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インテルのキーノートスピーチでIDF 2009を1時間30分で復習するCEATEC JAPAN 2009(1/2 ページ)

CEATEC JAPAN 2009の初日に行われたインテルのキーノートスピーチは、IDF 2009で紹介された話題をダイジェストで紹介。Westmereと22ナノウェハも日本で初披露された。

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TickとTockでインテルの開発は順調に進む

 インテルは、10月6日から始まったCEATEC JAPAN 2009で米インテル 副社長 兼 ウルトラモビリティー事業部ディレクターのロビー・スウィヌン氏によるキーノートスピーチを行った。

 スウィヌン氏が行ったスピーチの内容は、9月末にサンフランシスコで行われたIDF 2009のダイジェスト版であったが、WestmereやAtomのSoCパッケージ、22ナノメートルプロセスルールを導入して生産されたウェハの実物が日本で初めて紹介された。

 インテルは、ムーアの法則の順守を“目標”にしてプロセスルールの微細化を進めており、2007年には45ナノメートルプロセスルールを導入した「Penryn」がリリースされたが、2008年の「Nehalem」を経て、2009年の末には32ナノメートルプロセスルールを導入する「Westmere」が登場する予定だ。

 スウィヌン氏は、グラフィックスコアをCPUのパッケージに統合したClarkdaleのパッケージを日本のユーザーに示しながら、その次の微細化ステップとなる22ナノメートルプロセスルールにも言及し、IDF 2009でも紹介した22ナノメートルプロセスルールで生産されたウェハの実物を披露した。

スウィヌン氏が紹介したWestmere(写真=左)と、22ナノメートルプロセスルールを導入したウェハ(写真=右)

 インテルは、2年周期でプロセスの微細化と新しいアーキテクチャの導入を繰り返す「Tick Tock」サイクルでCPUの開発を進めている。45ナノメートルプロセスルールでは、2007年にPenrynがプロセス微細化のTickフェーズで登場し、続く2008年にはNehalemが新しいアーキテクチャを導入するTockフェーズで投入された。同じように、32ナノメートルプロセスルールでは、WestmereがTickフェーズで登場し、続いて新しいアーキテクチャを導入するSandybridgeが投入される。スウィヌン氏は、22ナノメートル、11ナノメートルのプロセスルールでも、Tick Tockサイクルで開発を進めることで、インテルのCPUは着実に進化していくと述べている。

 プロセスルールの微細化はAtomでも進んでいく。45ナノメートルプロセスルールを採用する「Bonnell」、32ナノメートルプロセスルールを採用する「Saltwell」が予定されているほか、Atomでも22ナノメートル、11ナノメートルと微細化が進んでいくとともに、複数の機能を制御するコントローラを1つのパッケージに統合するSoC(System on Chip)を採用して、軽量小型デバイスへの実装を推進していく。

CEATEC 2009のキーノートスピーチで示されたCPUのTick Tockサイクル(写真=左)とプロセスルールが微細化されるAtomのロードマップ(写真=右)

すべてがベストであることを求められる現代のノートPC

 スウィヌン氏は、世界中でノートPCの比率が上がっていく中、「ユーザーはノートPCに対して、あらゆるスペックや機能、デザインに、よりよいものを望んでいる」と現在のノートPCに対するクライアントユーザーのニーズを分析する。軽量薄型でデザインセンスに優れたボディと、購入しやすい低価格設定だけでなく、長時間のバッテリー駆動が可能で、かつ、高い処理能力と高機能なグラフィックス性能を有し、さらに、どこでもネットワークにアクセスできるようにあらゆる無線接続が利用できることを求めるという。

 スウィヌン氏は、インテルのノートPC向けプラットフォームの進化によって、ノートPCの性能、バッテリー駆動時間、ボディの厚さなどが、Centrinoが登場した2003年から2008年、そして、2010年にかけて着実に改善され、無線接続では、WiMAX、WiFi、3GなどがノートPCに内蔵されて通信速度と使い勝手が向上していくと説明した。

現代のユーザーは、性能だけ、サイズと重さだけ、デザインだけ、バッテリー駆動時間だけ、というノートPCではなく、それらすべてがベストな製品を求めている(写真=左)。Centrinoが登場した2003年以降、ノートPCの性能やバッテリー駆動時間、ボディの厚さは着実に向上している(写真=右)

 2009年には、Nehalemアーキテクチャを導入したノートPC向けCPUとして、Core i7 モバイル・プロセッサー(Core i7M)がIDF 2009に合わせて発表された。スウィヌン氏は、Core i7Mで実装されたIntel Turbo Boostについて、「Core i7M Extremeの動作クロックは定格で2.0GHzだが、Intel Turbo Boostで3.2GHzまでクロックアップする。ユーザーが必要と思うときに高い処理能力を発揮できると同時に、通常は動作クロックを抑えて消費電力を下げることも可能だ。これは、バッテリー駆動時間を延ばすことにもつながる」と、Core i7Mの採用で、現代のノートPCに求められる高い処理能力と長時間のバッテリー駆動の両立が実現することをアピールした。

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