NECパーソナルコンピュータは“攻めのビジネスPC”へ 出そろった新モデルの“こだわりポイント”を現役情シスがチェックする（1/3 ページ）

NECパーソナルコンピュータの新モデルに注ぎ込まれた、開発のこだわりポイントを現役情シスの筆者が詳しく掘り下げる。同社が言う“攻めのビジネスPC”とは一体何なのか？　新モデルの特徴を解説しよう！

PR／ITmedia

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　NECが販売を手掛ける法人向けビジネスPCは、2025年4月からレノボグループのNECパーソナルコンピュータ（NECPC）に移管され、企画から開発、製造、販売まで、同社が一貫して行う体制に刷新された。この機会にあわせて、同社は従来製品を超える“攻めのビジネスPC”を続々と市場に投入し、新たな製品群が出そろいつつある。

　今回はそんなNECPCの新モデルに込められた開発のこだわりポイントを現役情シスの筆者が詳しく掘り下げていく。“攻めのビジネスPC”とは一体何なのか。ビジネスPCの調達や選定を担っている情シスの方などは、ぜひ参考にしてほしい。

NECPCの開発こだわりポイントをチェック

　2025年にNECPCが市場に投入した新製品の中でも、世界最長バッテリーを搭載した「VersaPro UltraLite タイプVY」（以下、タイプVY）は見逃せない注目モデルだ。

　タイプVYの仕様の中で最も注目すべきポイントは、やはり世界最長をうたう大容量バッテリーに尽きるだろう。一般的に、ノートPCに採用されるバッテリーは、バッテリー駆動時間の要件からバッテリー容量を決め、重量とコストを考慮した上で最終決定される。

バッテリー駆動時間に強みを持つ「VersaPro UltraLite タイプVY」

　しかし、タイプVYを企画する際、NECPCは「新しい武器（強み）を持ったノートPCにしたい」という気持ちがあり、可能な限り大容量のバッテリーを搭載し、世界最長バッテリー駆動時間を実現することを目標に立てた。そんな常識を打ち破るようなタイプVYについて、それぞれのこだわりポイントにフォーカスを当てて紹介していく。

新開発された基板面積の省スペース化と電源効率の向上を両立したマザーボード

　ノートPC、特にモバイル向けの軽量モデルは、部品を搭載できるスペースや重量に制限があるため、ただ大容量バッテリーを搭載すればよいというものではない。そこで、NECPCは新たにマザーボードを開発した。

　新たなマザーボードは徹底的な縮小化が図られており、サーマルモジュールの設計を調整し、電源部品をコンパクトに配置している。

　そして、もともと電源部品が実装されていたスペースにSSDと小型冷却ファンを搭載することで、マザーボードの基板面積が小さくなるため、大容量バッテリーが搭載できるようになった。

バッテリー駆動時間延長のためにマザーボードを新開発した

　さらに大容量バッテリーをただ搭載するだけでなく、高効率の電源部品を採用したこと、4セル直列構成だったバッテリーセルを２直列2並列構成とすることで低電圧化し、できる限り電源回路の効率化を行っている。この工夫により、電源ロスを低減させ、バッテリーからの供給電力を最大化している。

随所にみられる「省電力スタック」が実現する世界最長のバッテリー駆動時間

　省電力に関連するこだわりは、マザーボードやバッテリーの改善にとどまらない。例えば、ノートPCの冷却をつかさどる冷却ファンを例に挙げると、高負荷になればなるほど回転数が増え、その分バッテリーの消費が増大する。

　そこでタイプVYは、なるべくファンが回らない設計を行うことで電力消費を抑え、高負荷時にファンが回った場合についても、ファン内部コイルのさまざまなパラメーターを試行錯誤した上で、最も電力消費の低いものを選択してPC冷却に伴うバッテリーの消費を削減している。

　他にもバックライトの消費電力を大きく削減できるディスプレイを新たに開発するなど、省電力に関するこだわりを積み上げた、いわば「省電力スタック」によって、世界最長バッテリー駆動時間を実現している。

バッテリー駆動時間のために、あらゆる部分が練られている

　筆者も当初は軽量薄型モデルで大容量バッテリーを搭載できたとしても、昨今のハイブリッドワークでは、ビデオ会議や負荷の高いアプリケーションを多用する傾向にあるため「業務時間中に必ずどこかで充電が必要になるのでは」と考えていた。

　しかし、ふたを開けてみると、JEITAバッテリ動作時間測定法（Ver.3.0）で動画再生時は約20時間、アイドル時では約40時間と、ACアダプターやモバイルバッテリーを持ち運ばなくても1日安心して利用できるというのだから驚きだ。

　これまで外回りが多い営業職や、出張の多いマネジャー職の従業員から「1日中充電せずとも安心して利用できて、それでいて軽量薄型のモバイルPCが欲しい」という声に苦慮していたが、タイプVYであればこのような悩みを解決できる。