Special
» 2014年12月11日 10時00分 公開

HiDPIやRetinaを誤解してない?――4K時代のディスプレイ選びに欠かせない「画素密度」を理解するITmedia流液晶ディスプレイ講座III(4/4 ページ)

[PR/ITmedia]
PR
前のページへ 1|2|3|4       

4KやHiDPIを含め、多様化が進むPCディスプレイ

 これまで紹介した4KやHiDPIといったトレンドを含め、昨今のPCディスプレイは多様化が進んでいる。現状におけるPCディスプレイの画面サイズ、解像度、画素密度、アスペクト比といった動向をまとめておこう。

 2000年代後半からPCディスプレイ市場ではアスペクト比が5:4や4:3のスクエア画面が減少し、16:9や16:10のワイド画面が拡大してすっかり定着した。これとともにサイズも17型や19型のスクエア画面から、23型や24型のワイド画面に移行している。

 さらに、より快適な環境を求めて27型ワイド以上のワイド大画面へ移行する動きも活発になっている。その移行も、より広い作業スペースを求める層は3840×2160ピクセル(UHD 4K)や2560×1440ピクセル(WQHD)へ、より低価格で視認性の高い表示を求める層は据え置きの1920×1080ピクセル(フルHD)へと分化している状況だ。

 近年ではワイド画面をさらに横へ引き伸ばしたウルトラワイド画面の製品も登場した。これはシネスコディスプレイとも呼ばれるアスペクト比21:9の超横長画面を採用した製品であり、一般的なディスプレイ1台の環境から切り替えるにはあまり適さないものの、コンポーザーやスプレッドシートを日常的に使用するようなビジネス層や、横置きのデュアルディスプレイ環境からのリプレース需要がある。

 一方、これまでとまったく異なる傾向として、EIZOはアスペクト比1:1の正方形パネルを採用した26.5型ディスプレイ「FlexScan EV2730Q」を2015年春に発売する予定だ。実にユニークな画面サイズだが、フルHDを縦に伸ばした1920×1920ピクセルという高解像度なので、縦横とも作業領域に余裕がある。フルHDディスプレイを縦位置にして2台並べた状態で利用しているユーザーの多さも考えると、汎用(はんよう)性は高い。

EIZOが開発中の26.5型液晶ディスプレイ「FlexScan EV2730Q」。非常に珍しい正方形パネルを採用し、これまでと違った活用提案を行っている

 4Kなど高画素密度のディスプレイが台頭し、「解像度の高さ(画素数の多さ)=作業スペースの広さ」という概念が取り払われつつある昨今でも、画面サイズが作業スペースに大きな影響を与えることに変わりはない。選択の1つの目安としては、紙のサイズと比較するのが作業効率の面で分かりやすいだろう。下表に主な用紙のサイズをまとめたので、上に示した画面サイズの表示面積と併せて確認してみてほしい。

主な用紙のサイズ
用紙の種類 A4 B4 A3 A3ノビ B3 A2
用紙サイズ(横×縦) 297×210ミリ 364×257ミリ 420×297ミリ 約483×329ミリ 515×364ミリ 594×420ミリ
※A3ノビとは業務印刷での位置合わせや裁断の目印となるトンボをA3の印刷領域の外側に打てるサイズだが、統一規格がなく用紙によりサイズが少し異なる

 例えば、現在主流の23型フルHDディスプレイだと表示面積は約509×287ミリで、A4用紙(297×210ミリ)1枚分を確保でき、広い余剰スペースが残る。Webブラウズやちょっとしたスプレッドシートを扱う程度なら十分に事は足りるが、A4見開きの実寸表示では縦方向が狭い。

 A4見開き、つまりA3用紙(420×297ミリ)へのプリントを想定したフォトレタッチやDTP、デザインワークなどに用いるのであれば、A3サイズを実寸で表示できる領域+ツールパレットの領域を確保できたほうが、仕上がりのイメージを確認しながら遅滞なく作業を進められる。この条件では、24型ワイド(約531×299ミリ)以上が候補になるだろう。

 また、A3ノビ(規格として定まってはいないが483×329ミリ程度)までを想定するならば、さらに一回り大きい27型ワイド(約582×364ミリ)という具合に、用紙サイズを指標として必要とする画面サイズの見当を付けることができる。

