ミドルレンジ期待の新星となるか? 「Intel Arc A580」搭載グラフィックスカードを試して分かったこと(1/3 ページ)
Intelが、ゲーミング向けGPU「Arc A Graphics」の新製品として「Arc A580」を投入する。デスクトップ向け製品では穴となっていたフルHD解像度をターゲットに据えた製品で、グラフィックスカードの想定販売価格は米国では179ドル(約2万6700円)、日本では3万5000円弱となる。本GPUの概要を紹介すると共に、その実力を先行してチェックしてみよう。
Intelは10月10日(米国太平洋時間)、新しいGPU「Intel Arc A580 Graphics」を発表した。同GPUを搭載するグラフィックスカードはASRock、GUNNIRおよびSparkle Computerから近日中に発売される予定だ。米国における想定販売価格は179ドル(約2万6700円)となる。ASRockが販売する「Arc A580 Challenger 8GB OC」については、日本でも10月13日に発売される予定で、想定販売価格は3万4800円(税込み)となる。
本記事では、同GPUの概要と共に、Arc A580 Challenger 8GB OCを通して“実力”をチェックしていく。
Arc A580の概要
Intel Arc A580 Graphics(以下「Arc A580」)は、Intelのゲーミング向けGPU「Intel Arc A Graphics」シリーズのデスクトップ向けミドルレンジモデルという位置付けとなる。
同シリーズのデスクトップ向けでは、ハイエンドの「Intel Arc A770 Graphics」「Intel Arc A750 Graphics」と、エントリーの「Intel Arc A380 Graphics」「Intel Arc A310 Graphics」はリリース済みだったが、ミドルレンジは“初登場”となる。
Arc A580の主な仕様は以下の通りだ。
- GPUダイのモデル名:ACM-G10(レンダースライス6基)
- Xeコア(演算ブロック):24基(4基×6)
- レイトレーシングユニット:24基(4基×6)
- XMXエンジン:384基(64基×6)
- 稼働クロック:1.7GHz(定格)
- L2キャッシュ:24MB
- Xe Media Engine(XME):2基
- マルチフォーマットコーデックエンジン(MFX)×4(2基×2)
- Xe Display Engine:4画面出力対応
- グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6規格/256bit幅)
- 映像出力:DisplayPort 2.0×3+HDMI 2.0b×1
- 接続バス:PCI Express 4.0 x16
- 消費電力:185W
- GPU補助電源ピン:8ピン×2
本GPUは、DirectX 12 Ultimate/Vulkanを使った、フルHD(1080p/1920×1080ピクセル)のゲーミングに最適化されている。また、XMEに内包されたMFXは、H.264(MP4)/H.265(HEIC)/AV1/VP9のハードウェアエンコードに対応しているため、動画作成アプリや配信システムにおけるCPUの負荷の軽減を図れる。
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