ニュース
AMDが組み込み機器用アダプティブSoC「Versal Premium」の第2世代を開発 2026年半ばに製品版を出荷
AMDの組み込み機器用アダプティブSoC「Versal」のプレミアムモデル(処理負荷の大きい演算(コンピューティング)/ネットワークアプリケーションを稼働する組み込み機器)に第2世代が登場する。従来のアーキテクチャは踏襲しつつ、より高速なデータ転送とセキュリティを向上するための機能改善を行ったことが特徴だ。
AMDは11月12日(米国太平洋時間)、組み込み機器向けSoC「AMD Versal Premium Gen 2」を2026年半ばに発売することを発表した。発売までの主なスケジュールは以下の通りだ。
- 11月(発表後):仕様書(早期アクセス版)を公開
- 2024年第4四半期(12月末まで):電力見積もりツールを公開
- 2025年後半:AMD Vivadoでのサポート開始
- 2026年前半:チップのサンプルと開発キットの出荷開始
- 2026年半ば:製品版チップの出荷開始
Versal Premium Gen 2の概要
AMD Versalシリーズのうち、「Versal Premium」は処理負荷の大きい演算(コンピューティング)/ネットワークアプリケーションを稼働する組み込み機器を想定した製品となる。今回リリースされるVersal Premium Gen 2は、その名の通りVersal Premiumの第2世代製品となる。
第2世代製品ではあるが、基本設計は現行製品(第1世代)がベースとなっている。ただし、Versal Premiumシリーズがターゲットとする機器において「扱うデータの増加」「より高速な入出力帯域」「データ転送の効率化」「セキュリティ脅威への対応」といったニーズが高まっていることから、主に以下の改良を行っている。
- PCI Express 6.0バスへの対応
- 8レーンを2系統搭載
- 各系統はCXL 3.1バスとして稼働させることも可能
- DDR5/LPDDR5Xメモリのサポート
- DDR5メモリはDDR5-6400まで対応
- LPDDR5XメモリはLPDDR5X-8533まで対応
- 「PCIe IDE(Integrity and Data Encryption)」に対応
- ホストとデータをやりとりする際のセキュリティを向上
- MIPI C-PHY 対応の「X5IO」を搭載
- 「128G SerDes(GTM2)」の実装
- 従来モデルは「112G SerDes(GTM)」だった
現行製品をベースとしているので、今までの資産を生かしつつ、より新しいトレンドに対応できることが強みだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
組み込み機器のAI処理をより高速に――アダプティブSoC「AMD Versal」に第2世代 2025年後半に発売予定
AMDが、組み込みシステム向けのSoC「Versal」の第2世代を2025年後半に投入する。全体的な処理速度を向上することで、「エッジAI処理を1チップでこなしたい」というニーズに応えられるようになったという。
エッジAI対応デバイスを迅速に開発できる「AMD Embedded+」アーキテクチャ登場 Ryzen EmbeddedとVersal Adaptive SoCを活用
エッジAIへのニーズの高まりを受けて、AMDがRyzen EmbeddedとVersal Adaptive SoCを併載することで高パフォーマンスと効率性を両立できるソリューションを発表した。マザーボードはODMメーカーを通して提供されるという。
AMDが新型CPU「EPYC Embedded 9004シリーズ」を発表 エッジコンピューティング/工場用サーバ向け
AMDが「EPYC 9004シリーズ」の組み込み機器向けモデルを発表した。エッジコンピューティングや工場で使われるサーバで利用することを想定して、冗長性を高める機能を追加搭載した他、7年間の長期供給に対応している。
AMD、ネットワークソリューション向けプロセッサ「Ryzen Embedded 5000」シリーズを発表
AMDは、“Zen3”ベースとなるプロセッサ「Ryzen Embedded 5000」シリーズの発表を行った。
AMD、HSA対応の第2世代「AMD Embedded R」シリーズ発表
組み込み市場に注力するAMDが、そのハイエンドラインアップとして“BAID EAGLE”を投入する。