アスペクト比16:10/1920×1200ピクセル(WUXGA)表示に対応した24.1型ワイド液晶ディスプレイであれば、1画面にA4見開き、つまりA3サイズ(420×297ミリ)を実寸表示したうえで、周囲にメニューやツールパレットを配置しておける。写真はEIZOの「FlexScan EV2436W-Z」
主なPC用外付けディスプレイの画面サイズ
ワイド液晶ディスプレイ
画面サイズ 表示領域 解像度 アスペクト比 画素密度 画素ピッチ
19型ワイド 約408×255ミリ 1440×900ピクセル 16:10 約89ppi 約0.28ミリ
19.5型ワイド 約434×236ミリ 1600×900ピクセル 16:9 約94ppi 約0.27ミリ
20型ワイド 約443×429ミリ 1600×900ピクセル 16:9 約92ppi 約0.28ミリ
21.5型ワイド 約480×270ミリ 1920×1080ピクセル 16:9 約103ppi 約0.25ミリ
22型ワイド 約474×296ミリ 1680×1050ピクセル 16:10 約90ppi 約0.28ミリ
23型ワイド 約510×287ミリ 1920×1080ピクセル 16:9 約96ppi 約0.27ミリ
23.6型ワイド 約521×293ミリ 1920×1080ピクセル 16:9 約93ppi 約0.27ミリ
23.8型ワイド 約527×296ミリ 1920×1080ピクセル 16:9 約93ppi 約0.27ミリ
23.8型ワイド(UHD 4K) 約527×296ミリ 3840×2160ピクセル 16:9 約185ppi 約0.14ミリ
24型ワイド 約531×299ミリ 1920×1080ピクセル 16:9 約91.8ppi 約0.28ミリ
24.1型ワイド 約518×324ミリ 1920×1200ピクセル 16:10 約94.3ppi 約0.27ミリ
25型ウルトラワイド 約585×247ミリ 2560×1080ピクセル 21:9 約111ppi 約0.23ミリ
27型ワイド 約598×336ミリ 1920×1080ピクセル 16:9 約82ppi 約0.31ミリ
27型ワイド 約597×336ミリ 2560×1440ピクセル 16:9 約109ppi 約0.23ミリ
28型ワイド(UHD 4K) 約620×349ミリ 3840×2160ピクセル 16:9 約157ppi 約0.16ミリ
29型ウルトラワイド 約673×284ミリ 2560×1080ピクセル 21:9 約96ppi 約0.26ミリ
30型ワイド 約641×401ミリ 2560×1600ピクセル 16:10 約101ppi 約0.25ミリ
31.1型ワイド(DCI 4K) 約699×368ミリ 4096×2160ピクセル 約17:9 約149ppi 約0.17ミリ
31.5型ワイド(UHD 4K) 約697×392ミリ 3840×2160ピクセル 16:9 約140ppi 約0.18ミリ
32型ワイド(UHD 4K) 約698×393ミリ 3840×2160ピクセル 16:9 約138ppi 約0.18ミリ
34型ウルトラワイド 約800×335ミリ 3440×1440ピクセル 21:9 約110ppi 約0.23ミリ
40型ワイド(UHD 4K) 約878×485ミリ 3840×2160ピクセル 16:9 約110ppi 約0.23ミリ
スクエア液晶ディスプレイ
画面サイズ 表示領域 解像度 アスペクト比 画素密度 画素ピッチ
17型スクエア 約338×270ミリ 1280×1024ピクセル 5:4 約96.4ppi 約0.26ミリ
19型スクエア 約376×301ミリ 1280×1024ピクセル 5:4 約86.3ppi 約0.29ミリ
21.3型スクエア 約432×324ミリ 1600×1200ピクセル 4:3 約93.9ppi 約0.27ミリ
26.5型スクエア 約476×476ミリ 1920×1920ピクセル 1:1 約102ppi 約0.25ミリ

4K時代の液晶ディスプレイ選びは「画素密度」と「作業スペース」を要確認

 このように今後は液晶ディスプレイを選ぶにあたり、画面サイズと解像度の組み合わせによる「画素密度」も考慮に入れる必要がある。繰り返しになるが、超高画素密度のディスプレイは基本的にスケーリングによる拡大表示で利用することになるため、「解像度の高さ(画素数の多さ)=作業スペースの広さ」とはならない。ここは十分に注意すべきポイントだ。

