GK110がついに使える!──「GeForce GTX TITAN」の“破格”なパワーを知る:イマドキのイタモノ(3/3 ページ)
GeForce GTX 600シリーズでは登場しなかった幻のGK110コアが、満を持して登場。あえてGTX 600シリーズにしなかったそのパフォーマンスを見ていこう。
一番難しいのはこのパワーを使い切ること
3DMark VantageのPerformanceスコアでは、GeForce GTX 680に対し1万5000ポイント近く上回る47174 3DMarksを記録した。Extremeスコアでも6000ポイント高い。Graphics Scoreになると、差は縮まるものの、それでもPerformance設定で7000ポイント、Extreme設定で5000ポイントほど高い。
3DMark 11は、GeForce GTX TITANがGeForce GTX 680よりPerformance設定で2000ポイントほど高い11938 3DMarksを記録した。3DMark Vantageほど大差ではないが、それでも明らかに高いと考えていい数値だ。Graphics Scoreになると3000ポイントと差が広がり、グラフィックスの性能差が大きな要因であることが分かる。興味深いのはCombined Scoreで、Entry設定ではGeForce GTX 680と同程度、Performance設定で300ポイント差なのに、Extreme設定で1500ポイントまで差を広げる。GeForce GTX TITANは、高解像度重設定になるほど性能を発揮できるわけだ。
“新しい”3DMarkでは、Ice StormでGeForce GTX 680が高いスコアを出ているが、これは飽和している状態の結果と考えていいだろう。Cloud GateではGeForce GTX TITANが2500ポイントほど上回り、Fire StrikeのPerformance設定で2000ポイントほどの差、Extremeでも2300ポイントほど高いスコアを記録している。
Unigine Heaven 4.0とTessMark 0.3.0によるテッセレーションテストも、GeForce GTX TITANが高いスコアを見せた。Unigine Heaven 4.0では、各解像度で20fpsほどGeForce GTX 680を上回り、TessMark 0.3.0では、X32設定で6000ポイント、X64設定で3000ポイントほど上回っている。
ゲームタイトルを用いたベンチマークテストの結果では、DirectX 11対応の「Battlefield 3」で、GeForce GTX TITANが2560×1440ドットの最高画質でも60fpsを余裕で上回ってきた。どの解像度設定でも、GeForce GTX 680に対して20fpsほど高い。WQXGAをシングルGPU搭載のグラフィックスカード1枚で動かしたいといったニーズを満たせるGPUといえる。「F1 2012」も、20〜30fpsほど高い数値で推移している。
DirectX 10対応の「Just Cause 2」は、2560×1440ドット設定で測定結果の傾向に違いが出た。GeForce GTX TITANは解像度が高くなっても大きく落ち込むということがないが、比較用の2枚は、特に2560×1440ドットで80fps台まで落ち込んでいた。DirectX 9対応の「The Elder Scrolls V: Skyrim」は、GeForce GTX 680の1366×768ドット条件においてフレームレートが、GeForce GTX TITANでは1920×1080ドットで動作するといった具合の違いを示している。
消費電力は、ほぼ公式スペック通りの結果だ。高負荷時でGeForce GTX 680との差は約75ワットになる。一方、Radeon HD 7970と比べるとさらに50ワットほど高く、従来のハイエンドGPUに相当する印象だ。そういう意味では、GeForce GTX 680の消費電力は異例の低さだったといえる。一方、アイドル時の消費電力も低く、唯一40ワットを下回った点も興味深い。
WQHDの解像度や120Hz対応ディスプレイで使いたい
GeForce GTX TITANは、一般的なPCゲームを高画質設定のフルHD解像度で楽しむ程度では、持っている性能を使い切ることはない。“TITAN”でないと意味がない性能を使い切るには、2560×1440ドットのような高解像度液晶ディスプレイ、あるいは120Hz表示に対応したステレオ立体視ゲーミングディスプレイを利用しないとならないだろう。なお、実売予想価格は999ドルとみられてる。これは、GeForce GTX 690と同じで、かなり高額なグラフィックスカードとなりそうだ。円安もあって国内では10万円かを上回る実売価格とないのではと予想している。
GeForce GTX TITANを購入しようと考えるユーザーは、これまで、デュアルGPU搭載グラフィックスカードカードを使ってきたようなハイエンドユーザーがメインだろう。このようなユーザーでは巨大なタワー型PCが主流であるが、今回の評価作業では、ミニタワーのケースでもGeForce GTX TITANは問題なく動作していたし、ハイエンドGPUとして考えればうるさくない。小さなPCケースに組み込んでうるさくないハイエンドなグラフィックスカードとなれば、利用できるユーザー層はこれまでより広がるかもしれない。
ただ、GeForce GTX 680などで、各PCパーツベンダーが投入した静音重視のクーラーユニットを搭載するモデルと比べるとさすがにかなわない。そういう意味では、各PCパーツベンダーからオリジナルのクーラーユニット搭載モデルが登場するのかも、注目しておきたいのポイントだろう。
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