低価格2in1デバイスは、10.1型と8.9型のどちらが買いか?:Cherry Trail搭載タブレット(3/3 ページ)
Cherry Trail世代のSoCを搭載した新「mouse」ブランドの低価格Windowsタブレット「MT-WN1001」と「WN892」を徹底レビュー。サイズの違いで何が変わる?
アスペクト比16:10のIPS液晶ディスプレイを搭載
10.1型モデルと8.9型モデル、液晶ディスプレイのサイズは違うが液晶ディスプレイの表示解像度は1280×800ピクセルで共通だ。画素密度はそれぞれ149ppiと170ppiと、高精細というわけではない。ただ、画面のアスペクト比は16:10と、採用例の多い16:9に比べて縦の情報量が高いため、解像度のわりには窮屈感は軽減されている。また、視野角の広いIPSパネルを採用しており、斜めからでもきちんと画面の表示を視認できる。
タッチパネルを搭載しているため、表面にはガラスで光沢仕上げされている。写真などは高精細でないなりに比較的鮮やかに見えるが、照明がきついオフィスや外光がある屋外では映り込みは気になる。タッチの操作感はごく普通(後述する保護シートなしの場合)という印象だが、ガラスと画面との視差は少し気になる。
なお、表面には標準で液晶保護シートが貼られている。透明感、表面の滑りともに、貼っていない状態に比べてタッチ操作の感触や視認性は劣るが、気に入らなければ剥がして使えばよいので、シートを貼って使いたい方にとっては自分で貼り付けする手間が省ける点はありがたい。
色域や輝度は、エックスライトのi1 Display Proを使って計測した。液晶保護シートは剥がした状態で行なっている。8.9型モデルのほうが高輝度で広色域だが、10.1型モデルも悪くない結果で、色味も比較的素直だった。
パフォーマンスは価格なり、バッテリー駆動時間は十分
ベンチマークテストでパフォーマンスをチェックしよう。CPU(SoC)がAtom x5-Z8300(1.44GHz/最大1.84GHz)、メモリが2GB、データストレージが64GB eMMCという内容。基本スペックが共通であるため、性能テストについては8.9型モデルの結果は割愛した。
結果はご覧のとおりだ。Cherry Trail搭載機としてはSurface 3などが有名だが、Cherry Trailの中での上位のAtom x7-Z8700を搭載するSurface 3と比べるとやはり見劣る。Bay Trail-T搭載機からは順当に性能が向上しているが、使用感はそれほど変わらない。
Core iシリーズを搭載した製品と比べると、アプリケーションのセットアップなどにかなりの時間がかかるほか、OSの基本操作などもワンテンポ遅れて反応する印象で、特にアイドル状態がしばらく続いた後に何かを操作する際の立ち上がりが鈍く、待たされる印象がある。
もっとも、テンポの違いはしばらく使っていれば慣れることができ、いったん使い出してしまえば、ストレスなく使うことができる。プリインストールのOffice Mobileも、起動には数秒かかるが、起動してしまえば意外とサクサクと動作する。
バッテリーの公称駆動時間は、10.1型モデルが約6.7時間、8.9型モデルが約5.75時間となっている。バッテリーレポートでは、バッテリー容量が取得できなかった。bbench 1.01(海人氏・作)による実測の駆動時間は、10.1型モデルが7時間53分、8.9型モデルが5時間59分と、いずれも公称値を上回って駆動した。
用途、違いの見極めて選びたい
10.1型モデルと8.9型モデルでは意外と差がある。10.1型のMT-WN1001は、インタフェースが充実していてカバーキーボードも省略キーが少なく実用的。2in1デバイスとして、ノートPCの代わりに運用できる使い勝手を備えている。
一方、8.9型モデルはストレージ容量、インタフェースの内容が最小限でキーボードもかなりクセがある。ノートPCとして使おうと思うと足りない部分が多い。2in1デバイスというよりは、キーボード付属タブレットとしてとらえるべきだろう。
もっとも、約383グラムという小型軽量ボディで、コンパクトに携帯できる専用のカバーキーボードが付属しているという点は大きな魅力だ。テキスト入力がしっかりできるデバイスを身軽に持ち歩きたいというユーザーには適している。
直販価格は、10.1型モデルのMT-WN1001が4万2098円(税込)、8.9型モデルのWN892は、3万3458円(税込)だ。どちらもコストパフォーマンスは高く、2in1デバイスの購入を検討しているのなら、選択肢の1つに入れておきたい製品だ。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
→PC USER特設ページ「mouse station」
超コンパクトなスティック型PC「m-Stick MS-NH1」が人気沸騰! 4K対応IGZO液晶+GTX 970Mの快速ゲーミングノートも!!
関連記事
- GTX 970Mの性能をフルに生かせるハイパワーマシン「mBook P」実力検証
マウスコンピューターブランドの製品ながらG-Tuneに匹敵する性能を持つ15.6型ノートが「mBook P」シリーズの最上位モデル「MB-P960X2-M64」だ。ゲームもクリエイティブユースも死角なし! - 大画面フルスペックのパワフルノート「m-Book W」で“下克上”再び
17.3型ボディに第6世代CoreとGeForce GTX 960Mを搭載し、さらにPCIe 3.0 x4接続の爆速SSDまで詰め込んだ「m-Book W MB-W830X-SH」。このスペックでゲーミングPCブランドじゃないだと……? - 2015年に編集部が最も注目したゲーミングPC
今年発売された製品の中からジャンル別に注目製品を選ぶアワード企画。ゲーミング部門の「編集部ベストチョイス」は、G-Tune入魂の「LITTLEGEAR」だ。 - 爆速システムを持ち運べ! 「LITTLEGEAR i310」の最高峰モデルがすごい
「G-Tune」ブランドから登場した「LITTLEGEAR」シリーズは、持ち運べるサイズのボディに最新ハイエンドシステムも搭載可能な新感覚のデスクトップPCだ。コンパクトなのに爆速! - 「GPU Switch」で外部GPUを固定利用! 高速ゲーミングノート「NEXTGEAR-NOTE i5710」実力検証
最新CPUと高性能GPUを搭載し、超高速SSDを搭載。さらに外付けグラフィックスを固定で利用できる機能により常にハイパフォーマンスを発揮できるゲーミングノートPCがG-Tuneに登場。速いぞ! - 爆速でも冷える! Skylake+GTX 980搭載のダブル水冷モデル「NEXTGEAR i650PA2-SP」徹底検証
ゲーミングPCブランド「G-Tune」にラインアップされる「NEXTGEAR i650PA2-SP」は、最新かつ最高峰のパーツで固めた構成に水冷システムを導入した注目のモデルだ。 - SSD搭載でも5万円台!! 快適レスポンスの“お手軽”モバイルノートPC「LuvBook C」
最小構成なら3万円台という低価格が魅力の11.6型モバイルノートPC「LuvBook C」シリーズを試す。もうこれで十分だよね。 - 約束された勝利の自作――PC初心者も安心の「組立ワークショップ」を体験!
パソコン自作はすてきさ、ただ無事に動くなら。 - すべてが新しく、高性能:Skylake×Windows 10の先進ゲーミングマシン「NEXTGEAR i650」の実力
「Windows 10」に続いて、開発コードネーム「Skylake」ことIntelの新世代CPU、および新世代チップセットが発表された。これら最新システムをいち早く採用したゲーミングPCが登場した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.