 液晶ディスプレイの多様化によって、ユーザーが自身の用途に合った製品を細かく選択できるようになったのは喜ばしいことだが、これは見方を変えると目的に合致しない製品を誤って購入してしまう危険性も増えたことになる。

 「作業スペースを増やしたかったのに、超高画素密度ディスプレイを導入しても拡大表示しないと使えないため、買い替え前と作業効率が変わらなかった」などという悲劇を回避するためにも、超高画素密度ディスプレイは「非常に高精細な表示」にメリットがあること、作業スペースを広げるには画面サイズの大型化が有効なこと、という特徴をしっかりと把握したうえで、最適な機種を選定していただきたい。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:EIZO株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2014年12月17日

インフォメーション

関連リンク

活用&ノウハウ

/pcuser/articles/1610/26/news004.jpg

ディスプレイの購入を検討する際、どの映像入力に対応しているかは必ずチェックするべき重要項目の一つだ。現在主流のインタフェースや今後注目すべきインタフェースを中心に最新事情をまとめた。

/pcuser/articles/1603/18/news017.jpg

スタートメニューの復活をはじめ、デスクトップUIがより使いやすくなった「Windows 10」には、「マルチディスプレイ」の操作性を高めるための工夫も見られる。実際にWindows 10搭載のノートPCとデスクトップPC、そして2台のディスプレイを使って、マルチディスプレイ活用テクニックを見ていこう。

/pcuser/articles/1412/11/news009.jpg

スマートフォンやタブレットから始まったディスプレイの高画素密度化は、PCディスプレイの世界にも波及。2014年にはPC向けの4Kディスプレイが台頭し、画面サイズ、解像度とともに、「画素密度」の把握が製品選びで重要になってきた。今回は最新の技術動向も含め、ディスプレイの高画素密度化をテーマに解説する。

/pcuser/articles/1403/05/news004.jpg

PC、スマートフォン、タブレット――いつもディスプレイに囲まれて、目や首、肩に余計な負担がかかっているのでは? 心当たりがある人は、症状が悪化する前に、これを読んで今すぐ対策しよう。

/pcuser/articles/1307/09/news005.jpg

PCディスプレイの標準仕様がフルHDとなった今、より上質の作業環境を望むなら、次に狙うべきは「4K2K」なのか? 否。設置スペースさえ許せば、もっといい方法がある。そう、“超”高解像度を手軽に実現できるマルチディスプレイというさえたやり方が――。

/pcuser/articles/1112/07/news004.jpg

ディスプレイから目を守るメガネ「JINS PC」が人気だ。エネルギーの強い青色光を特殊なレンズで防ぐことで、目にかかる負担を軽減できるという。これと同じように、ナナオもディスプレイメーカーの立場から長期に渡って疲れ目対策を講じており、その最新モデル「FlexScan EV2335W」にはさまざまな機能が備わっている。それでは、目の疲れに敏感なJINS PCの担当者は、FlexScan EV2335Wの表示をどう見るのだろうか?

/pcuser/articles/1105/25/news001.gif

今や生活の一部になりつつある電気製品の「節電」だが、どこまで意識して実践できているだろうか。液晶ディスプレイの節電を考えた場合、日ごろの運用で無駄に電気を使っていないか、そして効果的な省エネ策とは何なのか、今こそ普段の利用スタイルを見直してみよう。

/pcuser/articles/1009/27/news004.jpg

スマートフォンをはじめ、iPadなどのスレート型端末、デジタルカメラの背面液晶、ニンテンドーDS、そしてWindows 7など、最近注目を集めるデジタル製品はタッチパネルへの対応が1つのキーワードになっている。ひとくちにタッチパネルといっても、画面に触れた指やペンを検出する方式はさまざまだ。今回はタッチパネルの基本的な検出方式を取り上げ、その特徴と最適な用途について紹介しよう。

/pcuser/articles/1005/31/news001.jpg

動画コンテンツの魅力を最大限に引き出すには、“動画の”表示品質に優れた液晶ディスプレイが必須だ。今回はいくつかのサンプル動画を用意し、液晶ディスプレイにおける動画の表示品質をチェックしていこう。

