3画面のマルチディスプレイ環境は、機材をそろえてセットアップするまでが大変に思うかもしれないが、ディスプレイやPC本体の低価格化、グラフィックスカードの高性能化などを背景に、数年前より確実にハードルは下がっている。
必要なのは液晶ディスプレイのFORIS FS2434が3台と、3系統の映像出力が可能なデスクトップPCおよびグラフィックスカードだ。デスクトップPCにオンボードの映像出力端子が備わっていれば、それにNVIDIAやAMDのGPUを搭載したグラフィックスカードを増設することで、容易に3画面出力環境が構築できる。
ただし、FORIS FS2434は映像入力がHDMI×2とDVI-Dの3系統で、D-Subのアナログ入力は持っていないため、アナログRGBを含めた3系統出力のPCではFORIS FS2434の3画面表示ができない点は注意したい。
3画面でのWebブラウズをはじめ、動画や写真の閲覧および個人ユースでの編集作業ではエントリークラスのグラフィックスカードでも十分な性能だ。ただし、本稿で紹介したバトルフィールド 4など、高い描画性能が求められるゲームタイトルを高精細なグラフィックスで楽しむには、ハイスペックなグラフィックスカードを用意する必要がある。
FORIS FS2434を3台並べて設置するコツとしては、視界を覆うように、左右のディスプレイを少しだけ内側に向けて置くことだ。フレームとフレームを密着させる場合、画面はチルトさせず垂直に保つ必要があるため、画面の角度は固定されるが、FORIS FS2434はスタンドの昇降機構があるので、好みの高さにピタリと止められる。斜めから見ても色味が変化しにくい広視野角のIPS液晶パネル、映り込みを抑えたノングレア仕様も、マルチディスプレイ環境では使いやすい。
また、初めて3台のディスプレイをPCにつないで起動した際には、設置したディスプレイの位置関係と、Windowsにおけるディスプレイの位置関係が一致していない点に注意が必要だ。マウスポインターやウィンドウを画面端まで移動させると、隣接していない画面の端から現れるなど、このままでは使い物にならないため、「画面の解像度」設定で画面の位置関係を正しく設定すればよい。
また、ゲームなどで3画面を1つの大きなデスクトップとして扱いたい場合、グラフィックスドライバのコントロールパネルで設定が必要だ(NVIDIAの「3D Surround」機能、AMDの「AMD Eyefinity」機能など)。この設定をしないと、3Dゲームが1画面にしか表示されないので気を付けたい。逆に、1画面だけにゲーム映像を表示し、別の画面に攻略サイトなどの情報を表示する場合、この設定は不要だ。
なお、こうしたマルチディスプレイ環境における機材の選び方やセットアップの方法は、こちらの記事(6画面“5760×2160”ディスプレイで圧倒的戦力を手に入れる)で詳しく解説しているので参照していただきたい。
「FORIS」というブランド名は、ラテン語で「扉」を意味する。確かにFORISは、これまでの液晶ディスプレイにはなかったインテリジェントな超解像技術や暗部の視認性向上技術を積極的に開発・搭載することで、新しいユーザー体験の扉を開け、アドバンテージを発揮してきた。
そして最新モデルのFORIS FS2434は見違えるようなフレームレスデザインにより、「エンターテインメント志向の超狭額マルチディスプレイ」という新体験の扉を開けたといえる。
いまや1万円あれば安価なフルHD液晶ディスプレイが買えてしまう時代だ。すでに2画面や3画面のマルチディスプレイ環境を整えている方も少なくないだろう。しかし、いま一度そのマルチディスプレイ環境を見直してみていただきたい。画面と画面の間に存在する太いフレームが邪魔になっていないだろうか、あるいは異なる液晶ディスプレイ製品を組み合わせたことで、画面サイズや解像度、表示の色味、コントラストなどがちぐはぐになっていないだろうか。
FORIS FS2434の3画面によるマルチディスプレイ環境は、これまでのマルチディスプレイが抱えていた問題を解決し、画面と画面の間にあるフレームをほとんど意識させなくすることで、横に長い5760×1080ピクセルのディスプレイ1枚に近い感覚で扱える。しかも、3枚のディスプレイを緩やかに囲むように配置することで、ユーザーの目からほぼ等距離で3画面を配置でき、自然な見え方やコンテンツ表示の包囲感という点おいては、単に超横長のディスプレイより優位といえる。
既存のマルチディスプレイ環境に満足できない方はもちろん、フレームレスデザインの3画面でさまざまなコンテンツを最大限に楽しみたいという方は、FORIS FS2434の3画面によるマルチディスプレイ環境を検討してみてはいかがだろうか。そこには、投資に見合う驚きの体験が待っているはずだ。
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