「Surface Pro 4」の携帯性をSurface Pro 3/Surface 3と徹底比較する:Surface Pro 4完全検証(2)(3/3 ページ)
毎日持ち運ぶモバイルPCならば、携帯性や使い勝手にこだわりたい。「Surface Pro 4」は先代モデル「Surface Pro 3」からどれだけ進化しているのだろうか?
バッテリー駆動時間は実測で7時間弱
公称のバッテリー駆動時間は約9時間(動画再生時)となっている。評価機で確認したバッテリー容量は、デザイン容量が38.152ワットアワーで、フルチャージ容量が39.472ワットアワーだった。
Surface Pro 3の公称バッテリー駆動時間も約9時間だが、こちらの条件はWeb閲覧時となっている。評価機で確認したバッテリー容量は、デザイン容量が42.157ワットアワー、フルチャージ容量は38.676ワットアワーだった。Surface Pro 3の評価機は新品ではないため、若干だが劣化が見られる状態だ。
Surface 3の公称バッテリー駆動時間は約10時間(動画再生時)。評価機で確認したバッテリー容量は、デザイン容量が28.443ワットアワーで、フルチャージ容量が25.969ワットアワーだった。
実際のバッテリー駆動時間はBBench 1.0を使って測定した。無線LANで常時接続し、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力を行う設定だ。このテストはWindows 10の標準ブラウザであるEdgeに対応していないため、WebブラウザはInternet Explorer 11で実施した。Windowsの電源プランは「バランス」、バッテリー駆動時のディスプレイの輝度は50%に固定、自動輝度調整機能はオフにしている。
この条件でのテスト結果は、満充電からバッテリー残量が5%になるまで約6時間50分動作した。同じ条件で測定したSurface Pro 3は7時間30分、同じくSurface 3は約8時間5分だ。Surface Pro 4のバッテリー駆動時間は最近のモバイルノートPCとしてはあまり長いわけではないが、実用的な水準は確保している。Surface Pro 3より駆動時間が短い理由については、液晶ディスプレイの解像度が高いことが考えられる。
ちなみに、液晶ディスプレイについては次回以降で詳しく見ていくが、i1 Display Proで計測した最大輝度はSurface Pro 4が386カンデラ/平方メートル、Surface Pro 3が373カンデラ/平方メートルと、Surface Pro 4のほうが若干明るかった。
Surface Pro 4/Surface Pro 3/Surface 3のバッテリー比較 | |||
---|---|---|---|
製品名 | Surface Pro 4 | Surface Pro 3 | Surface 3 |
公称バッテリー駆動時間 | 約9時間(動画再生) | 約9時間(Web閲覧) | 約10時間(動画再生) |
バッテリー容量(デザイン) | 38.152ワットアワー | 42.157ワットアワー | 28.443ワットアワー |
バッテリー容量(フルチャージ) | 39.472ワットアワー | 38.676ワットアワー | 25.969ワットアワー |
バッテリー駆動時間テスト(BBench 1.01)の結果 | 6時間50分 | 7時間30分 | 8時間5分 |
先進的だがノートPCのつもりで導入すると戸惑う面も
ボディ、インタフェース、ACアダプターについては、ほとんど先代のSurface Pro 3から引き継いでいる。とはいえ、スペックアップしながら薄型化と軽量化を少しでも進めている点は評価したい。新機能としては、カメラがWindows Helloに対応したことで、Windows 10の便利な顔認証をいち早く利用できるようになったのは強みだ。ただし、USB Type-Cポートの採用が見送られている点は、最新モデルとして少し物足りなさを感じる。
多くのノートPCと使い勝手が異なる部分としては、USBポート自体が1基しかないこと、フルサイズのSDメモリーカードスロットがないことが挙げられる。完全にノートPCを代替できるつもりで導入すると、戸惑うこともあるだろう。USBハブやBluetooth、ドッキングステーションなどで対応可能だが、そういう運用スタイルが合うかどうかは個人差が大きい。
バッテリー駆動時間のテスト結果は、今回の条件ではSurface Pro 3に比べて少し短かった。液晶ディスプレイの画面サイズと画素密度を上げながら、輝度を落としていないことを考えると、仕方がないところだ。Type Coverも含めたボディの薄さ、軽さ、キックスタンドの便利さ、ハードウェアスペックやディスプレイ環境も考慮すると、全体的な携帯性のバランスはやはり高いレベルにある。
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