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McAfeeの買収に見るIntelの「全方位外交」Intel Developer Forum 2010(2/3 ページ)

自作PCユーザー的な主役は「Sandy Bridge」だが、ITビジネスに興味があるなら、IDF直前の「McAfee買収」も気になる。その狙いを基調講演で探る。

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「必要だから買収した」――Intelが実行した4つの買収劇

 オッテリーニ氏は、これらのプラットフォームに加え「セキュリティ」と「コネクティビティ」の2つがソリューションを提供するうえで重要になるという。

 セキュリティについては、今後デバイスでデータのやり取りを行う機会が増えるにつれ、セキュリティ上のリスクがより高まってくるとIntelは考えている。そこでこの技術を持つ企業としてMcAfeeを買収したというわけだ。PC向けソリューションが中心のMcAfeeだが、彼らの技術を組み込み向けに応用することで、これからは小型デバイスを含む各種デバイスで「信頼性のあるソフトウェア実行環境」を築けるようになる。

 コネクティビティについては、Intelが持つ従来の無線LANやWiMAX技術に加え、今後は3GやLTEなどの技術も重要になる。先日発表されたIntelによる独Infineonの通信部門の買収も、こうした技術を取り込むことが狙いだ。Infineonの3G通信モジュールはAppleのiPhone 4をはじめとして、各種デバイスで採用されている。今後はIntel自身が持つ各種特許や無線LANとWiMAXの技術を組み合わせることで、3G/LTEの各種デバイスへの標準実装が進んでいくだろう。

今後、インターネットに接続できるデバイスが急速に広がるとともに重要となるのが「セキュリティ」と「コネクティビティ」(接続性)の分野。そのために、IntelはMcAfeeとInfineonの通信部門を“買った”といえる

 オッテリーニ氏は、Intelによる米Texas InstrumentsのケーブルTV装置部門買収についても基調講演で言及し。この買収が今後「スマートTV」のようなデバイス戦略で有効になるだろうと説明している。基調講演では、2010年5月にサンフランシスコで開催された「Google I/O 2010」で発表された「Google TV」にも触れ、同機能を搭載したソニー製テレビのほか、Logitechのテレビボックスなどのハードウェアを展示していた。

 「Google TV」はGoogleが進めているプロジェクトの総称で、デバイスメーカーとして上記2社のほか、CPU提供メーカーとしてIntelが名を連ねている。ここで採用されているCPUはIDF 2009で発表された「CE4100」で、Google TVは、CE4100を基幹とするハードウェアで、カスタマイズされたAndroid OSを動かしている。Intelは、このAtomを使ったハードウェアでインターネット接続機能やアプリ実行環境を実装したテレビ向けプラットフォームを「スマートTV」と呼び、“その先”にあるデバイス戦略の1つとして重視している。

キーノートではあの「Google TV」が再び登場。テレビを見ながらFacebookのようなSNSを利用でき、見たいコンテンツは検索バーを使って探し出す

壇上に展示されていたGoogle TVのプロトタイプ。どちらもソニー製だ(写真=左)。LogitechのGoogle TV用コントロールボックスである「Logitech Revue」(レビュー)。背面を見ると分かるが、出入力対応のHDMIが2基とUSBが2基だけいうシンプルなインタフェースだ(写真=右)

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