Windowsが動くLTEタブ&スマホ、さらにiPadも──ドコモの「モバイルセキュアデスクトップ」:スマートフォン&タブレット2011秋
スマートフォン&タブレット2011秋のNTTドコモブースで、Windowsを動作させたXiタブレットが展示されている。クラウドサービス「モバイルセキュアデスクトップ」で実現するという。
クラウド環境で「Windows+Office」をまるごとタブレットで
法人向けのスマートデバイス展示イベント、スマートフォン&タブレット2011秋のNTTドコモブースで、LTE対応タブレットでWindowsを動作させる「モバイルセキュアデスクトップ」が展示されている。
モバイルセキュアデスクトップは、スマートデバイスやPCをシンクライアントとして機能させ、サーバ経由でWindows OSとOfficeアプリケーション、Internet Explorer、ストレージ領域・デスクトップ環境を仮想的に提供するクラウドサービス。すべてネットワークを介してアクセスするため、どこでも、複数のデバイスで同じデスクトップ環境を利用できる特徴を持ち、「セキュリティレベルの向上」と「生産効率向上+コスト圧縮」を両立するとうたう。主に法人向けとして2011年2月にサービスが始まった。
価格は、ビジネスバリュープランが月額7500円(Officeあり、原則利用開始月翌月から1年の契約期間あり)、ビジネスプランが1万円(Officeあり、縛りなし)、エコノミープランが8500円(Officeなし、縛りなし)。初回事務手数料は6300円で、初月利用料は無料。個人ユーザーも契約できる。
利用可能な端末は、PC、Mac、スマートフォン、タブレットなど、シトリックスの仮想クライアント「Citrix Receiver」の用意があるデバイス全般。Windows 7搭載PCやAndroidスマートフォン/タブレットはもちろん、iPadも対応する。
ユーザーには、堅牢なNTTドコモのデータセンターですべてのデータを一括管理し、デバイスにデータが残らないセキュアな環境を実現しつつ、クライアントに既存のデバイスを併用可能で、ビジネスシーンに必要な機能を比較的低コストで構築できる点をメリットとする。
ビジネスバリュープラン/ビジネスプランは、Excel、PowerPoint、Outlook、Wordの各種Office Standard 2010アプリケーションほか、PDFViewer/Writer、Internet Explorer 8が標準で同梱。Project 2010 Standard(プラス2500円)、Visio Standard(プラス1000円)を追加するオプションも用意する。堅牢性を維持する目的で、ユーザー側で任意のアプリケーションはインストールできないようになっている。
ストレージ領域は標準で4Gバイト分(最大46Gバイトまで)。1Gバイトあたりプラス100円で増加でき、別HDDとしてマウントさせるストレージ領域や同一契約内のユーザーで共有できる共有ストレージ領域(同じく1Gバイトあたりプラス100円、最大200Gバイトまで)、社外からアクセスできないメールアカウントユーザー用の転送メールBOX(1メールアカウントあたりプラス300円)といったオプションも用意する。
企業・オフィス内管理者向けに、昨今のスマートデバイス活用で必須機能となっている「遠隔ロック」をサポートする。すべてクラウド環境で実行するため基本は端末本体にデータは残らないが、万一の紛失・盗難時も管理側でもロックすることで被害を最小限に抑えられる。
Windows上で好みのアプリケーションをインストールできず、個人プライベート用途で使うならばほかにリモートデスクトップなどの方法があり、かつ月額料金もやや考えさせられる価格帯。ただ、法人向けとしてはセキュリティ性+利便性、さらに機器購入コストと維持費+Windows OS/Officeのライセンス料を含めて考えるとかなり安価に運用できるといえる。「キミが持っているスマートデバイス、これを入れればそのまま会社用として使ってもいいよ」とできるのも、セキュリティリスクが叫ばれる“個人端末の業務持ち込み是非議論”も含めて、会社としても初期導入コストをさらに抑えられるメリットもあるだろう。
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