まだ終わらんよ 見えてきたWindows 10 Mobileの次期アップデート:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
日本以外でいまいち盛り上がっていない「Windows 10 Mobile」。iOSとAndroidの壁は厚いが、ビジネスユース向けに機能強化やサポートは続けていく方針だ。
Windows 10 Mobileの次期大型アップデートはどうなる?
Microsoftが米ジョージア州アトランタで9月下旬に開催した技術イベントのIgnite 2016では、多数の企業のITプロフェッショナルらを前に、Windows 10 Mobileの「次」についての説明がなされた。
Windows 10 MobileはPC版のそれとは異なり、最初のバージョンである「Windows 10(1507)」が配信されておらず、「Lumia 950」など一部のプリインストールモデルを除けば最大半年遅れ程度で「November Update(1511)」の配信が開始され、これがWindows 10 Mobileとしては最初のバージョンとなった。
2016年夏の「Anniversary Update(1607)」はWindows 10 Mobileとしては初の大型アップデートとなり、Windows Store for Buinessでの有料アプリの扱いや、デバイス管理(MDM)でのアップデート、セキュリティ関連の強化で、企業向けとして初めて本格的に使えるレベルの内容になった。
機能面では、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンに外部ディスプレイを接続してPCのように利用する「Continuum」がもたらす生産性向上や、企業の機密データをコピー&ペーストあるいは外部ストレージへの保存で持ち出せないようにする「Enterprise Data Protection」などが紹介され、企業ユーザー向けの大きな特徴だとアピールしている。
ただ、やはりWindowsならではの特徴と言えば「Azure HD」によるアクセス管理や特定業務向けの利用を想定したセキュリティやコンフィギュレーションなど、管理や運用の柔軟性が大きなメリットだと考える。
セッションではAnniversary Update(RS1)に続く大型アップデートとなるRedstone 2(RS2)の話題にも触れている。ドッキング動作なしでWindows 10 Mobileデバイスを近くに所持しているだけでContinuumが利用可能になる機能や、Continuum利用時におけるスタートメニューのカスタマイズ、複数デバイスの一括アップデートなど、生産性や管理面での機能を補完する内容となる。
RS2の配信2017年3〜4月ごろとみられるが、実際のWindows 10 MobileのRS2配信はもう少し遅くて初夏となり、実際に企業ユーザーの導入は早くて2017年後半か2018年以降になりそうだ。当面は大規模な変更よりも、こうした細かい機能のアップデートが中心になると予想される。
Microsoftがアピールする相手を企業と定めた以上、Windows 10 Mobileの進化はより安定性や管理性を重視する傾向が強まるだろう。
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