コロナ禍の影響と子供連れが減ったアキバ自作街の1年:アキバの2022年まとめ【後編】(3/4 ページ)
2022年の自作街を振り返ると、ここ3年で最もコロナ禍の影響が薄まったといえる。自作PCのプラットホームは1年を通してIntelが主流を担ったが、AMDも随所で存在感を放って市場を盛り上げた。
ストレージ――PCIe 4.0最速をうたうM.2 SSDや22TB HDDが話題
ストレージも慢性的な半導体不足などによる入荷不安と無関係ではなく、2月には一部ショップで購入制限の立て看などが見られたが、一年を通して注目度の高いシリーズがコンスタントに登場している。
冬から春にかけてはWestern Digitalの「WD_BLACK SN770 NVMe SSD」シリーズ(1TBモデルは1万5000円前後)が、前身の「SN750 SE」シリーズから人気を引き継いで安定したヒットを飛ばし、8月からは同社の高速シリーズの「WD_BLACK SN850X」(1TBモデルは2万3000円前後)がやはり好評を博している。
高速モデルはサムスンからも12月に「990 PRO」シリーズ(1TBモデルは2万4000円前後)が登場し、「従来モデルから、さらに速度を上げつつも価格はそこまで上げておらず、私も欲しいくらいです」(パソコン工房 秋葉原BUYMORE店)と方々で高く評価されていた。
990 PROが「PCIe 4.0 の最大パフォーマンスに到達したスピード」(代理店のITGマーケティング)をうたう一方で、次世代のPCIe 5.0に対応するSSDはまだ店頭に並んでない。PCIe 5.0 SSDでの使用を想定したM.2 SSDクーラーはASRockから「Blazing M.2 Gen5 Fan-Heatsink」(4300円前後)が売り出されており、間もなくの登場が期待されている。
HDDは、8月にWestern Digitalから3.5インチHDDで最大容量となる22TBモデルが投入されて一部で話題を集めている。「WD Gold」と「WD Purple Pro」「WD Red Pro」に属する3モデルで、価格はいずれも10万円弱だ。
ただし、ストレージの主力の座は1年を通してM.2 NVMe SSD(PCIe)で揺るがなかった。TSUKUMO eX.は「M.2 SSDの1TBが主流で、その2TBが準じて売れている印象です。大容量化とドライブレスの動きが進んでいますね」と話していた。
最後に、秋葉原パーツ街全体の“空気感”をまとめたい。
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