まもなく登場──旧OSユーザーのための「Windows 8.1」導入ガイド(基礎知識編):鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8.1」
いよいよ登場する「Windows 8.1」。まずは「Windows 8.1は、どうやってアップデート/購入すればいい?」をサラリと理解するためのポイントをおさらいしよう。【アップデートインストールの画面を追加】
Windows 8.1は、どうやってアップデート/購入すればいい?
Windows 8.1が、いよいよ10月18日に世界同時発売となる。
「え? ついこの前、Windows 8が出たばかりなのに、もう新しいOSなの?」と驚かれる方もいるかもしれないが、Windows 8.1はWindows 8のマイナーバージョンアップ版にあたり、基本的には従来のOSにやや大きめの機能追加や変更を施したものという考え方でよい。すでにWindows 8を利用するユーザーには無料でアップデートが提供される。こちら、これまで「サービスパック」の名称で提供されていたアップデートを「1年周期のOS更新」という方針をもとに「Windows 8.1」の名称で別製品として提供したものだといえるだろう。
Windows 8.1は主に次の3つの形態で入手できる。
- 「Windows 8.1」「Windows 8.1 Pro」のパッケージを購入(このほか、8.1→8.1 Proアップグレード製品「Windows 8.1 Pro Pack」、法人向け「Windows 8.1 Enterprise」エディションも存在する)
- Windows 8からオンラインアップデートする
- Windows 8.1をプリインストールしたPCを購入する
1つめが従来の主な提供方法で、パッケージ製品をMicrosoft Storeまたは家電量販店などで購入する形となる。詳細は次回の「アップデート準備編」で紹介する予定だが、Windows XP/Vista/7などの旧OSからのバージョンアップを検討している人、あるいは自作PCなどにて新規にマシンを用意する人のための製品となる。
価格はWindows 8.1が1万3800円、Windows 8.1 Proが2万5800円。Windows 8.1 Pro PackはWindows 8.1ユーザーがProエディションへアップグレードするための製品で、価格は1万2800円となる。なお、バージョンアップと前述したが、現環境をそのまま移行するアップグレードインストールはWindows 8のみとなり、それ以外のバージョンではクリーンインストール(に近い扱い)になるので注意したい(なお、従来バージョンまで存在したアップグレード版/DSP版の違いがなくなったので、分かりやすくなったととらえることもできる)。
エディション別の機能の違いは以下を参照願いたい。
2つめは、今回のWindows 8.1の性質をよく表した配信スタイルである。Windows 8を利用している既存ユーザーは、そのまま無償でWindows 8.1へとオンラインでアップデートできる。日本では2013年10月17日20時よりWindowsストアで順次公開される。
Windowsストア経由でのオンラインアップデートは、最も早く18日を迎えるニュージーランド時間の18日午前0時に世界同時配信が始まる。そのため、時差のある日本では17日21時、Microsoft本社のある米国西海岸では17日16時に開始されるというわけだ。筆者は当日ニューヨークにいる予定で、配信開始の現地時間は17日7時となる。現地よりWindows 8.1提供開始のインストールリポートもお届けする予定だ。
注意点としては、Windows 8(無印)のユーザーはWindows 8.1に、Windows 8 ProのユーザーはWindows 8.1 Proといったように、同じグレードのエディションへのアップデートに限られることが挙げられる(ほとんどないと思うが、Pro→無印を希望する場合も同様)。もしWindows 8のユーザーがWindows 8.1 Proへのアップグレードを望む場合、前述したWindows 8.1 Pro Packが必要になる。また、オンラインでのアップデートとなるため、数Gバイト単位のOS本体データをダウンロードするための高速な回線──家庭やオフィスの高速な固定インターネット回線も必要となる(モバイル回線でもできないことはないが)。
3つめは、既存のPC環境をアップデートする以外の方法で、Windows 8.1を入手する特に一般的な手段だ。Windows 8.1パッケージ版の発売日は10月18日。それに合わせて、Windows 8.1をプリインストールするPC新モデルも18日より順次販売される。
Windows 8.1が旧バージョンと異なる部分と導入するメリット
「Windows 8.1はWindows 8のマイナーバージョンアップ版」と説明したが、具体的にどのあたりが異なるのか。特に目立つところをまとめた。過去の連載記事と合わせてチェックしてもらえると幸いだ。
- Snap Viewが廃止、代わりにModern UIでウィンドウサイズを可変できるようになり、自由度が向上
- SkyDriveなどオンラインサービスとの連携がさらに強化
- Internet Explorerのバージョンが11となり、使い勝手やパフォーマンスを向上
- 設定メニューの細分化によりModern UIで変更可能な項目が増えた
- 3Dプリンタなど、新しい周辺機器も標準サポート
- 画面の縦置き(ポートレートモード)での対応が強化され、7インチサイズの小型タブレットでの利用を意識するようになった
- スタートボタンの追加
- 起動時に“デスクトップUIで起動”とするよう設定可能に
などだ。
どれも必須項目というわけではないが、Windows 8で不満・課題とされていた点が細かく改良されており、その意味で「Windows 8ユーザーはぜひアップデートすべき」といった内容になっている。
一方、Windows 7までの旧バージョンのユーザーはどうか。これまで(Modern UIを中心に)比較的大きな変更のためバージョンアップへの抵抗がある人もいたと想定するWindows 8に対し、それを解消する改良が多く行われ、ある意味“こなれた”感のあるWindows 8.1は、その障壁は減っていると思う。デスクトップUIのみで使用する人も、Windows 7時代のPCであれば8.1に変えるだけで体感的に分かるほどのパフォーマンス向上を感じられるはずだ。
とはいえ、既存環境で不満のないWindows Vista頃のスペックのPCを使用するユーザーが、環境を再構築してまでWindows 8.1のみを導入する理由となると……実はあまりないかもしれない。このため「PCを新調するのにいいタイミング」と考えるのはいかがだろう。OSパッケージのみを購入してアップグレードするというより、Windows 8.1をプリインストールした快速な新マシンを買う選択肢を選ぶのが一般的だと思う。
- →<アップグレード準備編>へ続く
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