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「Windows 10 Fall Creators Update」の完成を見届けるか、その先の世界へ向かうか鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

Windows 10の秋季アップデートが迫る中、Microsoftから幾つか新しいトピックが入ってきたので、まとめて紹介しよう。

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Windows 10 SにWindows Insider Previewがやってくる

 現在、Windows Insider Programで提供されているWindows Insider Previewは「PC」「Mobile」「Server」の3つのカテゴリーだが、今回のBuild 16273では2017年5月に発表された新エディション「Windows 10 S」が新たに加わった。

 Windows 10 Sを簡単に言うならば、「Windowsストアアプリしか利用できない機能限定版のWindows 10 Pro」となる。


「Windows 10 S」はWindowsストアからダウンロードできるUWP(Universal Windows Platform)アプリのみが実行可能な(主に)教育分野向けのOS

 Insider Preview for Windows 10 Sの利用方法は、Windows 10 Sの正式版を導入した状態で、Windows Insider Programに参加するだけだ。MicrosoftはWindows 10 S用のインストーラーも提供しており、既存のWindowsからデータを引き継がずにインストールすることもできる。

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 なお、このセットアップ用ツールを実行できるのは、Windows 10 ProまたはWindows 10 Enterpriseのみとなる。

ReFSがWindows 10 Pro for Workstations専用に

 2017年秋にリリースされる予定のWindows 10新エディション「Windows 10 Pro for Workstations」についても新情報が入ってきた。中核機能の1つである「ReFS(Resilient file system)」について、Microsoftがこっそりとサポートポリシーを変更したのだ。

 以前に「Paint」アプリをプリインストールから削除した件で話題となった「Features that are removed or deprecated in Windows 10 Fall Creators Update(Windows 10 Fall Creators Updateで削除または非推奨となる機能)」というドキュメントにおいて、新たに「ReFS」の項目が追加され、「削除」の部分にチェックボックスが入っている。

 現在、ReFSはWindows 10の全てのエディションで利用可能だが、Fall Creators Update以降のアップデートを適用すると「読み書き」のみが可能で「作成」はできなくなる。ReFSの作成機能が提供されるのは、Windows 10 EnterpriseとWindows 10 Pro for Workstationsのみだ。それ以外のエディションについては、作成済みのReFSボリュームには継続してアクセス可能だが、新規作成や再構成が行えなくなるので注意したい。


Fall Creators Updateで削除される機能に8月17日付けでReFSが加えられている

 これは、Windows 10 Pro for WorkstationsをFall Creators Updateで提供するのに合わせて、既存エディションとの差別化のために実施した変更とみられる。

 Windows 10 Enterpriseはボリュームライセンスのみの提供で、一般ユーザーが直接手を出せる製品ではない。Windows 10 Pro for Workstationsは現時点でライセンス価格が公表されていないものの、Windows 10 Proより高額になるのは確実で、両者の線引きのためにReFSの位置付けを明確にしたのだろう。

 ちなみに、ReFSそのものは一般ユーザー向けの機能ではなく、ほとんどの場合は使えなくても差し障りないと考えられる。

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