Surface Laptopは序章だった? 5月23日に「新Surface Pro」発表か:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
年次開発者会議の「Build 2017」を直前に控えたMicrosoftだが、ハードウェア新製品の目玉は5月23日に上海で行うイベントまで取っておくつもりかもしれない。
米Microsoftは教育分野向けのイベントを5月2日(現地時間、以下同)にニューヨークで行い、「Windows 10 S」や「Surface Laptop」を発表したばかりだが、間髪をいれずに次の動きを見せている。
5月10日には毎年恒例となった開発者会議の「Build 2017」をシアトルで開催することに加えて、5月23日にも中国の上海で新たなイベントを実施することが明らかになった。5月5日に公開された上海でのイベント告知ページには「#MicrosoftEvent」のハッシュタグが貼られているだけで、詳細は書かれていない。ここでは一体何が発表されるのだろうか。
上海イベントでついに新Surface Proが出てくる?
このイベントの内容について、Windows Centralは次の3点が確認できていると伝えている。
- ハードウェア新製品
- デバイス担当コーポレートバイスプレジデントのパノス・パナイ氏が登壇
- グローバル向けと地域向け(恐らく中国)の両方の話題がある
イベントの開催時間は中国標準時で5月23日の午後7時(日本時間で同日午後8時)という。発表されるハードウェアの1つは、2017年春の投入とうわさされてきた「Surface Pro 5」である可能性が高い。ここ最近になって、各所にSurface Pro 5のキーワードを冠する製品情報が出ていることが報告されており、少なくともタブレット版Surfaceのアップデートがやってくることは間違いなさそうだ。
MSPoweruserによれば、Bloombergとのインタビューで米Microsoftのコーポレートバイスプレジデントのユスフ・メディ氏が既存のSurface製品についてアップデートが近々行われることを予告したそうで、この説を補強している。
さらに、Appleの故スティーブ・ジョブズ氏を思わせるスタイルでMicrosoftのハードウェア製品を魅力的に紹介することで知られるパノス・パナイ氏がイベントに現れるという情報にも注目だ。これは同氏がTwitterで告知しており、少なくともイベントの中心はハードウェア新製品、特にSurface関連であることが分かる。
問題はWindows Centralが挙げた3点のうちの最後だ。Surfaceはグローバル向けの話題として、「地域向け(Regional)」というのが何を意味するのかは分かっていない。
上海でのイベントの前々週にはシアトルでBuild 2017が、翌週には台湾の台北市でCOMPUTEX TAIPEI 2017が開催される。デベロッパー向けにはBuildで、OEMを介した一般向けの話題はCOMPUTEX TAIPEIで主に発表されるとみられるため、中国の国内向けに限った何らかのアナウンスが行われるのではないだろうか。
内蔵型SIMに関する発表もあるか
Microsoftのハードウェア製品としては、筆者も幾つかのウワサを直接聞くものの、現時点でまだ出ていないものがある。
特に気になるのが「Microsoft SIM」に関するものだ。同社が内蔵型SIMの「eSIM」を使って何かしているという話は度々聞こえてきている。5月2日の教育分野向けイベントでは発表されなかったが、場合によってはこのタイミングで何らかの情報が開示されるかもしれない。
以前には独特の多関節ヒンジを廃して大幅に値下げした「Surface Book 2」が登場するというウワサもあったが、これは結局のところSurface Laptopだったと考えられる。
そのため、最近になり「パフォーマンスベース搭載モデル」が追加発表された「Surface Book」のアップデートが行われる可能性は低い。やはり、純粋なタブレット版Surfaceの新製品と考えるのが妥当だ。
Surface Bookのパフォーマンスベース搭載モデルは日本で4月20日に発売されたばかり。内蔵GPUをNVIDIA GeForce GTX 965M(グラフィックスメモリ2GB)に強化しているのが特徴だ
Harman KardonのCortana内蔵スピーカーが正式発表
なお、Microsoftも参入するといわれていた「AI対応スピーカー」については直近で動きがあった。Amazon.comが出した「Amazon Echo」をきっかけにブームとなり、Googleの他、最近ではAppleが6月の開発者会議「WWDC 2017」で新製品を発表するとうわさされる注目のジャンルだ。
Microsoftが組み込み向けWindows OSの「Windows 10 IoT」を使ってCortana対応のフロントエンドデバイスをOEMと開発しているとの情報は2016年後半からあった。このCortanaを拡張してスピーカー経由で利用可能な機能を増やす「Cortana Skills Kit」は、プライベートプレビュー段階で一部に配られているが、Build 2017で一般公開される予定だ。
この仕組みに対応した最初の製品であるMicrosoftとHarman Kardonのコラボレーションモデル「Invoke」は、Build 2017に先駆けて5月8日に正式発表された。
Invokeとは、2016年12月にティーザー動画が公開されていたCortana搭載スピーカーの製品版だ。Cortanaを通じた音声操作によって、音楽再生をはじめ、リマインダーの設定や予定の確認、ニュースの音声再生、Skypeの音声通話、対応するスマートホームデバイスの操作などが行える。2017年秋に米国で発売される予定だ(日本での発売予定は不明)。
このデモンストレーションは、Build 2017で行われるかもしれない。
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