“かっとび”GPUを統合した「Core i5-661」の実力を正式発表“前”に検証する:イマドキのイタモノ(2/3 ページ)
「Clarkdale」と呼ばれていたCore iシリーズがまもなく“正式に”発表される。「32ナノプロセス」「GPU統合」と初物づくしのCPUはどんな性能を見せるのか?
注意したい“微妙な”プロセッサーナンバーモデル
ところで、ClarkdaleのラインアップではCPUコアの動作クロックによるグレード分けに加え、GPUコアの動作クロックも2つのグレードに分けられる。それがCore i5 661とCore i5-660の関係だ。どちらもCPUコアの動作クロックは3.33GHzで同じ、ITB有効時の最大クロックも3.60GHzとそろっている。しかし、GPUコアの動作クロックはCore i5-660の733MHzに対してCore i5-661が900MHzと高く設定されている。これまで、統合されたグラフィックスコアの性能はチップセットのグレードで選べばよかったが、Clarkdale以降はCPUのグレードで選ぶ時代になるので要注意だ。

CPU-Zで取得したCore i5-661に統合されたグラフィックスコアの情報。グラフィックスコアの動作クロックが900MHzであることが確認できる。一方、GPU-Zで見るとDirectXのサポートは10.0までとなる。GPGPU項目もOpenCLやDirectComputeに未対応のままだ(ただ、この件に関してはドライバの完成度が大きく影響している)グラフィックスコアを統合したClarkdaleでは、グラフィックからディスプレイへ出力するために専用のチップセット(PCH、Platform Controller Hub)が必要だ。それが、「Intel H55 Express」「Intel H57 Express」「Intel Q57 Express」になる。H55はローコスト向け、H57はメインストリーム、そして、Q57がビジネス向けという位置付けだ。H55とH57を比べると、USBポート数やチップセット側から出るPCI Expressレーン数、Intel Rapid Strage Technology(オプション)のサポートなどが異なる。また、Intel P55 ExpressではPCI Express x16レーンのスプリットがサポートされていたが、新チップセットではサポートされていない。
| チップセット | X58 IOH+ICH10R | P55 PCH | H55 PCH | H57 PCH | Q57 PCH |
|---|---|---|---|---|---|
| サポートソケット | LGA1366 | LGA1156 | LGA1156 | LGA1156 | LGA1156 |
| メモリチャネル数 | 3ch | 2ch | 2ch | 2ch | 2ch |
| メモリサポート | DDR3-1066 | DDR3-1333 | DDR3-1333 | DDR3-1333 | DDR3-1333 |
| ディスプレイ出力 | − | − | ○ | ○ | ○ |
| CPU-チップセット接続バス | QPI/ノースとサウス間はDMI | DMI | DMI & FDI | DMI & FDI | DMI & FDI |
| PCI Express x16レイアウト | x16×2 | x16×1/x8+x8 | x16×1 | x16×1 | x16×1 |
| PCI Express x1レーン数 | 6 | 8 | 6 | 8 | 8 |
| USBポート数 | 12 | 14 | 12 | 14 | 14 |
| SATAポート数 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 |

Intel H55 Express(左)とIntel H57 Express(右)のブロック図。異なるのはUSB 2.0のポート数やPCI Expressのレーン数、Intel Rapid Strage Technologyの対応程度で、両者の違いは少ない。グラフィックスコアがCPU側に移ってしまったことで、チップセットのグレード設定が難しくなった一面もあるG45、790GX、GeForce 210……、そして661
今回の評価でベンチマークテスト測定に用いたシステムは、CPUが「Core i5-661」(動作クロック3.33GHz)、マザーボードがIntel H55 Expressを搭載した「Intel DH55TC」だ。比較用の構成は、統合されたグラフィックスコアの比較として、Core 2 Quad Q9650(動作クロック3.0GHz)とIntel G45 Express搭載マザーボード(MSI G45M-FIDR)の組み合わせと、Phenom II X4 965(動作クロック3.4GHz)+AMD 790GX搭載マザーボード(MSI 790GX-G65)の組み合わせ、Phenom II X2 550(動作クロック3.1GHz)+AMD 790GXの組み合わせを用意している。また、チップセット性能を見るために、Intel P55 Express搭載マザーボード(Intel DP55KG)とディスクリートGPUの組み合わせでGeForce 210搭載グラフィックスカード(MSI N210-MD512H)も測定した。


Core i5-750とCore i5-661を並べる(写真=左)。ES品であるため刻印はあてにならないが、デザイン上も違いはない。その裏側を比較する(写真=中央)。左にあるCore i5-750と比べ、右のCore i5-661はコンデンサの数が減っている。インテル純正のIntel H55 Express搭載のmicro ATXマザーボード「DH55TC」(写真=右)。CPU回りのみ固体コンデンサだが、ほかは非固体タイプを使っている
Intel G45 Express搭載マザーボードとして用意した「MSI G45M-FIDR」(写真=左)とGeForce 210搭載グラフィックスカードとして用意した「MSI N210-MD512H」(写真=右)| CPU | Core i5-661(3.3GHz) | Core i5-661(3.3GHz) | Core i5-750(2.66GHz) | Core i5-750(2.66GHz) | Core 2 Quad Q9650(3GHz) | Phenom II X4 965BE(3.4GHz) | Phenom II X2 550BE(3.1GHz) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| マザーボード | Intel DH55TC | Intel DH55TC | Intel DH55TC | Intel DP55KG | G45M-FIDR | 790GX-G65 | 790GX-G65 |
| チップセット | Intel H55 Express | Intel H55 Express | Intel H55 Express | Intel P55 Express | Intel G45 Express | AMD 790GX+SB750 | AMD 790GX+SB750 |
| Memory | DDR3-1333 4GB(2GB×2) | DDR3-1333 4GB(2GB×2) | DDR3-1333 4GB(2GB×2) | DDR3-1333 4GB(2GB×2) | DDR2-800 4GB(2GB×2) | DDR3-1333 4GB(2GB×2) | DDR3-1333 4GB(2GB×2) |
| Graphics | − | GeForce 210 | − | GeForce 210 | − | − | − |
| HDD | WD5000AAKS(500GB/7200rpm/16MB) | ||||||
| OS | Windows 7 Ultimate | ||||||
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