「Windows 10スマホ」急増の兆し――実績ナシでも参入が相次ぐ理由:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)
「Windows 10 Mobile」の正式公開に向けて、日本でも同OS搭載スマートフォンの開発を表明するメーカーが増えつつある。これまで国内で鳴かず飛ばずだったWindows Phoneだが、なぜ今になって新規参入が続いているのだろうか。
ラストスパートでどこまで端末のパフォーマンスを引き出せるか
日本でユーザーの少ないWindows Phoneは、その長所も短所もあまり広く知られていない。短所は間違いなくアプリケーション不足だが、実はアプリケーションが少ないことを除けば、技術的には優れた面が多い。
まず少ないメモリ、遅めのプロセッサでも、応答性が高い。パフォーマンスチューニングのレベルはiOS並で、Androidに比べると少ないハードウェアリソースで快適に動作する。つまり、iPhone並の動作の軽さを誇ってきたのだ。
ユーザーインタフェースも、ややビジュアルエフェクトが鼻につくものの、アニメーションそのものはスムーズ。当初はスマートフォン向けとしていまひとつ使いにくかったタイルを並べたスタイルのホーム画面も、世代を重ねるごとによい仕上がりになってきている。
ただし、Windows Phoneはここで大きな転機を迎えている。携帯端末向け専用に開発されてきたWindows Phone用OSを、Windows 10ファミリーに切り替えるからだ。そこで、これまでと同じような動作の軽さ(応答性)、要求メモリの少なさ、全体のパフォーマンス、省電力性能の高さなどを維持できるのか。
テスト版では、まだWindows Phone 8.1ほどのカリカリにチューンされたパフォーマンスを引き出せていないように思える。しかし、一方で奔流のWindowsから引き継げる機能やセキュリティ面の強靱(きょうじん)性、企業システムとの連動性などもあり、パフォーマンスのチューニングさえ進めば、よいOSと評価されるようになるだろう。
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