街は回復するも、自作予算の青天井は止まらない:2023年のアキバまとめ【前編】(3/4 ページ)
コロナ禍が収まった電気街の様子は2019年以前に近くなったが、売れ筋パーツの価格はその頃から大きく上昇している。とりわけ目立つのはグラフィックスカードだ。前編はそこにスポットを当てて2023年を振り返る。
ようやく「普通のハイエンド」の地位を得たGeForce RTX 4070 Ti
GeForce RTX 4080以下のGeForceシリーズも、続々と登場している。
1月5日に登場したのは「GeForce RTX 4070 Ti」搭載カードだ。価格は15万円弱〜18万円弱で、発売当初はRTX 4090カードほどの反響は得られなかったものの、1年かけてじわじわと支持を広げていった。秋を過ぎた頃には「ウルトラハイエンドはRTX 4090、普通のハイエンドはRTX 4070 Tiといった感がありますね」(パソコンSHOPアーク)との評をよく聞くようになっている。
以降も、1つずつ下のランクのGPUがデビューしていく。4月には「GeForce RTX 4070」搭載カードが10万円弱〜12万円弱で、5月には「GeForce RTX 4060 Ti(8GB)」カードが7万円弱〜8万円弱で登場。6月末には「GeForce RTX 4060」カードが5万円弱から6万6000円弱で売り場に並んだ。
さらに1カ月後には、メモリを16GB搭載した「GeForce RTX 4060 Ti(16GB)」カードも8万2000円強〜9万4000円弱で買えるようになり、RTX 40シリーズのミドルレンジ以上が選べる状況になっている。
いずれも、登場からゆっくりと人気を獲得していくプロセスを経た感がある。あるショップは「本音を言えば3〜4万円で買えるゲーミングの最低限ラインもほしいんですが、為替や価格高騰などの関係で望めない状況なんですよね」とこぼしていた。
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