/pcuser/articles/1004/22/news002.jpg

普段から何気なく使っている液晶ディスプレイの表示品質を、きちんと確かめてみたことはあるだろうか? テストパターンなどを使ってチェックしてみると、普段気付かなかった表示品質の問題点に気付くことも少なくない。今回は液晶ディスプレイの表示品質を評価するための基本的なポイントと、誰でも手軽に試せる方法を紹介しよう。

FORIS

/pcuser/articles/1412/18/news003.jpg

EIZOの4K対応31.5型ディスプレイ「FlexScan EV3237」、23.8型エンターテインメントディスプレイ「FORIS FS2434」が、PC USERアワード2014年下半期「ディスプレイ部門」にてそれぞれゴールドとシルバーを受賞。各製品に込められたEIZOならではのこだわりを開発陣に聞いた。

/pcuser/articles/1407/08/news003.jpg

マルチディスプレイ環境はなにかと便利だが、画面と画面の間に挟まるフレームが見た目のノイズになってしまうのは難点だ。しかし、EIZOが新たに投入した「フレームレス」デザインの液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」であれば、この問題もほとんど解決できるハズ。実際に使ってみると、多くのユーザーは「これまでのマルチディスプレイは何だったのか……」と衝撃を受けるのではないだろうか?

/pcuser/articles/1401/20/news001.jpg

動きが激しいゲームや入力タイミングが厳しいゲームでは、液晶ディスプレイの性能が勝敗に影響することも少なくない。EIZOが満を持して投入した「FORIS FG2421」は、業界初の240Hz駆動技術を搭載しつつ、入力の遅延も極限まで抑えた、非常に先進的なゲーミングディスプレイだ。その性能をトップゲーマーはどう評価するのか、国内でも実力派のFPSチームにじっくり試してもらった。

ColorEdge&カラーマネジメント

/pcuser/articles/1306/21/news002.jpg

新スタイルの共用オフィス空間である「コワーキングスペース」は、新しいコミュニティが生まれる場所としても注目され、都市部を中心に急増している。そんなコワーキングスペースの中に、EIZOのカラーマネジメント液晶ディスプレイ「ColorEdge」が期間限定で自由に使える場所があるという。これは試してみる価値が大いにありそうだ。

/pcuser/articles/1208/30/news007.jpg

カラーマネジメント液晶ディスプレイを導入すれば、デザイン業務の効率化や完成度の向上が期待できる。とはいえ、「そんなことは分かっているけど、とても高くて導入できないから、ちょっといい通常のディスプレイでガマンするしかない」といったデザイナーは少なくないだろう。ナナオの「ColorEdge CX240」は、「いつかは、カラーマネジメント液晶ディスプレイ!」と願う、こうしたユーザーにとって福音となるかもしれない。

/pcuser/articles/1202/27/news006.jpg

カメラと写真の総合イベント「CP+2012」では、ナナオがデジタルフォトに最適なEIZOディスプレイを展示し、ビギナーでも気軽に実践できるカラーマッチングを提案。写真好きの来場者から熱い視線が注がれた。それでは、デジカメレビューでおなじみのフォトグラファー永山昌克氏に、その実力はどう映ったのだろうか?

FlexScan

/pcuser/articles/1412/18/news003.jpg

EIZOの4K対応31.5型ディスプレイ「FlexScan EV3237」、23.8型エンターテインメントディスプレイ「FORIS FS2434」が、PC USERアワード2014年下半期「ディスプレイ部門」にてそれぞれゴールドとシルバーを受賞。各製品に込められたEIZOならではのこだわりを開発陣に聞いた。

/pcuser/articles/1409/18/news007.jpg

徐々に数を増やしつつあるPC向け4Kディスプレイ。先物買いの印象があるかもしれないが、ディスプレイに関するさまざまな問題を解決し、極上の表示環境が得られる「先進的かつスマート」な選択肢なのだ。特にEIZO初の4Kディスプレイ「FlexScan EV3237」は、長い目でディスプレイ選びを考えた場合、有力候補に挙げられる。

About EIZO

/pcuser/articles/1401/27/news005.jpg

EIZOの東京ショールームが銀座3丁目から7丁目に移転し、リニューアルオープンした。ホビーからビジネスまで幅広いユーザー層をカバーするほか、特定用途向けディスプレイの展示も充実。「ディスプレイの今」を体感できる。無料のセミナーやワークショップ、ギャラリーにも注目だ。