公開直後にトラブル発生のAnniversary Updateが「Windows 10安定版」となる日:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
8月2日の公開直後にフリーズ問題が発生したWindows 10の1周年記念アップデート「Anniversary Update」。企業向けの固定環境を想定した「安定版」配信のタイムリミットは迫っている。
Anniversary UpdateはWindows 10の安定版となる(ハズ)
さて、問題はCBともCBBとも違う「LTSB(Long Term Service Branch)」におけるサポートサイクルだ。検証や展開期間を必要とする企業ユーザーが対象のCBBに対し、LTSBは「安定稼働を求められる企業クライアントまたは特定用途」が対象となる。
そのため、CBで最短4カ月、CBBで最短8カ月となっている最低サービス期間が、LTSBは10年と非常に長い。また、LTSBはその間、機能の追加や変更が行われないこともCBやCBBとは異なる。
10年間も大型アップデートを適用しない運用が可能なLTSBだけに、WaaSにおける配信サイクルは特殊だ。現在LTSB向けに配信されているのはWindows 10の初期バージョン(1507)だが、CBBに先駆けて、2016年10月1日にAnniversary Updateが配信される。
つまり、少なくともこの時点で配信されるアップデート(Anniversary Update)はLTSBとしての安定稼働を求められるわけで、ある意味で累積的アップデートを含むAnniversary Update提供のデッドラインとなる。Microsoftによれば、「次のLTSBは少なくとも2~3年以上先」とのことで、当面はWindows 10における安定バージョンがAnniversary Updateになるだろう。
なお、Windows 10自体のサポート期間は現時点で2025年10月1日(延長サポート)とされている。
関連キーワード
Windows | Windows 10 | Microsoft | Anniversary Update | 鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
関連記事
Windows 10狂騒曲の終わり 物議を醸したGWXアプリをついに削除
Windows 7/8.1ユーザーを悩ませ続けた「Windows 10を入手する(GWX)」アプリが、9月後半の更新プログラムでひっそりと削除された。「Windows 10 Anniversary Update」のスタートダッシュが遅れている理由
Windows 10の1周年記念アップデートが配信されて1カ月が過ぎようとしているが、導入しているユーザーはそれほど多くないようだ。Windows 10無料アップグレードで結局シェアはどこまで伸びたのか?
なりふり構わないOS移行策で世間を騒がせたWindows 10。無料アップグレード期間が終わり、OSシェアはどれくらい伸びたのだろうか。Windows 10は2017年に2回の大型アップデートで進化する
2016年8月2日に大型アップデートが配信されたばかりのWindows 10だが、早くも次回と次々回の更新計画について情報が出始めている。Windows 10公開1周年アップデートの次が動き出した
8月2日に一般公開されるWindows 10の大規模アップデート「Anniversary Update」を控え、Microsoftからは「次のマイルストーン」の情報が出てきた。Windows 10無料アップグレードは本日(7月29日)終了 明日からどうなる?
Windows 10の一般公開から1年。Windows 7/8.1からWindows 10への無料アップグレード期間がいよいよ終了する。終了後は何が変わるのだろうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.