6万円以下から買える「Steam Deck」にWindows 11を入れてみた(2/2 ページ)
Valveが手がけるポータブルゲーミングPC「Steam Deck」が、日本でも話題を集めている。ゲーム配信プラットフォーム「Steam」に特化したモデルではあるが、比較的安価でWindowsを導入できるなど懐が深いのも魅力だ。今回はWindows 11 Homeを導入してみた。
Windowsのベンチマークテストを走らせてみる
せっかくWindows 11がインストールできたので、ベンチマークテストを実行した。とはいえ、Steam Deckの内蔵ストレージからではなく、microSDカードでのテストゆえ、結果は参考程度に見てほしい。
Steam DeckはAMD製のZen 2アーキテクチャで作られているCPU(4コア8スレッド、動作クロック2.4~3.5GHz)と、8CUのRDNA2 GPUで構成されたAMD APUを採用している。4~15Wで動作するため低消費電力であり、長い時間ゲームをプレイすることが期待できる。Steam Deck本体で動作しているOSは、Arch Linuxをベースとして作られたSteamOS 3.0だ。
まずは3DMarkについて実行してみた。DirectX 12ベースのテスト「Time Spy」で1690、DirectX 11ベースのテスト「Fire Strike Extreme」で2218、「Fire Strike」で4404、「Night Raid」で1万5698というスコアだ。
この値を以前テストした、Zen 3アーキテクチャのRyzen 5 5560U(6コア12スレッド)を搭載する「AYANEO AIR」の結果と比べると、TDP 15W時のAYANEO AIRの記録を上回っている。
Windows 11はmicroSDカードから起動しているなどシステムが異なるため、一概に差を述べることはできないが、それを差し引いても、それなりの実力を示したことになる。
バッテリーの動作時間をテストするPCMark 10 Battery Profileの中からGamingを実行してみたところ、1時間20分という結果だった。こちらもWindows 11での結果のため参考程度にしてほしいが、一般的なポータブルゲーミングPCと大差のない結果となった。
ドッキングステーションやUSB Type-Cハブを使えば用途が広がる
Steam Deckは上記で紹介したようにWindowsで利用する場合の他に、SteamOSで動作するデスクトップモードが用意されており、キーボードやマウスを接続してPCのようにも使える。しかしこの場合、ネックとなるのが入出力ポートだ。
Steam Deckに用意されているインタフェースはUSB Type-Cポート1基のみとなっている。このため専用で用意されているドッキングステーションをできれば用意したい。ドッキングステーションにはUSB3.1 Gen1 Type-Aポート×3、HDMI2.0出力ポート×1、DisplayPort 1.4出力ポート×1だけでなく、有線LAN用のRJ-45コネクターも用意されている。しかし価格が1万4800円もするので、二の足を踏む人も多いだろう。
純正のドッキングステーション。HDMI 2.0とDisplayPort 1.4の各ポートに加え、有線LANポートや3基のUSB 3.1 Gen1 Type-Aポート、充電用のUSB Type-Cポートが用意される。1万4800円と高いのが難点だ
そういう場合は、USB Power Delivery対応のUSB Type-Cポートハブを利用するとよい。今回筆者が用意したのはラソスの「L-CH8」という製品だ。USB Type-Cポートを2基(うち1基がUSB Power Delivery対応)、USB3.0 Type-Aポート×3に加えて、SDメモリーカードスロット、microSDメモリーカードスロットが用意されているので、筆者が常に使っているノートPCでも活用できる。
4K表示に対応したHDMIポートもあり、キーボードとマウスをつなげればまさにPCとして使うことができるわけだ。似たような製品は他にもあるので、自分に合った機能を持つUSBハブやドッキングステーションを使えばよいだろう。
コスパのよいポータブルゲーミングPCとし遊びがいのある1台
Steam DeckはさまざまなWebサイトで話題になっている通り、Steamのゲームタイトルを手軽に遊べるモデルとして、とてもよくできている。動作もキビキビとしており、Windowsを搭載したポータブルゲーミングPCに比べて低い画面解像度も、特段気にならない。Steam Deckでプレイできないタイトルはあるものの、設定などをカスタマイズすることで遊べるものも多い。
将来的にWindowsとのデュアルブート環境もサポート予定であり、まだまだ荒削りではあるが、遊びがいのあるモデルという意味でもユニークな製品だと思う。
直近では、ONE-NETBOOK Technologyから7型のポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER mini Gold」が8万9800円で発売された。CPUはPentium Gold 8505(Pコア1基2スレッド/Eコア4基4スレッド/最大4.4GHz)だが、メモリは16GBでストレージは512GBとなっており、このレンジのポータブルゲーミングPCも面白くなってきそうだ。
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