富士通の主力ノートPC「FMV-BIBLO NF」シリーズの上位モデルがフルモデルチェンジを果たした。まずは新モデルの強化ポイントをチェックしよう。
多彩なモデルを取りそろえる富士通の個人向けノートPC「FMV-BIBLO」シリーズにおいて、主力モデルとなるのが「FMV-BIBLO NF」だ。優れた基本性能を筆頭に、他社製ノートPCではフラッグシップ機のみに採用されるテンキーを標準で備えるなど、使いやすさやカラーバリエーション展開による親しみやすさを併せ持つことで人気のシリーズとなっている。
それだけにラインアップは豊富で、店頭向けの夏モデルは春モデルの全11モデルを上回る全12モデルが用意されている。プリインストールOSはWindows Vista Home Premium(SP1)で、オフィススイートのOffice Personal 2007(SP1)を採用する(一部にPowerPoint 2007モデルも用意)など共通の仕様になっているが、この夏モデルでは上位の「NF/D75」と「NF/D70」シリーズに新ボディを導入したのがポイントだ。ここでは、その直販「WEB MART」モデルの「FMV-BIBLO NF/D70N」を取り上げる。
モデルチェンジの目玉となるのが、従来機より解像度を高めた液晶ディスプレイと新デザインのボディだ。具体的には、2009年の春モデルで下位モデルが一足先にアスペクト比16:9の15.6型ワイド液晶ディスプレイを導入していたが、上位モデルは16:10の15.4型ワイド液晶ディスプレイのままだった。それに対し、今回のモデルでは足並みをそろえて15.6型のワイド液晶ディスプレイを搭載することで、画面解像度もこれまでの1280×800ドットから1366×768ドットに拡大した。また、富士通のモバイルPC以外では初となるLEDバックライトの採用により、消費電力の低下やスリープからの復帰が高速になった。
春モデルまでは直線を基調としていたボディが、丸みを帯びた「スクエアラウンドデザイン」になったのも見逃せない。ボディ4隅の角を落としてアールをつけることで親しみやすい外観になっただけなく、ボディ下部の周囲にシルバーの縁取りを取り入れることで、メリハリのあるデザインを獲得した。カラーバリエーションも店頭向けのルビーレッド、アーバンホワイト、エボニーブラック、プルシャンブルーの4色に加え、直販のWEB MART限定でオリジナルデザインが用意されている。このオリジナルデザインは液晶ディスプレイの天面全体に曲線模様がプリントされ、今回のデザインコンセプトをいっそう際立たせたモデルとして注目できる。ボディカラーも鮮やかな朱色で、黒とのツートーンカラーは周囲からも目を引く存在として気になるモデルだ。
もちろん、新モデルは外観だけでなく内部のスペックも着実に強化されている。インテル® Core™ 2 Duo プロセッサーとモバイル インテル® 4シリーズ Expressチップセットというインテルの最新プラットフォームを中心に、性能の底上げが施されており、45ナノメートルのHigh-kプロセスを採用したCPUはインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー P8600(2.4GHz/2次キャッシュ3Mバイト)から、インテル® Core™ 2 Duo プロセッサー P8700(2.53GHz/2次キャッシュ3Mバイト)に高速化し、2.5インチHDDも容量が約320Gバイトから約500Gバイトに増加しており、マシン全体でパフォーマンスアップが図られている。
また、WEB MARTでは光学ドライブにDVDスーパーマルチドライブだけでなく、BD-Rメディアに4倍速、BD-R DL/BD-RE/BD-RE DLに2倍速で書き込めるBlu-ray Discドライブを選ぶことが可能だ。本機のチップセットは、インテル® GM45 Expressチップセット(開発コード名:Cantiga)で、グラフィックス機能はハードウェアによるVC-1とAVCの動画再生アクセラレーション機能を備えたインテル® グラフィックス・メディア・アクセラレーター 4500MHD(GMA4500MHD)を内蔵している。これにより、Blu-ray Disc選択時でもCPUへ負荷をかけることなく高画質なBlu-rayの映画タイトルを楽しめる。背面にはHDMI端子を標準で備えているので、ケーブル1本で大画面テレビに接続してハイビジョンコンテンツを手軽に満喫できるのもうれしいところだ。
そのほかの部分も主力モデルらしく、使いやすさにこだわっている。ノートPCでは重要なインタフェースであるキーボードも、キーピッチを前モデルの18ミリピッチから18.4ミリピッチに広げることで、さらにタイピングしやすくなった。テンキー部分も18.4ミリピッチになっており、入力時のミスタイプは確実に減少した。キーストロークも3ミリを確保しているので、デスクトップPCからの買い換えでも違和感を覚えることは少ないはずだ。
ネットワーク機能は1000BASE-T対応の有線LANを内蔵し、無線LANはなし、IEEE802.11b/g/n、a/b/g/n(11nはドラフト2.0準拠)から選択できる。インタフェース類も充実しており、USB 2.0×4、eSATA、4ピンのIEEE1394、アナログRGB出力、HDMI出力、SDメモリーカード(SDHC)/メモリースティックPRO対応のメモリカードスロット、ExpressCard/54スロットのほか、タッチパッドのクリックボタン中央に指紋センサーを装備する。
細かいところでは、ワンタッチボタンの配列が見直され、キーボード上部中央に位置が変更したのに加え、「FMVサポートナビ」や「トラブル解決ナビ」を起動するサポートボタンが独立して並ぶ形になった。
パンスクロールやピンチズームといったジェスチャー機能をサポートしたポインティングデバイス「フラットポイント」は健在で、チルトホイールに対応したUSB接続のマウスが付属するのは従来機と同様だ。
ソフトウェアの面では、これまでFMV-TEOシリーズだけに搭載されていた「AVCHD Player」が本機にもプリインストールされ、HDDやメモリカード内にあるAVCHDフォーマットのハイビジョン動画の再生が可能になった。これによりデジカメで撮影した静止画だけでなく動画の視聴も簡単に行える。
さらに同社直販のWEB MARTならば、CPUをより高速なインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー P9600(2.66GHz/2次キャッシュ6Mバイト)にしたり、メインメモリは予算に応じて2Gバイトと4Gバイトから選べるほか、無線LANをIEEE802.11a/b/g/n(11nはドラフト2.0準拠)にしたり、BluetoothやFeliCaポートなども追加可能だ。
本機のようなA4サイズのフルサイズノートPCは、家族で1台を共有していたり、マイPCとして日々の生活に欠かせないものとして定着している場合が多い。必然的に買い換えのサイクルも長くなりがちだが、最近では高画質なBlu-ray Discのパッケージが増加しているだけでなく、YouTubeやにニコニコ動画といったインターネットでの動画配信でもHD画質の高解像度版が普及しつつある。一方でデジカメやビデオカメラの画像データ、音楽データも膨大になっており、もはや3〜4年前のPCのスペックでは、普段の何気ない処理でも荷が重くなっている。
その点、本機はインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー採用の「インテル® Centrino® 2 プロセッサー・テクノロジー」に対応することで高い性能を発揮し、上記のような多彩な機能を持ち合わせているのでホームエンターテインメントも存分に楽しめる。しかも、WEB MARTで展開中の新製品モニター割引クーポンを適用すれば、本機の最小構成価格は10万555円からと購入しやすい。PCのアップグレードで毎日の生活をワンランクアップグレードするのに、これほどふさわしいノートPCもなかなか見当たらないのではないだろうか。
次回以降では多彩なラインアップの詳細や実際の使い勝手、そしてマシンパフォーマンスをチェックしていく予定だ。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年6月30日