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第2回 「VAIO Z」のHDDをSSDに換装する(前編)VAIO Z 長期使用リポート(1/2 ページ)

標準搭載ストレージの違いが、PC性能の決定的差ではないということを教えてやる――というわけで、HDD内蔵の「VAIO Z」を思い切ってSSDに換装してみた。

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←・第1回 「VAIO Z」のクアッドSSDを味わう

購入時から考えていたSSDへの乗り換えに挑む

筆者のHDD搭載「VAIO Z」。HDDと光学ドライブは排他になるので、光学ドライブのない1スピンドル構成となっている

 最初に前回のおさらいをしておこう。筆者が2010年3月に購入したハイエンドモバイルノートPCの「VAIO Z」(VAIOオーナーメードモデル、型番はVPCZ13AGJ)は、回転数が5400rpmで容量が320GバイトのHDDを選択している。一方、PC USER編集部から借用したVAIO Zのストレージは、最速クラスの選択肢となる256GバイトのクアッドSSDだ。

 ストレージ以外の主要なスペックは、CPUがCore i7-620M(2.66GHz/最大3.33GHz)、メモリが4Gバイト、グラフィックスがIntel HD Graphics/NVIDIA GeForce GT 330M(グラフィックスメモリ1Gバイト)と同じだが、ストレージ性能が圧倒的に違うため、各種のベンチマークテストでは大きなスコアの差がついてしまった。いうまでもなく、クアッドSSDを搭載したほうがはるかに優秀だ。

 あまりの違いに驚いたが、ちょっと悔しいので、私物のVAIO Zをパワーアップすることに決めた、というのが前回の話となる。

 ところが、いざパワーアップといっても、小さな本体にハイスペックが詰め込まれているVAIO Zの場合、ハードウェアを強化できる部分はほとんどない。基板にじか付けのCPUやGPUの交換は不可能だし、もとから4Gバイトのメモリをさらに増やしても、通常の利用で大きな効果は見込めないだろう(大量のメモリを必要とする用途は別として)。

 唯一ともいえる手段はストレージの交換だ。ストレージの違いがパフォーマンスの差になっていたわけだから、私物のVAIO Zが搭載しているHDDをより高速なSSDに換装するのは理にかなっている。


さっそくSSDを買いにアキバへ

注意

製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは取材した機材のものであり、すべての個体に該当するわけではありません。この記事をもとに分解/改造を行うことで損害が生じた場合、著者や編集部、メーカー、販売店はその責任を負いません。この記事についての個別のお問い合わせにもお答えできません。


 実は、HDDからSSDへの換装は、VAIO Zを購入する段階から考えていた。あえてHDDを選んだ理由は、価格を安く抑えられる点が大きいが、専用ユニットで端子も特殊なSSDに比べて、HDDは汎用の2.5インチドライブなので、換装が容易に違いないと予想したからだ(ちなみにHDDを選ぶと、光学ドライブは搭載できない)。これまでは記事の締切に追われたり気力が出なかったりで、購入から9カ月弱も過ぎてしまったが、前回のテスト結果を見て、がぜんヤル気が沸いてきた。

 あらかじめ、Windows 7のデバイスマネージャで内蔵HDDの型番を見ると、東芝の「MK3265GSX」とある。MK3265GSXのスペックを調べて、換装後に動作するであろうSSDの最低要件を予想してみると、サイズは2.5インチで9.5ミリ厚(これより小さいものでも、工夫すれば搭載できそうだ)、インタフェースはSerial ATAだ。いわば現在のノートPCにおいてスタンダードな仕様なので、これに見合うSSDを探すのは苦労しないだろう。念のため、VAIO Z本体を分解して、実際の内部構造(換装が可能かどうか)と端子の形状(汎用の端子かどうか)を確認しておけばパーフェクトだ。


HDD搭載VAIO Zの内部構造。本来は光学ドライブを内蔵する位置に9.5ミリ厚の2.5インチSerial ATAが配置されている。中央下に空いたスペースはSSD搭載用だが、HDDモデルを購入して、後からSSDを増設するようなことはできない。分解の仕方は次のページで紹介する

クアッドSSD搭載VAIO Zの内部構造。HDD搭載の構成では空きスペースだったところに独自形状のSSDユニットが内蔵される。クアッドSSDのユニットは、デュアルSSDモジュールを2枚に重ね、マウンタに装着してある。HDDがあった場所には光学ドライブ(写真ではBlu-ray Discドライブ)がぴったり収まる

 さて、ハイテンションでアキバへ繰り出し、SSDを物色した。こういうときのショップ巡りは、いつにも増してとても楽しい。メーカー、モデル、容量など、あれこれ考えた末、結局は定番に落ち着いた。インテル製SSDの「X25-M Mainstream SATA Solid-State Drive」で、容量は120Gバイトだ。これなら実績と評判、信頼性とも問題ないだろう。

 X25-Mには、120Gバイトのほかに80Gバイトと160Gバイトのモデルがある。80Gバイトでは容量が心もとなく、160Gバイトは予算オーバー。今回は最新モデルということで興味もあった、120Gバイトを購入した。

 ちなみに筆者の用途では、SSDの容量が120Gバイトもあれば、ひとまず安心だ。記事の執筆とモバイルでのWebブラウズ、メール、インスタントメッセンジャー、オフィスアプリケーション、ごく簡単なフォトレタッチなどが快適にこなせればよく、VAIO Zに大容量のデータを保存することはない。常用アプリケーションのインストールに必要な容量なども、今までの経験則からだいたい分かっている。

SSDがPCショップに出回り始めた当初から、高速なアクセスで人気を集めたインテル製の「X25-M Mainstream SATA Solid-State Drive」。他メーカーのSSDが進化した今も、その実力は色あせていない。こちらは34ナノメートルのMLC NANDフラッシュメモリを採用した第2世代モデルだ

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