これ自体は推測にすぎず、特にコメントすることはない。筆者がMicrosoftに望むことは、もう少しユーザーとのコミュニケーションを増やしてほしいということだ。
もしこのような問題が発生し、その解決のためにアップデートの提供をやめたのであれば、ごく一部に限定される問題であっても、沈黙せずにその旨をきちんと告知してほしい。ソフトウェアに不具合が出るのは避けられないものだと考えており、その情報を共有したうえでユーザーに対策や考える時間を与えることが重要だろう。
Windowsユーザーの数は膨大であり、こうした問題の際に臆測で混乱を拡大させないためにも、早く正確な情報提供が必要ではないだろうか。
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