Windows 10次期大型アップデート「Redstone 3」のユーザーテストが早くも始まる:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
Microsoftは「Windows 10 Creators Update」の公開直前に次期大型アップデートとなる「Redstone 3」のユーザーテストを開始。ビジネス向けのWindows Insider Programも新設した。
4月11日にWindows 10で3回目となる大型アップデート「Creators Update」の一般向け配信が始まったが、それに先駆けて次期大型アップデート「Redstone 3(RS3)」のユーザーテストも始まっている。
次期大型アップデート「Redstone 3」に向けたユーザーテストを開始
米Microsoftは4月7日、PC版Windows 10 Insider Previewの「Build 16170」をWindows Insider ProgramのFast Ring参加者に公開した。これはWindows 10 Insider Previewで初のRS3相当となるビルドだ。今後半年ほどはWindows Insider Programを利用しつつ、RS3の開発フェーズが続いていくことになる。RS3は2017年秋ごろに一般公開される見通しだ。
開発中の最新Windowsビルドが一覧できる非公式サイトのBuildFeedによれば、2月19日付けでBuild 15141のRS3相当ビルドの開発が始まって以降、3月末に一気にビルド番号が1000ほどジャンプし、数回の社内ビルドの提供を経て、今回のBuild 16170に至っている。
筆者もBuild 16170を導入しようとしたのだが、手元のPC環境と相性が悪いようで、何度インストールしても最後の再起動で失敗してOSがロールバックする状態が続いたため、次回以降の配信まで待つことにした。
Windows Insider Programの窓口を担当する開発チームのドナ・サーカー氏によれば、Build 16170には特に新機能のようなものはなく、内部的に「(Windowsプラットフォーム全体で共通のコアを構築するという)OneCore」戦略のための調整を行うのが主な変更点だと伝えている。
恐らくは、開発者向けイベントの「Build 2017」が開催される直前の4月末に配信されるビルドに幾つか新機能の片りんが盛り込まれる程度で、それまでは微調整やバグ修正がメインの内容となりそうだ。
ビジネスユーザー向けのWindows Insider Programも
米Microsoftが同時発表した「Windows Insider Program for Business」にも注目したい。これは名前の通り、ITプロフェッショナルとビジネスユーザーへのサポート強化を目的に新設された法人向けのWindows Insider Programだ。
Windows Insider Programは「開発者やプロ向けのテストプログラム」といった印象が強いかもしれないが、Microsoftにとってはもっと幅広く、「Windowsの開発に参加してもらう場」や「ファンとの交流の場」という意図があるという。
実際、Windows Insider Programの参加には「(個人の)Microsoftアカウントが必要」なこともあり、特に企業内で従業員のPC向けにOSアップデートの配信管理を行うITプロフェッショナルなどのビジネスユーザーには、使いにくいという意見が少なからずあったようだ。
そこでWindows Insider Program for Businessでは、「Azure Active Directory(AAD)」内にある企業アカウント情報を基に、Windows Insider Programへのサインインが可能になっている。つまり、Microsoftアカウントのサインインなしに、同プログラムで提供される最新ビルドへのアクセスなど、Windows Insider Programの各種機能が利用できるようになるわけだ。
Windows Insider Program for Businessの開始によって、企業内でITプロフェッショナルの参加が増えるとともに、従業員のフィードバックがより多く得られるようになり、Windows 10におけるビジネス上の課題の対応力が高まることが期待される。
間口がさらに広がったWindows Insider Program
このように、参加者の間口がさらに広がったWindows Insider Program。RS3で追加が見込まれる「Project NEON」関連の新UIや、2016年にプレビューが行われながら結局Creators Updateには搭載されなかった「MyPeople」機能なども今後のビルドでの搭載が気になるところだ。
Windows 10 Insider Previewには不具合がつきものなので、自己責任での利用となるが、Windowsの最新動向が気になる方やWindowsの開発に参加したい方は、登録してみてはいかがだろうか。
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