レビュー

「ポメラ DM250」は最上位モデルにふさわしいのか? 約6年ぶりの新モデルを試す(1/7 ページ)

キングジムのデジタルメモ「ポメラ」に約6年ぶりの新モデルが登場した。約6年前の先代モデルから何が変わって、何が変わらなかったのだろうか。徹底的に検証してみよう。

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 文房具メーカーであるキングジムが、デジタルメモ「ポメラ(pomera)」の初号機(DM10)を発売したのは、今から14年前の2008年のことである。大きく分けると、ポメラにはキーボードを折りたためる「折りたたみタイプ」と、横長ボディーを持つ「ストレートタイプ」があるが、このほど、ストレートタイプに約6年ぶりの新モデル「ポメラ DM250」が登場した。

 約6年前にリリースされた先代「DM200」と比べて、DM250はどこが変わって、どこが変わらなかったのだろうか。じっくり検証してみよう。

おことわり


神様のお話(表紙)

 この記事内で利用している文章の一部は、筆者が参加するライトノベル作家サークル「七味唐辛紙」の新刊「神様のお話」から引用しています。この新刊は、8月13日の「コミックマーケット100」のブース番号「東地区 O 39a」で配布されますので気になる方は足を運んでみてください。


ストレートタイプとしては約6年ぶりの新モデルとなる「ポメラ DM250」

折り畳みタイプとストレートタイプ

 先述の通り、ポメラには大きく分けて2つの系統がある。1つは、初号機であるDM10からの系譜である折りたたみタイプだ。折りたたみタイプは「DM」の後に1~2桁の数字という型番を持っている。初号機のイメージもあって、「ポメラといったらこれだよね!」という人も多いだろう。

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 ただし、その折りたたみ機構はモデルによって異なり、DM10が採用していた「スライドタイプ」、廉価モデルで使われたパンタグラフタイプ」、そして「ポメラ DM30」の「観音開きタイプ」と幾つかのバリエーションがある。


折りたたみタイプの最新モデル「ポメラ DM30」は2018年に発売された。観音開きキーボードはもちろんだが、シリーズとして初めて電子ペーパー(E Ink)を採用したことも注目ポイントとだった(生産終了済み)

 元々、ポメラは「デジタルメモ」として開発されたという。しかし実際には、小説家やライターなど、日頃から普通の人の何倍もの長文をタイプする人たちからの熱狂的な支持を受けた。そのようなヘビーユーザーによる“酷使”にも耐えられるように開発されたのが、「ポメラ DM100」から始まるストレートタイプだ。

 ストレートタイプは「DM」の後に3桁の数字という型番を持っている。折りたためなくする代わりに、膝の上でも安定して入力ができる、剛性の高いキーボードを備えた“質実剛健モデル”といってもよいだろう。

 しかし、ストレートタイプの最新モデルであるDM200は、2020年3月をもって生産を終了し、「新品で買うなら、販売店の在庫に賭けるしかない」という状況が続いていた。

 新しいストレートタイプは出ないのか――そんな期待に応えたのかどうかは分からないが、DM200の発売から約6年、生産終了から2年4カ月の時を経て登場したのが、今回の新モデルであるDM250である。

 一般的に、型番は数値が大きいほど上位機種である。つまりDM250はDM200の上位機種ということになる。本当に“上位”なのか、ここからは実際に使って検証していく。


DM250のパッケージは、グレー基調でシンプルなデザインとなっている

付属品一式。キートップステッカーは「米国英語(US)」または「親指シフト」配列で使う人のために用意されている

DM200とは異なり、本体色は「ダークグレー」となった(250台限定の「ホワイト」は完売済み)。また、電源スイッチが左側に移動していることも目立つ変更点だ。ボディーサイズは約263(幅)×120(高さ)×18(厚さ)mmとDM200から据え置かれているが、重量は約620gと40gほど増えている

画面を閉じると、ヒンジにある「Pomera」のロゴが背面側からも見えるようになっている

左側面には充電端子を兼ねるUSB 2.0 Type-C端子と、SDメモリーカードスロットがある。SDメモリーカードスロットは奥行きを増しており、装着時にカードがはみ出ることがなくなった

画面を開くと、天板の下部が接地することでキーボードに傾斜が付く
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