第2回 「PCカスタマイズオーダー」の魅力を改めて考える:「dynabook R822」ロードテスト(2/2 ページ)
業務都合で「Windows 8+タッチ対応」が必要になったが、どうせ導入するからにはしっかり業務にも活用できるマシンでなければ。そんなユーザーはdynabook R822のどこをポイントにすればよいだろうか。
ライターが望む仕様の本命、やはりキーボードと実用性
長々と直販モデルを選んだ理由を書いたが、今回のdynabook R822のWebオリジナルモデルは、Core i5-3317U、メモリは8Gバイト、SSDは256Gバイトと、筆者が望む仕様を満たすスペックを選択した。とくにSSDは東芝製だけに信頼性の面でも期待できる。
Windowsエクスペリエンスインデックスの値は、プロセッサ6.9、メモリ7.3、プライマリハードディスク8.1と、期待どおり筆者基準を満たしている。グラフィックススコアは若干低めの4.8、ゲーム用が6.2となるが、CPU統合グラフィックスにおいては問題なく標準的なスコアだ。PCMark 7でも4504ポイントという十分なスコアを出している。
そしてストレージだ。本機搭載のSSDはパフォーマンスがかなり高い。シーケンシャルリードが442.6Mバイト/秒、同ライトが267.5Mバイト/秒だ。リード速度に比べるとライト速度はやや低いものの、これでもこれまでのHDDとは比べものにならないほど高速。4Kや4KQD32での速度も十分で、こちらは小さなサイズのファイルを大量に読み書きする作業(オフィスデータやメール、Webサイト・サービスの利用など、一般オフィス業務など)で、快適な操作性が得られるはずだ。
こうしたパフォーマンスもそうだが、実はキーボード配列も気に入っているポイントである。打感は適度に固く、横キーピッチも標準サイズ。なにより特殊な配列になっていないのが好ましい。
複数台のPCを並列して扱う筆者としては、ほかのPCのキーボードと大きく配列が変わらない、特にキーピッチが大きく変わらないという部分もPC選びのポイントとしている。あちらを操作し、次にこちらを操作して……と並列作業する際、それぞれが異なるキー配列だったりすると、予想以上に作業効率が落ちる。ビジネスシーンも大切にし、業務利用での使い勝手も重視するdynabookシリーズとしてはあたり前なのかもしれないが、ここは重視したい。
dynabook R822は主流のアイソレーションタイプのキーボードとして、キーピッチ以外にキー単体の間隔もちょうどよい。ストロークは薄型傾向のUltrabookなだけに少し浅めだが、打鍵感もしっかり感じられる固さだ。大きなEnterキー、独立した十字キーも筆者好みである。
パームレストは独自のスタイド&チルト仕様のヒンジ機構により一般のモバイルノートPCより縦サイズが狭いのだが、手のひらをしっかり置けるスペースは確保してあるし、狭い分、腕時計がカンカンと当たらない絶妙なサイズ感なのだ(パームレストが広めのPCだと、腕時計が当たってパームレストの塗装がはげる・キズが付くといった不都合がある。こちら、意外と問題視はされていないようだが……)。
最後に、使用時の温度も。温度からくる不快感は“やる気の低下”に直結するが、本機はどうだろう。負荷をかけるPCMark7テスト連続実行中のキーボード表面温度(9カ所)を測ってみた。
キーボード左部 | キーボード中央部 | キーボード右部 | |
---|---|---|---|
キーボード上段 | 27度 | 33度 | 27度 |
キーボード下段 | 25度 | 28度 | 28度 |
パームレスト部 | 24度 | 24度 | 27度 |
室内温度25度 |
キーボード面は上段/中部が高め、対して手に触れるパームレスト部は総じて低めだった。基本的に、電源プラン:高パフォーマンスで高負荷をかけ続けていても手のひらに不快な熱は感じない。また、R822のパームレストは細かいディンプル加工が施されており、仮に手汗をかいたとしてもべたつくことなく作業を続けられる。
このような具合で、“タッチ対応”を含めた業務マシンとしてdynabook R822は筆者の望む仕様のほとんどを満たしている。ことノートPCスタイルの原稿執筆環境に関しては、パフォーマンス+使い勝手向上のシナジー効果により想像以上に効率がよくなった。思い切って導入してみるものである。
(続く)
次回は“肝心のタブレットスタイル”はどうなのか──を紹介して行く予定です。
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